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シュガーレスってどういう意味?

2023年7月22日

健康志向やダイエット志向が広がりを見せていて、スーパーやコンビニでもシュガーレスやノンシュガーの表示をよく見かけるようになっています。このような表示について、正確には何を意味しているかご存知でしょうか?なんとなく「砂糖が入っていないってことかな」という認識はあるかもしれませんが、表示が意味することを詳しく知っている方は少ないかもしれません。

実は、このような表示の意味する内容は、時代の流れによって基準が変化してきました。

 

【「ゼロ」表示ができるもの】

このような表示が始まったときは法的には明確な基準はなく、各メーカー独自の判断でパッケージなどに記載がされていました。そのためその表示が、具体的に何がどれくらい含まれているかの基準が決まっておらず、その商品を購入する方々はどのような基準で選んでいいか分かりませんでした。ですので、基準を統一するために平成7年、栄養改善法上に「栄養表示基準制度」が設けられました。(平成14年の栄養改善法廃止に伴い、現在は健康増進法に移行しています。)

この規定により、「シュガーレス」「ノンシュガー」「無糖」「糖類ゼロ」などの「ゼロ」を表すことができる表示の基準が決まりました。

何がゼロか?というと、糖質がある一定の基準以下だと、実際には規定以下の量が含まれていても糖質はゼロという表示ができることになったのです。

具体的には、食品100gもしくは飲料100mLに対し、単糖類または二糖類という糖類が0.5g未満であればゼロの表示が可能になりました。ゼロだからといって、何も含まれていないわけではなく糖質は含まれているんですね。

では糖質とは何を意味するのでしょうか。

 

【糖類ってなに?】

飲食物に含まれる糖類とはどんなものでしょう。

糖類と似たようなことばとして、糖質がありますがどう違うのでしょうか。

糖類と糖質はことばでは少しの違いですが、内容としてはとても大きな違いがあります。

三大栄養素のひとつである炭水化物は、糖質と食物繊維からできています。

つまり、「炭水化物=糖質+食物繊維」ですから、

「糖質」とは「炭水化物から食物繊維を除いたもの」をまとめた呼び方になります。

もう少し細かく考えていきます。

専門的な話になりますが、この「糖質」には単糖類(ブドウ糖や果糖など)、二糖類(砂糖、麦芽糖、乳糖など)、多糖類(オリゴ糖など)、糖アルコールなどというものがあります。

糖質と一言でいっても、砂糖だけでなくいろんな種類のものがあるんですね。

そして「糖類」というのは単糖類、二糖類をまとめた呼び方です。

つまり、ブドウ糖や果糖(果物・ハチミツの甘味)、砂糖、母乳や牛乳の成分である乳糖などの糖質が、食品100gもしくは飲料100mLに対して0.5g未満量以下であれば、「シュガーレス」「ノンシュガー」「無糖」「糖類ゼロ」などと表示ができるのです。

全く入っていないわけではないことが分かります。

3. 糖類以外に甘味料として何を入れているの?

砂糖などの糖類が規定の範囲内しか入れられないと、飲食物として甘味が足りないこともあります。食べたり飲んだりして美味しくないものは商品としてはなかなか売れませんし、会社としてもその商品を売り続けていくことはできません。では、無糖などと書かれている飲み物でも、甘みを十分に感じられて美味しいものには何が含まれているのでしょうか。

現在使用されている甘味料は、大きく分けると、糖質系の甘味料と非糖質系の甘味料の2種類に分けられます。

 

 

【糖質系甘味料】

砂糖、でんぷん由来の糖、その他の糖、糖アルコールというものがあります。

①でんぷん由来の糖、その他の糖

でんぷん由来の糖には、ブドウ糖や果糖などがあり、その他の糖には乳糖のほかにオリゴ糖と呼ばれるものがあります。オリゴ糖の多くは甘味やカロリーが低く、胃や小腸で消化されずに大腸にまで達してビフィズス菌の栄養源になります。またむし歯の原因にもなりにくいという特徴があります。

②糖アルコール

天然のものもありますが、一般的には工業的に作られています。ソルビトール、マンニトール、マルチロール、還元水飴などがあります。みなさんもよく聞かれてことがあるキシリトールもこの一種です。

