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知っていますか?6歳臼歯の大切さ

2024年3月31日

永久歯は親知らずを除いて28本ありますが、その中でもお口の中でとても重要な役目をする奥歯があります。5~6歳頃に生えてくる初めての永久歯で、6歳臼歯といいます。歯は28本どれが欠けてもいいわけではなく、それぞれに役割はあるのですが、その中でもとりわけ重要とされるのがこの6歳臼歯なのです。そんな大事な歯がもう6歳で生えてくるのかと驚かれるかもしれませんが、生涯にわたって大事にしなければならない歯です。

今回はこの6歳臼歯の重要性とその役割についてご説明していきます。

 

【6歳臼歯ってどんな歯?】

6歳臼歯は、6歳ごろに乳歯の奥に生える最初の永久歯です。

6歳頃生えるといっても、成長により前後するため早い子では4歳半から生え始め、6歳では約半数が生えています。前歯から数えてちょうど6番目の大きな歯で、乳歯が生え変わるのではなく、新たに歯ぐきを破って生えてきます。乳歯の奥にそっと生えてくるため、生えてきたのに気づかない保護者の方もいらっしゃるかもしれません。

ただ、生えてくる際に多少痛みが生じることもあり、お子さんが奥歯が痛いと訴えたり、なんだか変な感じがすると言われて保護者の方が萌出に気づくこともあるでしょう。歯の周りに汚れが溜まりやすく歯肉炎を引き起こすこともあります。

生え変わりはなく、またとてもむし歯になりやすい歯ですので、むし歯予防に気をつけなければなりません。歯の溝も大きく、存在感があるので、口の中をのぞいてみたらすぐに分かるのではないでしょうか。

 

【6歳臼歯の働き】

6歳臼歯は歯の王様とも呼ばれます。

その理由として、以下の3つのものが挙げられます。

①かむ力が一番大きい

永久歯の中で最も大きく、最もかむ力の大きな歯です。自分の体重と同じくらいの力がかかると言われています。全ての歯の中で最も大きく、食べ物をかみ砕く際に最重要となる歯です。

②永久歯への生え変わりの主軸

乳歯から永久歯への生え変わりの主軸として重要な歯です。

6歳臼歯は生え変わらないため、その位置関係もその後の生え変わりに重要となります。

③歯並びやかみ合わせの中心

6歳臼歯は、歯並びやかみ合わせにおいて中心となる歯です。

この歯を基準に、かみ合わせのズレやどのように歯並びを治していくべきかを考えていきます。

歯にはそれぞれに機能はありますが、その中でも6歳臼歯は歯並びやかみ合わせ、かむ力においても中心となる歯なのです。

 

【むし歯から守るために】

6歳臼歯は、生えるスピードがゆっくりです。そのため、しっかり萌出して、歯ブラシがきちんと当たるようになるまでに時間がかかります。乳歯をみがくように普通にみがいていても、歯ブラシがうまく当たっていなくて汚れが全然取れていないことも多いのです。しっかりと生えてかめる高さにまでなるには1年程度かかりますので、それまでにむし歯になるリスクがとても高い歯でもあります。

また、6歳臼歯はかみ合わせの溝が深く、生えたての歯は歯質が未熟なため生えて2~4年間が最もむし歯になりやすい時期です。この時期のむし歯予防には、溝の部分を予防t形に埋める処置(シーラント)をすることで、かなりの確率で虫歯を予防することが可能になります。

さらに、フッ化物を上手に利用するのもおすすめです。

フッ化物は歯の質を強くして、むし歯から歯を守る働きがあります。具体的には歯科医院での高濃度のフッ化物歯面塗布、ご家庭でのフッ化物洗口やフッ化物配合歯磨剤の利用などがあります。興味がある方はスタッフまでご相談ください。年齢に応じたフッ化物の利用法や濃度について、ご説明いたします。

 

【6歳臼歯のみがき方のポイント】

生え初めの頃の6歳臼歯は、乳歯に比べるとかみ合わせの位置がとても低いのが特徴です。そのため、歯ブラシがなかなか当たりません。6歳臼歯をみがく時のポイントは「つっこみみがき」をすることです。

