電話でのご予約 047-351-2288

10:00~12:30/14:00~19:00 ※休診日:第2水曜日

キービジュアル

ホワイトニングの種類とメカニズム

2023年3月29日

こんにちは。OCEAN歯科クリニックURAYASU 歯科衛生士の佐藤です。

最近はマスクを外す機会が増え、歯の色を気にされている患者様が多くなってきたと感じています。

「歯の色が気になる」とご相談いただいた際に、どのような処置を行えば改善されるのかいくつかご提案させていただきますが、お悩みの中に【ホワイトニングをしたい】とご質問をいただくことが多いです。

今日はホワイトニングとは何かを知っていただくために“ホワイトニングの種類とメカニズム”についてお話ししていきます。

 

歯を白く綺麗にするホワイトニングは、1989年にアメリカで実用化され、今や日本でも一般的になってきています。

テレビや雑誌に出ている芸能人が白い歯になってきたり、メディアなどでホワイトニング治療が取り上げられるなどの影響もあり、何かのイベントに合わせてというよりも毎日の生活の中できれいな白い歯でいたいという願望から多くの方がホワイトニングを選択することが多くなってきました。

お口のお悩みのアンケートなどをとると、歯の色を白くしたいというのが歯並びなどとともに上位にランキングされていることから、一般の人にとってもホワイトニングがより身近な存在になってきているのではないでしょうか。

ところが、実際にホワイトニングはどのようにして歯を白くするかということをご存知の方は少ないと思います。洋服を漂白するときは漂白剤を使用しますが、歯を漂白して白くするときに危険性がないかなど心配する方もいるかもしれません。

日本の歯科医院で一般的に使用しているホワイトニングの薬剤は、使用方法や用量を守っている限り、基本的に安心なものであり、心配はいりません。

ここではホワイトニングのメカニズムと、歯を白くするためにどのような選択肢があるかを説明していきます。

 

【ホワイトニングの種類】

歯を白くするホワイトニングには種類があります。

特に歯科医院で行うホワイトニングには大きく分けて2つの方法があり「ホームホワイトニング」と「オフィスホワイトニング」があります。ぞれぞれ使用する薬剤や含まれる成分も異なります。

 

①ホームホワイトニング

ホームホワイトニングは薬剤などを歯科医院でお渡しして、それを患者様ご本人が自宅(ホーム)にて行うホワイトニング方法です。

歯科医院でオーダーメイドのマウスピースを作成し、それに薬剤を流し込んで歯に装着すればいいので、好きなタイミングで自分でできることがメリットです。

マウスピースの装着時間は、使用する薬剤の濃度や種類によって異なります。

仕事などが忙しい方や歯科医院になかなか通えない方におすすめの方法です。

効果が出るまでに少し時間はかかりますが、歯の色を自然に変化させていくことができます。緩やかな変化のため、歯の表面の荒れも抑えることができ、透明感のある仕上がりになります。また、色素の分解が細かくなるため、色戻りするまでの期間が長いため白さが長持ちします。

 

②オフィスホワイトニング

オフィスホワイトニングとは、歯科医院(オフィス)で歯科医院の器具を用いて行うホワイトニングです。

ホームホワイトニングでお渡しする薬剤より高濃度の薬剤(主に過酸化水素や過酸化尿素)を使用するため、1回の施術でもすぐに効果が現れるのが特徴です。短時間で負担なくホワイトニングができることがメリットです。

何も問題のない健康な歯であっても、歯の質や厚み、ホワイトニングに使用する薬剤の濃度などの影響で、施術後に歯がしみることもあります。症状としては一時的なものであることがほとんどですが、症状が強い場合や、翌日まで痛みが続くような場合は歯科医院にご連絡ください。

 

③ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングを併用するデュアルホワイトニング

ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングのどちらのメリット・デメリットを補う目的で、どちらのホワイトニング方法も併用して行う方法があります。

まず歯科医院でのオフィスホワイトニングをした後に、自分でホームホワイトニングを行なっていただきます。

通常は2回ほどこれを繰り返しますが、理想とする白さに応じて、さらに回数を重ねることもあります。

【歯科医院で取り扱うホワイトニングの薬剤】

歯科医院で取り扱う薬剤としては

・過酸化水素

・過酸化尿素

・過ホウ酸ナトリウム

があります。

過酸化水素は一般的に漂白剤や殺菌剤などとして使用されていますが、歯科医院で使う過酸化水素は口の中で使用可能な濃度に設定されています。

 