タンパク質やアミノ酸と加熱しても変色しないため、加工食品によく使用されます。また、消化・吸収されにくいので、低カロリー甘味料としても使用されています。

多量に摂取すると、お腹が緩くなることもあります。

 

【非糖質系甘味料】

①天然甘味料

植物の葉や果実に含まれる甘味成分を抽出した甘味料です。ステビアや甘草(グリチルリチン)などがあります。

②人工甘味料

化学合成によって作られた高い甘味をもつものです。低カロリー甘味料としても使用されています。これは食品衛生法に基づいた指定の添加物です。

アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、サッカリン、サッカリンナトリウムがあります。

このなかでオリゴ糖や糖アルコール、非糖質系甘味料は、口の中のばい菌に利用されない、あるいはされにくい性質を持つものが多いため、むし歯になりにくい機能を挙げたチューインガムやキャンディ、歯磨き剤にも使用されています。

特に、糖アルコールの一種であるキシリトールは砂糖と同程度の甘さがあり、他のむし歯を起こす可能性のある糖を入れなくても十分な甘みをつけられるため、よく用いられています。

 

【そのほかの表示】

「糖類を含まない」といった表示でなくても、通常よりも糖類を控えた商品も多くあります。

栄養表示基準によると以下のように決まりがあります。

「低」「控えめ」「少」「ライト」「ダイエット」「オフ」などの表示は、食品100g当たりの場合は糖類5g未満、一般に飲用に供する液状での食品100ml当たりの場合は糖類2.5g未満(2.5%以下)だと可能です。

そして、「甘さがひかえめ」などは栄養表示基準にも基準はありません。

どうしてかというと、甘さというのは味覚に関する表示であって、栄養表示を目的としたものではないからです。甘さなどは個人によって感じ方が異なり、糖類の量を示す指標にはならないので明確な基準はありません。

それではどのようなときに「甘さひかえめ」の表示がなされているのでしょうか。

おそらく多くの場合は、そのメーカーの通常の製品よりも糖類の添加量を少なくしていることを表しているものだと考えられます。そしてその特定の基準はありません。

「甘さ控えめ」は「糖類控えめ」とは限らず、紛らわしい表現ですね。

 

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

これらのことより、ノンシュガーやシュガーレスなどの糖類を含まないという表記があるからといって、むし歯の原因となる糖類が全く含まれていないわけではないことが分かります。つまり、これらの飲食物を摂取した場合、量なども関係してきますが、むし歯にならないわけではないのです。

キシリトール入りと大きく表示されているお菓子でも、商品によってはむし歯を起こすものも含まれているものもあります。キシリトールそれ自身にはむし歯を起こす能力がないだけであり、むし歯の発生を防ぐ作用があるわけではありません。ですので、キシリトールが含まれている商品だからといって全く安心なわけではないのです。

また、むし歯を誘発するという意味では含まれる成分からだけでは判断が難しいこともあります。成分は同じでも形状によってプラーク(歯垢)への影響は異なるため、成分表示だけでは「歯に安全」、「う蝕になりにくい」というような判断もできません。歯にとって安全であるかどうかの判定は、成分でなく食品全体として考える必要があります。

日本で食品全体としてむし歯のことを気にせずに安心して飲食できるという試験を行っているものに、厚生省が行っている特定保健用食品と、国際組織であるトゥースフレンドリー協会が認定した「歯に信頼マーク」付きの食品があります。このような表示を見ながら選んでいくのも一つの方法ですね。

日ごろ楽しむお菓子なども「ゼロ」や「控えめ」ということばを鵜呑みにせずに、毎日の歯みがきやフッ素の活用、定期的な検診でむし歯を予防していくことが1番大事なことです。

歯みがき粉の選び方と効果

2023年7月16日

毎日のブラッシングで歯みがき粉を使用する人は90%以上とも言われています。

皆さんはどのような基準で歯みがき粉を選んでいますか?