①歯ブラシは横から突っ込む

生えている乳歯と同じようにみがいても、なかなかみがけていません。

横から歯ブラシを突っ込むようにして、ブラシの毛先をしっかり6歳臼歯に当てましょう。

②本人がみがくときは肘を上げてみがく

仕上げみがきではなく、本陣がみがくときは肘を上げてみがいたほうが歯ブラシの角度的にも歯面に当たりやすくなります。

③1本ずつ丁寧にみがく

乳歯と一緒にゴシゴシみがくのではなく、6歳臼歯1本を丁寧にしっかりみがくように心がけましょう。

④タフトブラシを使用する

通常の歯ブラシよりも小さく、操作もしやすいタフトブラシがおすすめです。

細かいところよりもしっかりとみがくことができ、歯面にもしっかり当てることができます。

⑤仕上げみがきをする

6歳臼歯が生えてくる頃は、また本人だけではうまくみがくことができません。

「小学生に入ったから1人でみがきなさい」ではなく、10歳頃までは仕上げみがきが必要です。特に6歳臼歯は、本人だけのブラッシングではむし歯になる確率がグンと高まります。生涯使用する重要な歯ですので、保護者の方も協力して守っていきましょう。

 

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

6歳が近づいてきたら、乳歯の奥を注意深く観察してみましょう。歯ぐきの膨らみや盛り上がりに気づくかもしれません。生えてくる6歳臼歯を、できるだけ早めに発見して、適切にみがいていくことが大切です。シーラントなどの処置が可能になるのにも時間がかかります。定期的に歯科医院で清掃してみがいていくことと、ご家庭でのケアが重要となります。

かみ合わせの上でも、かむ力の面でもとても重要な歯ですので、むし歯にならないように大切にケアしていきましょう。

雨の日や気圧の変化によって発生する歯の痛み

2024年3月19日

いつも何ともないけれど、「雨の日や低気圧になったら何だか歯が痛い」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

昔から「雨が降ると古傷が痛む」「雨が降ると関節が痛む」などと言われてきたように、天候は私たちのからだに大きな影響を与えます。それは歯についても例外ではなく、「天気が悪い日は歯が痛む」という人は、意外と多くいらっしゃいます。

今回は、「雨の日や気圧の変化が大きくなると起こる歯の痛み」について、その原因と対処法を解説していきます。

 

【気圧の変化と歯の痛み】

「天気の悪い日は歯が痛む」というのは、昔から知られていましたが、科学的な説明はなされていませんでした。現在も、まだその原因や痛みの機序について、すべて明らかになってはいません。しかし、雨の日に歯痛が発生する原因のひとつとして考えられるようになったのが「気圧の変化」です。

通常、からだは外からかかる気圧と体の内側から外への押し返す力によって、圧力のバランスが保たれています。しかし、気圧が変化すると、体へかかる空気の圧力も変わりますので、それに対応していく必要があります。

低気圧になると体にかかる圧力が軽減されるため、体の内側から外へ押し出す力が大きくなります。山に登ったり、飛行機で高度の高いところに行くと、ポテトチップスなどの袋がパンパンになるのと同じ理論です。

体の中には、空洞や血管などの管が多くありますが、低気圧になると外から体を押す力が弱くなるため、体の中にある空洞や管が膨らみます。膨らんだ空洞や管などの組織が、周囲にある神経や血管が圧迫されることで、痛みを感じてしまうのです。

 

【複雑な歯の構造】

歯は、外から見ると分かりませんが、実は3層もの異なる層に分かれています。

そして、歯の中心には「歯髄腔」と呼ばれる神経(歯髄)が入っている空間があります。簡単にいうと、神経が入っている部屋ですね。その周りを象牙質、さらにその外側をエナメル質が包む3重の構造になっています。むし歯など、表面のエナメル質のみだと痛みは出ませんが、象牙質にまで進行していると痛みを生じたりと、それぞれの層で厚みや性質が異なります。

 

【気圧の変化と歯の痛み】

神経が入っている歯髄腔の内部の気圧というのは、通常であれば、外の気圧と同じになるように保たれています。しかし、短時間に急に外の気圧が変化すると調整が間に合わず、外の気圧と歯髄腔の内部の気圧に差が生じてしまうことがあります。

低気圧というのは、気圧が低い状態です。低気圧になると、歯髄腔の外の気圧は通常に比べて低下します。その結果として生じる歯髄腔の内側と外側の気圧差によって、内部から歯に圧がかかることで歯が痛むことがあるのです。これは低気圧が接近しているときだけに起こるのではありません。身近な例で言うと、飛行機が離陸する際や着陸するときに「耳がキーンとつまった感じがする、痛くなる」といった症状が出たことはないでしょうか。これも飛行機の離着陸などの時に、機内の気圧が変化することで、鼓膜の内側と外側で「気圧の差」が生じてしまうために起こるものです。このように、同じ場所や気象の条件であっても、高度が上がれば気圧は下がります。ですので、飛行機に乗ったり、高い山に登った場合も同様のメカニズムで歯痛が起こることがあります。