【ホワイトニングのメカニズム】

ホワイトニングで歯が白くなる理由にはいくつかありますが、その中の一つは歯の中にある「歯の色を決定する成分」を化学反応によって分解することです。

ホワイトニングに使用する薬剤の中の過酸化水素は、温度を上げたり、光を当てたり、pH(酸性、中性、アルカリ性などの程度を示す水素イオン指数)を調整したりすることで化学反応を起こします。その化学反応によって歯の中の色素を分解していきます。

 

【ホワイトニング剤、ホワイトニングに関する法律】

ホワイトニング剤関連の法律や規制によると、日本では過酸化物を含んだ製品を一般に販売することが禁止されています。これに対してアメリカを含めた複数の国では、濃度の差はありますが、過酸化水素配合の製品がドラッグストアなどで販売され、一般の人が入手することが可能です。海外に行ったときにドラッグストアで購入したものをキャリーバッグなどに入れて国内に持ち込んだり、最近ではインターネットで簡単に手に入れることもできます。

このように海外で購入したり、インターネットで購入した製品を輸入した本人が自分で使用することは認められています。

ただ、このような製品の中に粗悪品や模倣品があったり、医療機関でしか扱えないような高濃度の製品も見受けられますので、十分な注意が必要となってきます。また、成分がよくわからないような製品を使っても、すべて自己責任のもとでの使用となりますので、事故などが起こったときは保証がされません。

実際にインターネットで購入した高濃度のホームホワイトニング剤を使用して、重度の知覚過敏になったり、歯肉(歯ぐき)が退縮してしまったというような事故も起きています。

何より何が含まれているか分からない製品を使用することは大変危険です。

歯を白くしたいという気持ちは分かりますが、得体の知れない商品を購入するのは危険であることはきちんと理解しておきましょう。

 

【エステティックサロンなどでのホワイトニングとの違い】

一般的な歯のホワイトニングは、歯科医師が開業する歯科医院でしかできませんが、最近ではエステティックサロンなど歯科医院以外での歯のホワイトニングを取り扱うところも増えてきました。

今までの歯のホワイトニングは、歯科医院での歯のクリーニングを行った後、医薬品である過酸化水素や過酸化尿素を使用する医療行為のため、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士しか施術ができませんでした。医薬品とは国に定められている薬剤で、扱いに気をつけなければなりません、

しかし今は、このやり方を工夫することで歯科医院以外でもホワイトニングができるようになっています。

エステティックサロンなどで行われているホワイトニングは、市販の医薬部外品や口腔化粧品などを使用して、お客さんが自分で歯に塗ってLEDライトを当てて行うセルフエステ方式です。

市販品を使用するため、法律や規制などの問題なくホワイトニングが可能です。

しかし、使用する薬剤や器具は医薬品ではなく、また施術するのも歯科医師や歯科衛生士ではありません。

また効果を考えても、過酸化水素が含まれていないため、表面の着色のみを除去することと一時的な歯の乾燥で白くなっているだけなので、繰り返し行っても歯自体は白くはなりません。

 

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

最近ではホワイトニングを希望される方も多くなってきました。しかし、ホワイトニングをしたいと来院されても、虫歯や歯周病があるとすぐにはホワイトニングを開始することはできません。虫歯や歯周病を治療しないままホワイトニングをしてしまうと、歯や歯肉(歯ぐき)を痛めてしまうことにもなりかねないからです。

もしも歯を白くきれいにしたいと思ったら、まずは口の中に問題がないかをチェックすることが第一です。茶渋など歯の表面についてしまった着色なら、歯科医院でのクリーニングによって改善することもありますので、ホワイトニングの前にまずは口の中を丁寧に調べることが大切です。

治療や経過も含めてさまざまな計画を立てることもできますので、ホワイトニングを希望される方はお気軽にお声がけください。

歯を失ったらどうすればいいの?

2023年3月22日

こんにちは、OCEAN歯科クリニックURAYASU 歯科衛生士の佐藤です。

本日のブログは、虫歯や歯周病で「歯を抜くしかない」と言われたことがある方に向けて、抜いたあとはどんな治療を行っていくのかお話ししたいと思います。

 

人が生きていくためには食事をします。そのために歯で食べものを噛み砕くことは必要なことです。できることなら、一生自分の歯が残っていることに越したことはありません。しかしながら、歯の病気が進行してしまったりと、止むを得ず抜かないといけなくなることもあります。そのような場合はどうしたらよいでしょうか。

そのままにしておいていいのか?または、入れ歯にするのか?