毎回、同じブランドや似たような成分が入っているものを選んでいるかと思います。

おそらく、水でみがくよりもさっぱりするからとか、薬用成分が入っているのでむし歯や歯周病の予防に良いと思うからという理由でなんとなく選ばれている方がほとんどではないでしょうか。

どんな歯磨き粉を選んだら良いかの前に、歯みがき粉を使う目的から考えてみましょう。

 

 

【歯磨き粉を使う目的】

歯みがき粉は、ブラッシングの効果を上げて歯のさまざまな病気の予防とメンテナンスを行うこために使います。そのため、その時々の口の中の状態に合わせた歯みがき粉を選んで使っていく必要があります。

現在、歯みがき粉の種類はとても多く、歯科医院においてあるものの他にもドラッグストアなど、いろんな種類の歯みがき粉が販売されています。なんとなくフッ素が入っている方が良いと思うからとか、歯周病予防って書いてあったから、ではなく、きちんと成分を理解した上で選んでいきましょう。

 

 

【歯みがき粉は大きく3つに分けられる】

歯みがき粉のパッケージをよく見ると「薬用」や「医薬部外品」などの文字が書かれていることがよくあります。

一般に市販されている歯みがき粉は「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」の3つに分けられています。

 

①医薬品

第3類医薬品に分類されている医薬品としての歯みがき粉です。

これは副作用の可能性が低い医薬品で、購入するときに説明などを受ける必要はありません。

ですが、治療薬に相当するものであり、通常のブラッシングを行う使用法であっても薬と同じく添付文書が付いています。

主に、歯肉炎、歯周炎などの症状を緩和するためのもので、基本的には歯科医院での治療が必要な状態のときに使用します。

 

②医薬部外品

薬用成分が含まれているものです。

フッ化物(フッ素)も薬用成分であるため、現時点で日本で販売されているものの約90%がこれにあたります。

 

③化粧品

基本成分のみ含まれていて、薬用成分は入っていません。

 

 

【歯みがき粉の成分】

歯みがき粉は基本成分と薬用成分でできています。

 

(1)歯みがき粉の基本成分

基本的には以下のもののいずれかが組み合わさって歯みがき粉の基本を作っています。

清掃剤と発泡剤はプラークを除去する効果を高める作用もあります。

 

・清掃剤(研磨剤)

歯の表面を傷つけずにプラークやステインなど、歯の表面の汚れを落とします。

主な成分として、リン酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、無水ケイ酸、炭酸カルシウムなどが入っています。

 

・湿潤剤

歯みがき粉に適度な湿り気と可塑性(クリーム状の形)を与えるものです。

主な成分として、グリセリン、ソルビトールが入っています。

 

・発泡剤

口の中に歯みがき粉を拡散させ、汚れを取り除きます。

主な成分として、ラウリル硫酸ナトリウムが入っています。

 

・粘結剤

粉体と液体成分を結合させ、保型性や適度な粘性を与えます。

主な成分は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナンなどです。

 

・香味剤

香味の調和を図るものです。

爽快感と香りをつけ、歯みがき粉を使いやすくするものです。

主な成分は、サッカリンナトリウム、メントール、ミント類などです。

 

・保存料

変質を防ぐものです。

主な成分は、安息香酸ナトリウム、パラベン類などです。

 

 

【歯みがき粉の薬効成分】

薬効成分のうち、むし歯の予防で有名なのはフッ化物(フッ素)ですが、他にも歯周病を予防する成分や知覚過敏の症状を抑えるような成分などさまざまなものがあります。

今の口の中の状態をよく知り、お使いの歯みがき粉に必要な薬効成分が含まれているかを確認していくことで毎日のメンテナンスがより効果的になっていきます。

 

〈むし歯予防のために含まれているもの〉

・フッ化物

フッ化ナトリウム・モノフルオロリン酸ナトリウム

※フッ化物は年齢によって最適な濃度はさまざまですので、年齢に応じたものを選び、使用料を正しく守りましょう。

 

・殺菌剤

クロルヘキシジン塩類・塩化ベンゼトニウム・トリクロサン・塩化セチルピリジウムなど

 

・プラーク分解酵素

デキストラナーゼ

 

〈歯周病予防のために含まれているもの〉

・殺菌剤

クロルヘキシジン塩類・塩化ベンゼトニウム・イソプロピルメチルフェノール・トリクロサン・塩化セチルピリジニウムなど

 

〈歯石がつくのを予防するために含まれるもの〉

ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム

 

〈知覚過敏の症状を抑えるもの〉

乳酸アルミニウム、硝酸カリウム

 

このように、ひとつひとつの成分を確認してみると自分にとってより良い歯みがき粉が選べるのではないでしょうか。

 

 