 

【痛みを感じやすい人の特徴】

「雨が降ると歯が痛む」のは、昔から多くの人が経験してきたことですが、みんな同じように歯が痛いかというとそうではありません。実際に、これを読んでいる人もそのような経験がない方も多いのではないでしょうか。

気圧が下がるからといって、世界中のみんなが歯に痛みを感じることはありません。気圧による変化を受けやすいのは、次のような状態であることがわかっています。

・むし歯がある

・むし歯の治療中である
・詰め物や被せ物をした歯がある
・歯ぐきや歯の根っこの先に膿がたまっている

つまり、歯にもともと何かしらの痛みの原因となるものがある場合です。

外の気圧が下がって、歯髄腔の中との気圧差が生じると、相対的に圧が高くなった歯髄腔の空気は膨張して周りの神経に刺激を与えます。その結果、歯痛は起こります。

そのため、治療しないままだったむし歯があったり、前に治療したところがある場合は、痛みを感じやすくなってしまいます。歯ぐきや歯の根っこの先に膿が溜まっている場合も同様です。

ここで気をつけておきたいのが、治療済みの歯も痛みを感じる可能性があるということです。治療していなかったり、何か問題がある場合にこのような痛みがあるのはなんとなく理解できるかと思います。けれど、治療し終わったのに痛みが出ることもあるのです。

これは、普段は特に痛みを感じなくても、詰め物や被せ物をしてから数年経っていると、小さな隙間から治療した歯の中に細菌が侵入し、再び虫歯になっていたという可能性もあるからです。

【痛みが出ないためにはどうしたらいいの?】

まだ症状が軽い場合や、すでに歯の神経を抜いてしまっているときは、むし歯が進行していても気がつかないことがあります。もし、雨などの天気によって歯が痛くなったり、飛行機に乗る度に同じところに痛みを感じるようなら、一度歯科医院での検診を受けて、お口の中を全体的にチェックするのがいいでしょう。

残念ながら、気圧の変化による歯の痛みは、気圧をコントロールすることができない限り、防ぐことはできません。しかしながら、口の中の状態を整えることで痛みを防ぐことはできます。

 

【痛みの予防方法】

まず一番におすすめしたいのが、普段から定期健診に通うことです。

普段から歯科医院に通って、お口の中をむし歯や歯周病のない健康な状態に保っておけば、急な気圧の変化や旅行で飛行機に乗ることがあっても心配ありません。登山に出掛ける前、飛行機に乗る前には、むし歯は治してしっかりとメンテナンスしてある状態にしておきましょう。

次にできることは、対処療法にはなりますが鎮痛剤を飲むことです。

歯科医院での治療中にどうしても飛行機に乗る必要がある場合などには、歯科医院で相談して必要であれば鎮痛剤を処方してもらうのがいいでしょう。

【OCEAN歯科からのメッセージ】

天候によってが体調に変化があるというのは、気のせいではなく、根拠があるものです。

口の中にむし歯や治療途中の歯があると、天候や季節の変化によって、予想していない痛みを感じることがあります。日頃からの自分でのケアと歯科医院での定期健診を通じて、口腔内の健康を維持し、突然の痛みが起こらないようにしていきましょう。

「治療中断」したらどうなる?!

2024年3月12日

歯科医院での治療は一回で終わるものもあれば、何回も通わなくてはならないものもあり、都合を合わせるのが難しい場合も多いかもしれません。痛みがないからいいかと自己判断で治療を中断する方もいらっしゃいますが、そのまま治療しないでいるとどうなるでしょうか?

おそらく、皆さんが思っている以上にデメリットが多いのが現実です。

今回は治療中断に伴うリスクを考えていきたいと思います。

 

【治療中断したら起こること】

①治療にかかる時間がさらに伸びる

例えば、むし歯の治療を例に考えていきましょう。

一度で処置が終わるような治療であれば、その日に治療が完了しますので中断になることはありません。しかし、神経の治療などをしたり、その次の来院日に治療が完了する場合、「仮の詰め物」や「仮歯」をつけることがありますよね。

これらは「仮」という名前の通り、最終的な「つめもの」や「かぶせもの」を作っている間の一時的なものです。すぐに外せるようになっており、強度もそれほど強くありません。そのため、治療を中断して長時間つけておくようなものではないのです。

仮の詰め物を付けている間に「もう痛くないから」と自己判断で歯科医院での治療をやめてしまうと、いつの間にか詰め物が外れていたり、隙間が開いて、状態が悪くなってしまうことにもなります。つまり、むし歯が再発する場合や、治療開始時より悪化してしまうということにもなり得るのです。