さまざまな選択肢があると思います。

今日は、もしも歯を抜かなければならなくなった後の治療方法について、説明をしていきます。

 

【歯を抜いた後はどうなるの?】

まずは、歯を抜いた後、その傷口はどうなるかということを考えていきます。

歯を抜いた後は、すぐには傷は治りません。治るまでは穴が空いた状態になります。

通常は抜いた傷口は縫うこともなくそのまま治るのを待ちますが、穴が大きい場合などは、糸で縫って封鎖することもあります。どちらの場合でも、見た目に傷口が完全にふさがるまで治るまでは2~3週間かかります。しかし、穴がふさがったからといって、その中の骨などはまだ治っていません。中の骨は、その後、3~6ヶ月程度かけてゆっくりと治ってきます。

 

【歯を抜いた後、そのまま放置してたらどうなるの?】

歯が自然に抜けたり、抜いた場合、そのまま放置したらどうなるでしょうか?

まず、抜いた歯と隣あっていた歯が倒れてきます。そうすると、歯垢や汚れがたまりやすくなり、歯磨きはしにくくなります。その結果、むし歯や歯周病にもなってしまいます。

またかみ合っていた歯は、かみ合う部分がなくなるため、抜歯した歯の方向にどんどん伸びてきます。歯はかみ合うことでその位置にありますが、それがなくなるとニョキニョキと伸びてきます。伸びてきた部分は、後で歯を作ろうとした場所の入れ歯やインプラントを入れるスペースを狭くしてしまいます。そのため、歯が伸びた場合は、削ったりする必要があります。

困るのはそれだけではありません。そのような状況になると、かみ合わせも崩れてきていますので、ご自分でもかみにくくなった感じは分かると思います。また、顎関節症で顎が痛くなったりする原因にもなります。

さらに、失った歯の代わりに、周りの歯がかむ力を負担するようになるので、残った歯もどんどんダメージを受けるようになります。そうなる前に、歯を失った部分には、新たに歯を作ったり、なんらかの処置をした方が良いでしょう。

 

【歯を失ったところはどうすればいいの?】

では、実際にはどうしたらいいのでしょうか。

もちろん、一度失われてしまった永久歯は二度と生えてはきませんので、抜けた永久歯に代わるものを作らなければなりません。

 

①ブリッジによる治療

まず、1つ目はブリッジです。その名前の通り、前後の歯を支柱にして橋をかけるように歯を作る方法です。今までの歯とほとんど同じように使え、食事をしたり、会話もできるのがいいところです。また、保険適応なところもメリットの1つです。

しかし、良いところばかりではなく、問題点もあります。

ブリッジを作るためには、失われた歯の前後の歯を大きく削ってしまうことになります。歯は削らないでいいなら、削らないに越したことはありません。歯の表面は、ヒトの体の中で最も硬いエナメル質と言われる層で守られているため、強く硬いのですが、このエナメル質を削っていくと、中にある象牙質という層が露出してきます。

象牙質はエナメル質よりもずっとやわらかいので、むし歯になりやすく、なった場合でも進行がとても早いです。そのため、ブリッジにしてしまうとその歯はむし歯になりやすくなってしまうのです。

それにブリッジは一度つけたら取り外しできません。取り外しができないので、ブリッジの下の部分はご自分できちんとケアをしていかないと歯垢がたまりやすくなり、むし歯や歯周病の原因にもなります。定期的に歯科医院でメンテナンスを行うことがとても重要になります。

 

 

②入れ歯による治療

2つ目は入れ歯(義歯)です。

入れ歯は取り外しができ、残っている歯に針金(クラスプ)をひっかけて固定していきます。

こちらも保険の適応ですが、よりクオリティーの高いものを作りたいという方の場合は、保険外で入れ歯を作ることもできます。

入れ歯の良いところは、ブリッジと異なり、周りの歯を削る量が少ないところです。

入れ歯の金具が歯の上に乗る部分は多少歯を削る必要はありますが、ブリッジに比べるとかなり少ない量になります。

入れ歯のデメリットは、あまり強く噛めないところです。

歯があった状態に比べると、かむ力が3割程度になるとも言われるています。

そうすると、肉やパンなど咬み切って食べるようなもの、おせんべいやナッツなどの硬い食べ物も食べにくくなります。

他にも、野菜など繊維の多いものも食べにくくなってしまい、食べやすいものを選んでいくと、栄養も偏りがちになります。もしも総入れ歯など、口の中で入れ歯が占める部分が大きくなると、熱いものや冷たいものが感じにくくなりますので、その点も注意が必要になってきます。

その他のデメリットとしては、歯にかけるワイヤーなどが見えてしまうと、見た目があまり良くないことです。また、入れ歯は口の中に占める面積が大きいので、違和感は強くなります。自分の歯と違いますので、発音もしづらくなります。入れ歯には少しずつ、時間をかけて慣れていく必要があります。