【歯みがき粉を使うメリット】

歯みがき粉を使う理由の一つに薬用成分が含まれているからということがありますが、実はそれ以外にも歯みがき粉を使うメリットがあります。

歯みがき粉をつけてみがいた時と歯みがき粉をつけずにみがいた時を比べると、

・歯みがき粉をつけた方がプラークを除去する力が高い

・歯みがき粉をつけた方がプラークが歯に付着する量が減る

というデータも出ています。

また歯みがき粉の使用する量が増えるとプラークの付着する量が減るという報告もあります。(ただし過剰な量は必要ありません。)

このように、歯みがき粉にはプラークを除去する力を上げたり、プラークそのものを付着しにくくするという効果もあります。その他にも、むし歯や歯周病の予防だけでなく、知覚過敏の症状を軽減したり、歯の着色を除去しやすくするなどの役割があります。

 

【歯みがき粉の形状の違い:ペースト状のものと液体のもの】

ペースト状のいわゆる歯みがき粉といわれるものと液体の歯みがき剤があります。

液体にものは洗口剤と区別がしにくく、洗口剤と間違えて使用してしまう方も多いです。

液体の歯みがき剤では「洗口後、歯みがきをすること」と表記されていますので、注意してみてみましょう。

液体の歯みがき剤のメリットは、液体なので口の中の狭いところにも届きやすいことがあげられます。

 

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

歯みがき粉にはさまざまな成分が含まれています。

お肌はひとりひとり乾燥肌、敏感肌、脂性肌などのタイプがあって違いますし、それぞれ毛穴の開きが気になるだとか、くすみが気になるなど悩みも違います。

歯みがき粉を選ぶときは、ぜひ、化粧品を選ぶようなイメージで自分にはどれが必要かを考えて選んでいくといいでしょう。

定期的な検診やクリーニングで、そのときの口の状況に応じたことはご説明します。そのときにどのような歯みがき粉を使ったらいいか、どの成分が必要かなどのご相談もできます。

一人で悩まずに、一緒に毎日の歯みがきから口の健康を守っていきましょう。

乳歯の生えはじめから生えそろうまで

2023年7月11日

【乳歯の生えはじめから生えそろうまで】

 

■乳歯の生えはじめ

最初に生えてくる乳歯はおよそ生後6~8ヶ月頃、下の2本の前歯であることが多いです。

歯の生える時期は個人差が大きく、乳歯でも3.4ヶ月で生えはじめる子から1歳頃になってやっと生えはじめる子までかなりの差が見られます。

生える順番も、上の前歯が先に生えることもありますし、真ん中ではなくその横の前歯が先に生えてくることもあり、こちらもかなりの個人差が見られます。

ただ、あまりに早く生えたり、1年以上経っても生えてこないようなら、その原因を調べるためにも歯医者さんへ行くことをおすすめします。

 

■赤ちゃんのよだれ

歯が生えはじめる頃になるとよだれが増えてきます。

この時期は、乳歯が生えはじめる時期でもありますが、離乳食もはじまり、おもちゃで遊んだり指しゃぶりなど、口へのいろんな刺激が増えてきてだ液がよく出ます。

まだうまくたまっただ液を飲み込むことができないので、よだれとして外へ流れ出やすいのです。

下の前歯についた母乳やミルク、離乳食のカスは、ある程度よだれによって洗い流されます。

だんだんと唇を閉じることや、たまっただ液を飲み込むことができるようになると、よだれは少しずつ減っていきます。

 

■歯磨き

下の前歯だけの時期はよだれによる洗浄作用もあり虫歯になりにくいのですが、上の前歯が生えてくるとだ液の洗浄作用が達しにくく、歯磨きをしないと歯についた汚れはたまっていく一方です。

そこで1日1回の歯磨きが必要になってきます。

 

■前歯で遊ぶ

生後1年ほど経つと、上下の前歯4本、合計8本の乳歯が生えている子が多くなります。

上下の前歯が生えてくると今までなめていたおもちゃを前歯で噛んだりし出します。

前歯での歯ぎしりも見られることがありますが、上下の前歯の位置や噛み合う感触を確かめている行為で、まだ癖などのようなものでなく心配はいりません。

このように前歯を使うことを練習しながら、前歯で食べ物を噛み切ったりすることを覚えていきます。

 

