「治療中断」したらどうなる?!
2024年3月12日
歯科医院での治療は一回で終わるものもあれば、何回も通わなくてはならないものもあり、都合を合わせるのが難しい場合も多いかもしれません。痛みがないからいいかと自己判断で治療を中断する方もいらっしゃいますが、そのまま治療しないでいるとどうなるでしょうか?
おそらく、皆さんが思っている以上にデメリットが多いのが現実です。
今回は治療中断に伴うリスクを考えていきたいと思います。
【治療中断したら起こること】
①治療にかかる時間がさらに伸びる
例えば、むし歯の治療を例に考えていきましょう。
一度で処置が終わるような治療であれば、その日に治療が完了しますので中断になることはありません。しかし、神経の治療などをしたり、その次の来院日に治療が完了する場合、「仮の詰め物」や「仮歯」をつけることがありますよね。
これらは「仮」という名前の通り、最終的な「つめもの」や「かぶせもの」を作っている間の一時的なものです。すぐに外せるようになっており、強度もそれほど強くありません。そのため、治療を中断して長時間つけておくようなものではないのです。
仮の詰め物を付けている間に「もう痛くないから」と自己判断で歯科医院での治療をやめてしまうと、いつの間にか詰め物が外れていたり、隙間が開いて、状態が悪くなってしまうことにもなります。つまり、むし歯が再発する場合や、治療開始時より悪化してしまうということにもなり得るのです。
また、むし歯の治療でかぶせものをする時は型取りをしますが「型取りを終えたあと」の中断も注意が必要です。あまり長く放置すると、かぶせものも合わなくなり、再び型取りをしてつめものやかぶせものを新しく作り直さなくてはならない場合もあります。そのため、無駄に治療期間が延びてしまうことになるのです。
②歯の寿命が短くなる
治療を中断してしまうと「歯の寿命が短くなる」リスクが高まります。
仮の詰め物や仮歯をしている部分は、最終的な詰め物やかぶせものよりも、どうしても細菌が溜まりやすくなります。そのため、中断して放置すると清潔を維持するのが難しく、新たなむし歯ができやすい環境になってしまいます。
最初の治療では小さかったむし歯も、最終的なかぶせものを入れずに放置してしまい、新たなむし歯が生じで神経にまで到達するように大きくなる可能性もあります。神経にまで達してしまうと、神経をとらなくてはならず、歯の寿命がとても短くなります。
神経にまで達しなくても、新しいつめものを作成する際には新たに歯を削る必要性もあるので、自分の歯がどんどん小さくなってしまいます。
神経を抜いてある歯の中断も注意しなければなりません。神経をとった後はむし歯になりやすいだけでなく、神経がある歯よりも脆いため、歯の根が割れたりヒビが入ったりしやすくなります。最悪の場合は「抜歯」せざるを得なくなることが多いため歯の根の治療は中断せずに必ず最後まで受け流のをおすすめしています。
治療中断でリスクが高まるのはむし歯や神経の治療だけではありません。歯周病治療の中断も
歯の寿命に大きな影響を及ぼします。歯周病は歯ぐきが腫れるだけの病気ではありません。進行すると歯を支えている骨が溶けてしまいます。歯周病がこわいのは、病状が進行しているのに気づかないまま、気づいたら骨が溶けていたり炎症が進んでしまったということです。サイレントディジーズとも言われる所以です。
歯周病の原因は歯周病菌であり、歯石除去をしたり、適切な歯科医院でのクリーニングがないと、歯周病は進行していきます。歯周病の進行を食い止めるためにも歯石を取り除くことは重要です。しかし、治療を中断してしまうと、数えきれないほど多くの細菌が歯石に隠れて増殖します。結果として、歯を支える骨を溶かし続け、やがては歯が抜け落ちてしまうのです。
③治療にかかる費用が高くなる
上記の①や②でもご説明しましたが、治療を中断することでそれまでやっていた治療を再度新しくやり直す必要性が出てきます。状態が悪化して、治療時間が長くなることも考えられます。そうすると、当然の如く時間も治療費も余計にかかってしまいますよね。
中断しなかったスムーズに終わっていた治療も、途中でやめてしまうことで歯の状態も悪くなり、それに伴う費用も多くかかることになります。
最後までしっかり通院することで得られるのは、歯の健康だけではありません。
歯科医院に通う時間も長い目で見ると短くなりますし、経済的なご負担も抑えることができるのです。
【OCEAN歯科からのメッセージ】
風邪などと違い、むし歯や歯周病といった歯科医院で扱う口の中の病気は、放っておいても自然に治る病気ではありません。誤った状態で放置すると、確実に悪化していきます。
口の中全体で問題がなくなり、治療が完了するまでは欠かさず通院を続けることをおすすめします。それが最終的には時間もコストも抑え、口の健康を守ることにもつながるのです。
もしも、トラブルや急用などでやむを得ず来院できないときには、スタッフまでご相談ください。せっかく治そうと思って来院されたのですから、口の健康維持のためにどうしたら良いかを一緒に考えていきましょう。