また、むし歯の治療でかぶせものをする時は型取りをしますが「型取りを終えたあと」の中断も注意が必要です。あまり長く放置すると、かぶせものも合わなくなり、再び型取りをしてつめものやかぶせものを新しく作り直さなくてはならない場合もあります。そのため、無駄に治療期間が延びてしまうことになるのです。

 

 

②歯の寿命が短くなる

治療を中断してしまうと「歯の寿命が短くなる」リスクが高まります。

仮の詰め物や仮歯をしている部分は、最終的な詰め物やかぶせものよりも、どうしても細菌が溜まりやすくなります。そのため、中断して放置すると清潔を維持するのが難しく、新たなむし歯ができやすい環境になってしまいます。

最初の治療では小さかったむし歯も、最終的なかぶせものを入れずに放置してしまい、新たなむし歯が生じで神経にまで到達するように大きくなる可能性もあります。神経にまで達してしまうと、神経をとらなくてはならず、歯の寿命がとても短くなります。

神経にまで達しなくても、新しいつめものを作成する際には新たに歯を削る必要性もあるので、自分の歯がどんどん小さくなってしまいます。

神経を抜いてある歯の中断も注意しなければなりません。神経をとった後はむし歯になりやすいだけでなく、神経がある歯よりも脆いため、歯の根が割れたりヒビが入ったりしやすくなります。最悪の場合は「抜歯」せざるを得なくなることが多いため歯の根の治療は中断せずに必ず最後まで受け流のをおすすめしています。

 

治療中断でリスクが高まるのはむし歯や神経の治療だけではありません。歯周病治療の中断も
歯の寿命に大きな影響を及ぼします。歯周病は歯ぐきが腫れるだけの病気ではありません。進行すると歯を支えている骨が溶けてしまいます。歯周病がこわいのは、病状が進行しているのに気づかないまま、気づいたら骨が溶けていたり炎症が進んでしまったということです。サイレントディジーズとも言われる所以です。

 

歯周病の原因は歯周病菌であり、歯石除去をしたり、適切な歯科医院でのクリーニングがないと、歯周病は進行していきます。歯周病の進行を食い止めるためにも歯石を取り除くことは重要です。しかし、治療を中断してしまうと、数えきれないほど多くの細菌が歯石に隠れて増殖します。結果として、歯を支える骨を溶かし続け、やがては歯が抜け落ちてしまうのです。

 

③治療にかかる費用が高くなる

上記の①や②でもご説明しましたが、治療を中断することでそれまでやっていた治療を再度新しくやり直す必要性が出てきます。状態が悪化して、治療時間が長くなることも考えられます。そうすると、当然の如く時間も治療費も余計にかかってしまいますよね。

中断しなかったスムーズに終わっていた治療も、途中でやめてしまうことで歯の状態も悪くなり、それに伴う費用も多くかかることになります。

最後までしっかり通院することで得られるのは、歯の健康だけではありません。

歯科医院に通う時間も長い目で見ると短くなりますし、経済的なご負担も抑えることができるのです。

【OCEAN歯科からのメッセージ】

風邪などと違い、むし歯や歯周病といった歯科医院で扱う口の中の病気は、放っておいても自然に治る病気ではありません。誤った状態で放置すると、確実に悪化していきます。

口の中全体で問題がなくなり、治療が完了するまでは欠かさず通院を続けることをおすすめします。それが最終的には時間もコストも抑え、口の健康を守ることにもつながるのです。

もしも、トラブルや急用などでやむを得ず来院できないときには、スタッフまでご相談ください。せっかく治そうと思って来院されたのですから、口の健康維持のためにどうしたら良いかを一緒に考えていきましょう。

大人になっても乳歯が抜けない原因(先天性欠如)

2024年3月5日

生まれたての赤ちゃんの口には歯が全くありません。そこから成長とともに乳歯が生え、それが抜けて永久歯に生えかわります。乳歯は上下左右合わせて20本あり、永久歯が生えることで自然と抜けるか、歯科医院で処置をしてもらって永久歯が生えてきます。

ところが、乳歯がなかなか抜けずに大人になってもずっとそのまま乳歯が生えている方もいらっしゃいます。本来なら成長に応じて抜けるべき乳歯が抜けないのは、どのような原因があるのでしょうか。今回は乳歯が大人になっても抜けない原因についてご説明していきます。

 

【乳歯の生え変わりの時期】

乳歯は生後6カ月くらいから生え始め、6歳ごろから少しずつ抜けていきます。もちろん個人差がありますので、一概にこの時期に抜けていないとおかしいということ言えませんが、14歳ごろには全て永久歯に生え変わっているでしょう。