■乳歯の奥歯

1歳代の前半には、第一乳臼歯と呼ばれる最初の奥歯が生えはじめます。

この歯の上下が生えてくると初めて奥歯の噛み合わせができてきて、食物を噛み潰すことができるようになります。また噛み合わせの高さが増すことにより口の中がさらに拡がり、舌の動きもさらに自由になります。そして、食べる機能も言葉を発音する機能も発達が促されます。

最後に上の一番奥の歯が2歳5~6ヶ月頃生え、全部で20本そろったら乳歯の噛み合わせは出来上がります。

 

 

【お口のお手入れ】

 

■お手入れ

まだ歯が生えていない時期は、歯磨きなどの積極的な口のお手入れは必要ではありません。

歯が生えてくる時期が近づいたら、ときどき口の中を指でさわってみましょう。歯ぐきにふくらみがでてきたら、生えるのが近いサインです。

また、指でさわられる感触に慣れていくことで、歯磨きの第一段階であるガーゼ磨きなどもスムーズにできていきます。

下の前歯だけの時期なら、だ液が常に歯の表面をきれいにしてくれますが、上の前歯が生えそろい、奥歯が生えてくる頃には歯ブラシを用いての歯磨きが必要となってきます。

その頃のお子さんの口の中はむし歯の原因菌が定着しやすくなり、歯についた汚れもだ液では取り除きにくくなっていきます。そのため、ガーゼ磨きをずっと続けるのではなく、口の中をさわるのに慣れてきたら、歯ブラシも使用していきましょう。

 

■夜間の授乳

眠っている間、起きているときとは違い、だ液の出る量は減っています。

上の前歯が生えた後も夜泣きや寝かしつけの際に授乳していると、口の中に母乳やミルクが溜まったまま一晩中過ごすことになり、徐々に歯の表面が溶け始め、むし歯ができやすくなってしまいます。

そのため、できれば授乳中は月に一度の歯医者さんでの定期検診とクリーニングをおすすめしています。お子さんもまだ暴れたり、大きく動いたりしないうちに歯磨きの仕方を学ぶ良いチャンスです。

 

■保護者の方もお子さんも歯磨きに慣れる時期

お子さんの中には最初から歯磨きを嫌がらない子もいますが、大半の子は大泣きで嫌がることでしょう。

寝る前だと機嫌が悪くなる場合は、夕飯後の機嫌のよさそうなときを見計らっても構いません。

歯磨きをしないうちに寝てしまったら、朝起きてから磨きましょう。

夜寝る前に歯を磨く習慣ができることは素晴らしいことですが、それに拘りすぎず、24時間のうちのどこかで汚れをとるイメージでやっていきましょう。

もしご自身も疲れてしまってなかなかうまく歯磨きができていない期間が続いたり、ご自身での歯磨きが自信がない場合はこまめに歯医者さんへ行って、チェックとクリーニングをしてもらうのも一つの手です。

その子と保護者の方のご都合に合う時間を1日のうちで1回見つけ、歯磨きをしていくのが理想的です。

 

■歯磨きを嫌がる原因

嫌がって騒ぐ場合は、何が原因かを考えてみることも必要です。

寝たり押さえられたりするのが嫌なのか、鼻が詰まって息ができずに苦しいのが嫌なのか、眠たい時間なのか、ゴシゴシと歯ブラシの力が強くて痛いのが嫌なのか、お子さんが何に嫌がるかをよく観察してみましょう。

例えば、鼻が詰まっているときはお口をずっと開けて歯磨きをされるのは苦しいことです。いつまで続くのかも分からず、本人は力いっぱい抵抗するでしょう。

一気に終わらせたい気持ちはとても良く分かります。けれど、お子さん本人にとって歯磨きの時間がとても苦しいもになってしまうのは保護者の方にとってもつらいものです。

5~10秒ずつ数える間に歯を磨いて少し休憩したりカウント法を用いたりと、工夫することも大事です。

また、上唇小帯と呼ばれる上の前歯の歯肉は敏感な部分にさわられるのが嫌なお子さんもいます。歯ブラシが強くあたったりすると痛いですし、お子さんにとって歯磨きは痛く嫌なものでしょう。改善策としては、その上唇小帯の部分を片方の指で押さえて歯ブラシが当たらないようにしていきます。歯磨きをするときに痛くなければ、お子さんは徐々に嫌がらなくなっていくでしょう。