作りたての入れ歯の場合は、はじめから口の中でピッタリと合うわけではありませんので、何度か歯科医院での調整が必要になってきます。その間、粘膜と入れ歯が強く当たるところなどは傷ができて、痛みが出ることもあります。

また、ワイヤーのかかる歯にも多少力が加わることで、歯が動揺してくる場合があります。

入れ歯もメンテナンスをする必要がありますので、食事の後は外して洗い、寝る前は洗って、入れ歯洗浄剤につけることをおすすめします。

 

 

③インプラントでの治療

3つ目はインプラントです。

インプラント治療では、まずはフィクスチャーと言われるチタン製の人工歯根を骨の中に埋めます。その後に、上部構造と言われる歯の部分を装着することでできあがります。

チタンはアレルギーが出にくい金属です。また、骨の組織と拒否反応を起こさずにくっつくことができます。このことにより、もともと生えていた歯と同じように単独で歯を作ることができるのです。ブリッジや入れ歯のように、前後の歯を削ったり、ワイヤーをかけたりする必要がありませんので、前後の歯は長持ちします。

しっかりかめて、違和感も少なく、見た目にも自分の歯が生えているような自然な仕上がりになりますので、メリットはかなり大きいです。

ただ、保険外の自費診療になるため、保険治療と比較するとどうしても高額になってしまいます。また、外科的な処置を含みますので、糖尿病や骨粗鬆症、高血圧など全身疾患のある方の場合は、状態に応じてできない場合もあります。人によって、顎の骨が少ない場合もありますので、インプラントそのものができなかったり、骨を増やす処置が必要になったりすることもあります。インプラントが骨とがくっつきにくい体質の場合は、埋入したインプラントが抜け落ちてしまうことも稀にあります。

骨と人工歯根がくっつくのに3~6ヶ月程度かかり、そこから上部構造を作る準備をしていくので、インプラント治療をしたからといって、すぐに歯が入るわけではないので注意しなければなりません。

 

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

このようにブリッジ、入れ歯、インプラントなど、歯を失った部分に対する処置はそれぞれメリットとデメリットがあります。

また、これだけではなく、他にも一人ひとりの口の中に合わせて治療する方法もあります。

歯が失われたり、抜けそうになった場合、一人で悩まずに歯科医院へご相談ください。

 

シーラント~子どもの歯をむし歯から守ってくれる特別なプラスチック~

2023年3月17日

お子さまの虫歯予防でよく耳にする【シーラント】というものがありますが、具体的にどのようなものかご存知でしょうか。

むし歯の予防方法には、歯みがきやフッ素を利用したりとさまざまな方法があります。

その中で、特に生えてたての子どもの歯に対しておすすめの予防方法がシーラント処置と言われるものです。

シーラントとは、やわらかいプラスチック素材のシーラント材をむし歯になりやすいところに流し込んで、むし歯にならないようにする予防方法です。

歯の溝をシールする(封をする)方法なので「シーラント」と呼ばれています。

具体的には、奥歯のかみ合う溝(咬合面)にシーラント材を流し込み、特殊な光でかためて溝を埋めていきます。溝を埋めると言ってもほんのわずかな量を流し込むため、かみ合わせやお食事などの普段の生活で違和感が出ることはありません。

専門の道具や薬剤を使って、歯の溝をきれいにクリーニングしてごく少量のシーラント材を流し込むだけなので、麻酔をしたり、削ったりなどの痛みを伴うことはありません。

1.シーラントをするのはいつがいいの?

シーラントができるには、奥歯まですべて乳歯が生えそろっていることと、うがいができることが必要です。また、話す内容がある程度分かるくらいの年齢がいいでしょう。

実際には3歳半くらいからでしょうか。

生えてきたての歯の質はとても弱く、また溝がかなり深いことが多いです。

特に奥歯は、仕上げ磨きをしていてもなかなか歯ブラシが溝の深いところまで届きにくく、むし歯になりやすい部位でもあります。

乳歯がすべて生えてきて、お子さんの発達的にも、歯科医院のスタッフとのコミュニケーションがうまく取れて、歯科に対する恐怖心などがなければ、定期検診などで徐々に歯科医院の雰囲気や器具に慣れていくことから始めていきましょう。

どんなに上手なお子さんでも、慣れない場所でいきなりシーラント処置からはじめてしまうと嫌がることが多くあります。初めて口の中に入れる器具や水に驚き、歯科に対する恐怖心を抱いてしまう原因となります。