乳歯は上下左右合わせて20本あります。下から永久歯が生えることで根が永久歯に吸収され、徐々に乳歯がグラついてきて自然に脱落するのが一般的です。しかし、グラグラしているものの、なかなか抜けなかったり、今後の歯並びに影響が出ると診断された場合は、自然に抜けるのを待たず歯科医院での抜歯になることもあります。

 

【 乳歯が抜けないのはなぜ?】

乳歯がなかなか抜けない場合は心配になりますよね。その場合はレントゲン写真を撮ってみたら、乳歯の状態と骨の中での永久歯の状態が分かります。永久歯が正しい位置にあり、永久歯の生えるスペースもあり、しばらくすると乳歯の根を吸収して生えてきそうな場合はそのまま様子をみていて大丈夫です。

しかし、レントゲン写真を確認すると、乳歯の後継の永久歯がないこともあります。

これは、本来生えるはずの永久歯のもとになる歯胚(しはい)がない「先天性欠損」という永久歯がない状態を言います。

本来なら永久歯が乳歯の根を吸収していくことで、乳歯がグラついてきて抜けますが、その永久歯が無ければ、乳歯は当然グラグラすることもありません。そのため、乳歯が全く抜ける気配がない場合は、まず先天性欠損が疑われます。これはそんなに珍しいことではありません。

永久歯の先天性欠損でない場合、次に考えられるのが永久歯が通常萌出してくる方向ではなく、異常な方向を向いて生えてきている場合です。通常、永久歯は乳歯の根に沿って出てきます。しかし、そもそも骨の中で変な方向に向いている場合は、乳歯の根に沿って出てくることはできません。それでも、永久歯は萌出しようとしますので、通常とは違う変な方向に向いて歯が出てきてしまいます。場合によっては、他の永久歯の根を溶かしてしまったりするので注意が必要です。このような永久歯の萌出方向の異常というのも、レントゲン写真を撮ることで確認することができます。状況に応じて、適切な対処をしていくことが重要になります。

 

【先天性欠如の原因と好発頻度・部位】

永久歯の先天性欠如の原因は明らかになっていませんが、遺伝や全身疾患、栄養欠如、薬物の副作用などが原因と考えられています。ただし、はっきりとした原因や因果関係は不明です。

好発する頻度は上顎よりも下顎の方が高く、部位は側切歯と言われる前から数えて2番目の永久歯と、第2小臼歯と言われる前から数えて5番目の永久歯で見られる事が多いと言われています。欠損歯の左右差はないとも言われています。

 

【先天性欠損歯と診断された場合はどうすればいいの?】

後継永久歯が先天性欠如の場合、今ある乳歯を大切にしなければいけません。乳歯は永久歯に比べて歯質が薄くむし歯も進行しやすいので、日頃から十分に適切なケアをしていきましょう。もしも乳歯がむし歯になって残せないような時は、最悪抜歯になってしまうことがあります。

しかし、いくら乳歯を大事にしても一生使うことは難しいでしょう。成人してからしばらくして脱落する可能性があります。そのため、もしも永久歯が先天的にないと診断された場合、経過観察を含めた長期的な治療計画をたて、適切な時期に適切な治療を行っていく必要があります。

先天性欠如歯が見つかったからと言って、乳歯を適切でない時期に抜歯をし、その後の部位をブリッジやインプラントで処置してしまうと、顎骨の成長を妨たげたり歯牙を傷つけることにもなりかねません。将来的に抜歯をしたり、脱落してしまう可能性など、歯がなくなってしまうことを考えたとしても、残っている乳歯のお手入れをしっかりとして歯並びに悪い影響が出ないよう長期的な管理を行うことが大切です。

 

【先天性欠如の治療法】

先天性欠如のところに歯を動かしてくる矯正治療、欠損した歯の両隣の歯を削ってスペースを補う数本が一体型になったブリッジと言う差し歯、インプラントと言う治療方法など、さまざまなバリエーションが考えられます。これは一概に先天欠如の部位だけの問題ではなく、その時点での口の中全体の歯並びやかみ合わせ、顎の骨や欠損の状態を考慮して行っていく必要があるため、問題は複雑になる場合があります。また、治療法の中には保険治療ではなく自費治療も含まれます。

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】
歯がなかなか抜け変わらなくて心配だったり、先天性欠如が発見された場合は、歯科医師とよく相談して、今後どのように治療方針を立てていくかを考えていく必要があります。

定期検診を受け、歯並びや咬み合わせなどに影響が出ないように治療をし、適切に管理していくことが重要です。

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

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