何が原因か分かれば、少しの工夫で保護者の方もお子さんも苦しい歯磨きから楽しい歯磨きへ変わっていくはずです。

あまりに嫌がる時はご自宅での歯磨きもうまくできてないことも多いでしょうから、歯医者さんでのこまめなクリーニングと、ご自宅での歯磨きの仕方を歯磨きのプロに学ぶのもいいでしょう。

 

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

 

乳歯がむし歯にならないよう、きちんとお口のケアを続けていくことはとても大切なことです。

ただ、保護者の方にとっても初めての子育てであったり、兄弟児さんが居られての毎日の生活の中でその状態を維持していくことはとても大変なことです。

どれだけかわいいご自身のお子さんでも、子育ては歯磨きに限らず、保護者の方への負担はとても大きなものです。だからこそ、一人で悩まず、歯磨きのプロにチェックして管理してもらうことで、少しでもその負担を減らしていきましょう。

 

スポーツとマウスガード

2023年7月4日

スポーツをするとき、種目によっては、マウスガードの装着をすすめられた方もいるのではないでしょうか?特に激しい接触プレーを伴うスポーツでは、小さい頃からの装着が推奨されている場合もあります。マウスガードという名前は聞いたことあるけど、実際にどんな効果があるかについては詳しくご存じではないケースもあるでしょう。

今回はスポーツとマウスガードの関係、マウスガードの役割などについてご説明していきます。

 

【マウスガードってどういうもの?】

マウスガードとは、スポーツ中にぶつかったり、転倒したりして起こる歯や口のケガを未然に防ぐために着用するプロテクターです。

ボクサーが試合中につけているカラフルなマウスピースといったら、ピンとくる方も多いのではないでしょうか。上顎につけるのが一般的であり、強い衝撃から歯を守るために高性能な衝撃吸収材によってできています。

ボクシングではマウスピースと呼んでいるようですが、一般的にはマウスガードと呼ばれています。接触プレーが多いスポーツ以外(例えば、球技やスキーなど)であっても、歯や口を守るために使用されています。

【どうしてマウスガードをしなければならないの?】

スポーツをする上で、危険であってはいけません。しかし、どうしても激しくプレーをしている最中は、接触が多くなったりすることもあります。そこで、安全にスポーツを行うためにもマウスガードを装着することが重要なのです。

永久歯は一度失ってしまったら、もう生えてはきません。折れてしまったとしても、再生しません。スポーツで失う可能性のある歯は、上顎の前歯が圧倒的に多いのが分かっています。もしも、上の前歯がなくなってしまったら審美性が失われてしまうのはもちろんですが、食べる、話す、表情を作るなどの働きも失われてしまいます。

「あのときマウスガードをつけていればこんなことにならなかったのに」なんてことにならないためにも、マウスガードを装着するのをおすすめします。

スポーツを安全に楽しむためには、歯や口をケガしないようにすることが重要です。マウスガードは小さいながらも、安全にスポーツを楽しむことができるのです。

【どんなスポーツをする時に、マウスガードをつけたらいいの?】

基本的に、マウスガードの着用がルールで義務付けられているのは

・ボクシング

・キックボクシング

・アメリカンフットボール

・アイスホッケー

・インラインホッケー(ジュニア)

・ラクロス(女子)

・ラグビー(中学生、高校生、他)

・空手道(一部、他)

・テコンドー(世界テコンドー連盟) などです。

中学生や高校生では体がぶつかり合うコンタクトスポーツ以外にも、バスケットボール、野球など球技での外傷も多くなっています。

実際に、相手にぶつかった拍子に転けて前歯をぶつけたりして、急患として来院される方も多くいらっしゃいます。

 

【マウスガードにもいろんな種類がある?】

マウスガードには、さまざまなデザインやカラーがあり、素材の種類も豊富にあります。

その中でも大きく2種類に分けることができます。ひとつは既製のマウスガードで、もうひとつは一人一人の口の中に合わせて作成するカスタムメイドのマウスガードです。

既製のマウスガードはスポーツ用品店などで売られています。いろんなスポーツメーカーから出されていて、価格は 1,000 ~ 5,000 円程度と比較的手軽な値段から買い求めることができます。