シーラントができる年齢になる前に、少しずつ歯科医院へ慣れていきましょう。

目安としてはシーラントの練習として、3歳頃から定期的に通うのが理想的です。

また乳歯が生え変わった後の、新しく生えてきた大人の歯もシーラントをしていくのをおすすめします。

生えてきたての大人の歯は、カルシウム成分が少なく、むし歯になる危険性がとても高いのです。

このため「幼若永久歯」とも呼ばれています。

大人の歯の中でも、6歳臼歯と言われる6歳頃生えてくる永久歯は1番大きく、体重の半分を支えると言われるほど大事な歯ですが、かなり多くの人がむし歯にしてしまいます。

この6歳臼歯の溝は、目で見るよりもとても複雑で、溝が深く歯の中に入り込んでいます。

仕上げ磨きをしていても、溝の奥までしっかりと磨くことが難しいこともあります。

シーラントをしないままでは、この複雑で深い溝の中に入り込んだ汚れや細菌の塊が原因となり、簡単にむし歯を作ってしまいます。

6歳臼歯が生えてくるのは、幼稚園や保育園の年長さん、小学校1年生あたりです。

お家でのお菓子や歯みがきに注意してむし歯にならないように気をつけていても、どうしても他のお子さんと遊ぶときなど、お菓子が長時間口の中に入っていたり、むし歯になりやすい状況になってしまいます。

早めにシーラントでむし歯を予防することで、むし歯になる不安を取り除けるのではないでしょうか。

6歳臼歯が生えてきて、見落としがちなのが12歳臼歯です。

保護者の方の仕上げみがきも終わり、本人に磨かせていたらあっという間にむし歯になっているなんてことも多くあります。

この歯が12歳頃生えてくる頃には、本人は習い事だったり部活などで忙しく、また保護者の言うことを聞かない反抗期に入っているかもしれません。口の中の状態も、保護者の方はあまり把握できていない可能性もあります。

部活などで飲むスポーツ飲料や完食などで食べるものが長時間口の中に残り、あっという間にむし歯を作ってしまいます。

ぜひ12歳臼歯もシーラントでむし歯予防をしていきましょう。

 

2.シーラントは取れてしまう?効果はあるの?

シーラントはすぐには取れませんが、数年したら取れてしまうこともあります。

それでも大丈夫です。

シーラントの目的は、1番むし歯になりやすい時期を乗り越えることです。

歯の表面を覆うエナメル質という部分にカルシウム成分が増えて、むし歯になりにくくなる時期まで子どもの歯を守るためのものであり、むし歯の治療後のようにずっと形が変わらずあるものではありません。

ただ、シーラントをしたからといって甘いものやジュースが長時間お口の中にあるような状態だとシーラントが取れやすくなってしまいますし、むし歯にもなります。

絶対的にむし歯にならないものではないことは注意しておきましょう。

シーラントは、1960年代から奥歯の溝に対するむし歯予防対策のひとつとして研究開発され、日本でも予防効果について研究がおこなわれています。

2016年ADA(アメリカ歯科医師会)では、永久歯の奥歯で80%のむし歯予防効果があるとされています。

 

3.シーラントのデメリット

シーラントはむし歯予防にとても有効な方法です。

ですが、シーラントでは予防できない部分もあります。

シーラントは歯の溝を埋めて、溝からむし歯になるのを防ぐものであり、その他の部位はむし歯の予防はできません。

むし歯になりやすいのは

1位 歯の咬む溝

2位 歯と歯の隣り合ったところ

3位 歯と歯ぐきの境目

ですので、シーラントをしても他の部分がむし歯になる可能性は十分にあります。

毎日の歯みがきと定期的な検診、クリーニングは必要になってきます。

 

4.シーラントの手順

①専用のブラシや薬剤で歯の溝を清掃していきます

②シーラント材を溝に流し込んでいきます

③専用の光を当て、シーラント材を固めていきます

※だ液がシーラント処置中に溝に流れ込むと、シーラントがうまくつかないため、適宜、だ液が入らないように、綿を口の中に入れたり、だ液を吸い込む掃除機のようなバキューム器具を使うことがあります。また歯の溝を水で流したりもします。

 

5.シーラントは保険適応

シーラント自体に年齢制限はありませんが、保険が適応されるのは6~12歳のお子さんです。

13歳以上のお子さんや健康な歯に対するむし歯の予防目的では保健は適応されません。

むし歯のない歯や永久歯が生えそろった場合などは、保健適応外となり、自費治療になります。

保健適応のうちにシーラント処置をしておきましょう。

 

6.OCEAN歯科からのメッセージ

子どもの歯がむし歯にならないようにするのは、毎日のご家庭での仕上げみがきが1番大事です。

ですが、仕上げみがきをしっかりしているつもりでも、目に見えない深いところの溝までは残念ながらきれいにみがくことはできません。

ご家庭での歯みがきに加えて、歯科医院でのシーラントによって目に見えない細かいところまでむし歯予防をしていきましょう。

歯のなかや歯の周りのこと、歯の種類について

2023年3月7日

みなさんにとっての歯は、つるんとして白く、歯ぐきの上にあるイメージでしょうか。

実際の歯のなかは、何層にも分かれていて、見えている白い歯の部分のほかにもしっかりと支える根っこがあります。

歯の構造が分かると、むし歯はどうして小さいうちに治療していた方がいいのかもよく分かります。自分の歯を大切にしていくためにも歯の構造を知っておきましょう。

 

(1)むし歯になったらどうなるのか?

むし歯になったとき、冷たい水を口に含むと歯がズキンとしみることがあります。

もっとひどくなると、歯が壊れてしまい、壊れた歯のなかには赤い血のような塊が見えることがあります。

これは歯の中にある神経や血管などが入っている歯髄という組織です。一般的に歯の神経と言われているところですが、2つの層で守られています。エナメル質と象牙質という層です。

【エナメル質】

一つは一番外側にあるエナメル質というとても硬い層です。人間のからだのなかで一番硬い組織で、おせんべいやクッキーなどもバリバリ食べることができるのはエナメル質があるおかげなのです。

どれくらい硬いかというと、エナメル質を削るためには宝石で知られているダイヤモンドで削らないといけないくらいです。

ダイヤモンドは世界で一番硬い石などと評されることもありますよね。

そんなに硬くて丈夫なエナメル質ですが、むし歯菌が出す酸やすっぱい食べものや飲みものが苦手で、ずっと酸に触れていると溶けはじめてしまいます。

だから「歯をみがいて口の中をきれいにして、フッ素でエナメル質をさらに丈夫にする」のはとても大事なことなんです。

毎日しっかりかんで食べても歯が壊れないのは、エナメル質がリン酸カルシウムという結晶がジグソーパズルのようにギッシリと詰まってできていて、とても丈夫な構造をしているおかげなのです。

 

【象牙質】

エナメル質と歯髄の間にあるのが象牙質という層です。象牙質は痛みなどの感覚をキャッチするセンサーの役割を果たしています。

象牙質はエナメル質というとても硬い層で覆われているときは大丈夫なのですが、むし歯菌の出す酸によってエナメル質が溶けてしまうと象牙質がむき出しになってしまいます。

象牙質は歯の本体である歯髄とつながっているため、むき出しになった象牙質にばい菌が入ったり刺激が加わると「緊急事態!」というサインが出ます。しみたり痛んだりするのはこの刺激によるものなのです。

むし歯がしみたり痛んだまま放置してしまうと、象牙質につながった歯髄もずっとばい菌の攻撃や外からの刺激を受けている状態です。ですので、歯髄がダメになって歯が死んでしまいます。

むし歯がひどくならないうちに治療するというのは、早く治療することによって歯髄を助けてあげることができるからなのです。

 

(2)歯はどうやって支えられているのか?

歯は見えている部分だけではなく、歯ぐきの中にも根っこがあります。

そしてその根っこを支えている組織もあるのです。

 

【歯の根っこ(歯根)】

ご飯を食べるときにグッとかんでも歯が揺れないのは、歯の根っこがガッチリと支えてくれているからです。普段は歯ぐき(歯肉)に隠れて見えませんが、歯の根っこは大きな木の根と一緒です。

普段目にするのは、土から上の木の幹や葉っぱですが、大きな木を支えているのは土の中に広がった根っこです。台風や冬の寒さにも耐えてくれるように、さまざまな刺激に耐えてくれます。

根っこの本数や長さは歯の種類によって違います。

たとえば、前歯の根っこは細く1本です。しかし、硬いお肉もかみちぎることのできる犬歯の根っこは、前歯のなかでは1番太くて長く丈夫にできています。奥歯の根っこは2~3本あり、食べものをすりつぶすときの横からの強い力も安定してガッチリと受け止めてくれます。

もしもむし歯が広がって歯の根っこまで壊してしまうと、詰め物をしたりかぶせものをしても、歯は元通りの力をなかなか発揮することはできません。歯の根っこは、食事をよくかんで美味しく食べるための縁の下の力持ちです。普段、見ることはできませんが大事な役割を果たしているのです。また、歯の根っこが傷むと、強い力を支えることができずに歯が割れたり折れたりしやすくなります。その結果、歯を失くしてしまうことになりかねません。

むし歯になったら小さいうちに治すことはとても重要なのです。

 

【骨の中に植わっている歯】

歯の根っこを見ると、ピンク色の歯ぐき(歯肉)に覆われています。しかし歯ぐきは歯を支える役目はしていないのです。

歯を支えているのは歯ぐきの下にある歯槽骨という骨です。おせんべいなどの硬いものを食べても歯が倒れないのは、この骨が歯の根っこ(歯根)の周りをしっかりと固めているからです。