コストの面からも、既製のマウスガードをまず選ばれる方も多いようです。しかし、既製のマウスガードはあくまでも既製品。人の口の中というのは、一人ひとり違うのが当たり前です。ですので、既製のマウスガードは装着した時に自分の口の中にピッタリ合うかというと、残念ながらそうではないでしょう。

次にカスタムメイドのマウスガードですが、これは歯科医師の指示のもと、一人ひとりの歯並びやかみ合わせにピッタリ合うように、口の中の歯型を取り、模型を作成して作っていきます。歯の専門家が作成することで、既製のものよりもフィット感はもちろんですが、かみ合わせ、快適性などの面でもより安全なものと言えるでしょう。スポーツの時にも口の中で違和感がないため、集中してプレーすることも可能になります。

しかし、歯科医院でマウスガードを作成する場合は保険が適用されませんので、自費扱いとなります。既製のものより少し値段は高くなるかもしれませんが、マウスガードを装着するのは口の中の安全を守るためです。そのためには適合が良いマウスガードを選択されるのも一つの手段ではないでしょうか。

もしも、マウスガードを装着されるのが大人の方ではなく、永久歯が生えそろう前のお子さんの場合は、成長とともにマイスガードを作り変える必要があります。顎の成長や歯の生え代わりに伴い、歯並びやかみ合わせが変化していきますので、成長に合わせて、マウスガードにも適宜調整していく必要があります。合わないマウスガードを長く使い続けることによって、顎の正常な発育や歯の生え変わりを妨げる恐れがあります。

また、歯列矯正をしている場合などは、歯科医師に気軽に相談して下さい。

 

【マウスガードの保管方法】

マウスガードは軟らかい樹脂でできています。そのため、高温で変形しやすくなります。

夏の暑い日に車内に置いておいたり、冬に暖房機の近くに置いておいたら、なんだか合わなくなている、なんてことにならないように保管場所には気をつけましょう。

また、ポケットに入れたり、誤って踏みつけたりすると破損や変形の原因にもなります。ですので、マウスガードは専用のプラスチックの容器に保管しましょう。

保管する場合は、水できれいに洗って、水気を十分に取りましょう。密閉性の高いものに長期間入れっぱなしの状態は避けましょう。

 

【スポーツ中に歯が欠けてしまった場合、どうしたらいいの?】

マウスガードを使用していなかったり、急な転倒などで前歯をぶつけてしまった場合、歯が欠けたり折れたり、抜けてしまうこともあります。そんな場合はどうしたら良いかについてもご説明しておきます。

もしも歯が欠けた場合、まずは欠けた歯を調べてみましょう。大きく欠けている場合、欠けた歯を探せるのであれば、探して歯科医院へ持ってきてください。状態の把握もできますし、可能であれば歯科医院で接着できるかもしれません。歯が大きく欠けた場合は、歯の神経が露出していることも考えられます。欠けた歯の真ん中がピンク色に見えたり、出血しているような場合には急いで歯科医院に行きましょう。

歯の一部が少し欠けていて、歯のグラつきや痛みなどがない場合は緊急を要することは少ないかもしれませんが、歯の根にヒビが入っていることや知らないうちにダメージを受けていることもあります。いずれにしても、一度歯科医院での検査を受けるのが良いでしょう。

 

【歯が抜けてしまったときはどうしたらいい?】

歯が完全に抜け落ちてしまった場合には、すぐに抜けた歯を持って歯科医院へ行きましょう。あらかじめ、歯が抜けた状況とこれから行くことを連絡しておくとスムーズです。抜けた歯を再び元の位置に戻せるかどうかは、時間に大きく左右されます。経過時間が長いほど、元に戻せる可能性が低くなるため、できるだけ早く歯科医院へ行きましょう。

抜けた歯を見つけたら、持ち方にも気をつけましょう。持っていいのは、いつも見えている歯の頭の部分で、決して歯の根っこを持たないでください。可能であれば「歯の保存液」「牛乳」などに入れて乾燥させないようにしてください。「歯の保存液」や「牛乳」に浸さずに乾燥させてしまった場合、30分が限界の時間と言われています。

 

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

マウスガードは安心してスポーツを楽しむためには欠かせないものです。装着していないと、歯が欠けたり、抜けたりする可能性があります。部活動などで日常的にスポーツをしている方も、口の中の健康を守りながら楽しみたいですよね。

気になる方はお気軽にご相談ください。

 

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

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