高いビルなどをイメージしてみると分かりますが、ビルが倒れないために地下部分にはしっかりとした土台があって、土台の周りをコンクリートなどでしっかりと固めています。

口の中の歯も同様で、歯ぐきの下の骨が歯の根っこをしっかりと固めているから硬いものを食べても大丈夫なのです。

 

【歯の根っこの周り】

歯は骨の中に植わっていますが、この2つの間には歯根膜という膜があり、歯と骨をつをつなぐ役割を果たします。この膜は2つをつなぐだけでなく、ハンモックのように歯に加わる力を和らげてくれます。そのおかげでかんだり、食いしばったりしても、その力が直接骨や脳に響かないのです。

歯根膜は強い糸でできていて、歯の根っこが骨から抜けないようにつないでいます。

歯や骨を作ったり壊したりする細胞や、血管、神経も含まれています。膜の骨側では骨を作る細胞がありますし、歯の側では歯のセメント質という部分を作る細胞があります。

転んで歯を打ったりして抜けてしまったときなどは、この歯根膜が生きているかがとても重要になるなど、普段目で見ることはできないですが、とても重要な組織なのです。

また歯根膜は太い神経につながっていて、食べものをかんだ情報が、脳の「やる気」「考える力」「記憶」に関係する場所を刺激することも分かっています。

かむことが元気に生きることにつながっているのです。このようなセンサーが歯根膜のなかにあるこので、歯を健康に保つことが元気に生きることに直結していることも分かりますね。

 

(3)歯の種類と役割

歯にはいろんな種類と役割がありますが、それは歯の形によって異なります。

歯の形にはきちんとした理由があって、すべてがそろってバランスよく食事ができるのです。

 

【歯の形】

歯の形は場所によって異なり、それぞれに役割があります。

前歯4本は食べものをかみ切るように鋭くなっていて切歯と呼びます。その横にあるのが犬歯や糸切り歯とも呼ばれる歯です。お肉などの硬いものをかみちぎるときに使います。人間の前歯は肉食動物の歯と似ていて、特に肉食動物のキバは人間だと犬歯に相当します。

奥歯は食べものをすりつぶすことができ、臼歯と呼びます。草食動物の歯に似ていて、臼のような形をしています。馬やヤギは一日中草を食んでいますよね。奥歯が臼のような形をしているので、草などの繊維をすりつぶすのに適しているのです。一方、肉食動物は引き裂いた肉をすりつぶすことはできないため、丸飲みしています。

人間は雑食なので、肉も野菜も食べます。そのため、人間の口の中は肉食動物と草食動物に似た歯がバランスよく入っているのです。いろんな形態の食べものが食べられるのはそのためなのです。

(4)OCEAN歯科からのメッセージ

歯と一言でいっても小さな構造のなかにはいろんな組織があり、それらが密接につながって私たちはいろんな形状のものをかんだり、栄養として取り込むことができるのです。

「1本くらい歯がなくなってもいいや」ではなく、「大事な機能の一つが失われてしまう」という意識を持っていれば、口の中の健康に向き合う姿勢も変わります。

持って生まれた歯を大事にしながら、口の健康や全身の健康を保ってきましょう。

歯科の治療回数が何回もかかる理由

2023年3月3日

こんにちは。OCEAN歯科クリニックURAYASU 歯科衛生士の佐藤です。

当院では患者様に治療回数の目安をお伝えしています。なぜ1回で終わらないのか、何をしているのか、気になったことはないでしょうか。

本日は「歯科の治療回数が何回もかかる理由」をお話ししたいと思います。

 

みなさんが歯科医院から足が遠のく理由の一つは、一度で治療が終わらず何度も通う必要があるからではないでしょうか?
もちろん一回で終わる治療は、数は少ないですが、あります。しかし、歯科での治療は複数回通っていただくものが大半を占めています。

多くの方が治療のイメージとしてお持ちなのが、医科での治療でしょうか。
風邪をひいた、熱が出た、おなかが痛いなど、具合が悪いところを診査・診断し、薬を処方してすぐに治していくのがほとんどでしょう。
一方で歯科は何度も通って治していくのがほとんどなので、医科のようなイメージで来られるとどうしてなんだろう?という疑問を持たれるのは当たり前かもしれません。

医科の治療と歯科の治療の一番大きな違いというのは、自然に治るかどうかです。
もし風邪をひいた場合、処方された薬を数日間服用して安静にしておくことで、次第に回復していくことがほとんどでしょう。しかし、むし歯などで一度あいた穴は自然には戻ることはありません。穴があいた部分に対して処置をしていく必要があります。

また、定期検診で来られる方をのぞいて歯科医院に来られる患者様のほとんどは、痛みや腫れなどの何かしらの症状が出て来られることが多いため、来院された時点で病気は進行していることが多いのです。そのため、歯を削ったり、その部分の型をとって詰め物を作ったりと、何度も処置が必要になってきます。
患者様の中には、スケジュール的に難しいので一度でまとめて処置をしてほしいという方もおられます。まとめられる部分があればいいのですが、基本的にはできないことがほとんどです。
削って詰め物を入れる場合、歯科医院でその場で専用の機械によって作れる場合をのぞくと、型をとって詰め物を作るためには時間がかかります。
また保険上、どうしても別の日に分けて処置をしないといけないこともあります。
なによりも、まとめて処置をすることで患者様のからだに負担が多くかかるため、一度にする事ができないというのも大きな理由です。

 

1.治療計画を立てることの重要性
口の中は、かみ合わせや歯ぐきの問題もなく、ただ一部分だけむし歯がある状態ならばいいのですが、多くの場合は他のところにも問題がひそんでいます。
歯は一時的ではなく、一生使っていくものです。
短期的に見れば問題ないところも、長期間使うとなると初期の段階で炎症を発見し、メンテナンスしていくことでより長い間、自分の歯で生活ができます。

例えば、もし歯を抜かなければならなくなった場合などは、その抜けた歯の部分は放っておくわけにはいきませんので今後どういう処置をしていくかを十分に考える必要があります。
保険治療であればブリッジや入れ歯を入れるか、自費治療も選択肢に入れるとインプラントなども治療計画として考えられます。
ブリッジにすると抜けた歯の左右の2本の歯を削る必要がありますし、入れ歯にしても左右の歯に負担はかかります。そのためには使用する歯が炎症もなく、長い間使えるくらい丈夫なのかも調べておく必要があります。もしも炎症があるのであれば処置をして健康な状態にしておかないといけません。

痛みや症状が出ている一部分だけをみるのではなく、全体の歯ぐきの状態やかみ合わせなどバランスを考えながら治療していくことで、無駄な処置もなくなりますし、口の中の健康をより長く
保つことができるのです。

 

2.進行しているむし歯の治療
小さなむし歯の場合はそこの部分だけを削って、その日に詰め物をすることも可能です。
しかしむし歯が大きくて削る部分が大きいと、大きな詰め物や被せ物が必要になります。
治療としては、むし歯を削った後、そこの部分の歯の型を取り、被せ物などを作る必要があります。最低でも2回は歯科医院に通う必要があります。

 

3. むし歯が大きく神経まで達しているとき
むし歯によって神経が死んでしまっている場合は、むし歯を削り、死んでしまった神経をとって、神経が入っていたところをきれいに掃除して、消毒していく必要があります。
この治療は炎症の具合にもよりますが、複数回かかります。何度もかかるからと途中で放置したり、きちんと最後までやらないと痛みが出たりして、最悪の場合は歯を抜かないとけなくなってしまいます。
また歯の部位によっても神経が入っている管の本数が異なるため、かかる回数は変わってきます。
時間はかかりますが、とても大切な処置です。

 

4.進行している歯周病
歯周病の治療は、歯ぐきの検査をして炎症状態などを詳しく調べた後、目で見て分かる部分の歯石を取り除きます。そして必要であれば、歯ぐきの下の見えない部分の歯石や汚れも、歯ぐきを外科的な手術によって剥離して取り除きます。
麻酔をして歯ぐきを剥離することによって炎症はなくなっていきますが、お食事支障も出ますのでいっぺんに多くの場所をすることはできません。
そのため、炎症の箇所が多いと、口の中全体の歯ぐきが炎症もない状態にするまでに回数がかかってしまいます。

 

5.OCEAN歯科からのメッセージ
久しぶりに歯科医院に来られると、あちこち炎症があったり、むし歯があったりと状態に合わせていろんな処置をする必要があるかもしれません。
しかしそれは、長い年月をかけて変化してきた状態に気づかなかったり、痛みなどの症状が出ていなかっただけで、問題がなかったわけではありません。
起きている原因をひとつひとつ解決して口の中を健康に保てば、あとは数ヶ月に一度のメンテナンスで何度も通う可能性は少なくなります。
何度もかかる治療をいっぺんに終わらせることから、少しずつ健康を保っていくことにシフトしていきましょう。

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

047-351-2288
  • 診療時間
    10:00~12:30 14:00~19:00
  • 休診日:第2水曜日
OCEAN歯科クリニック URAYASU
このページの先頭へ戻る