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外科手術の前には歯科治療が必要?お口のケアと外科手術の知られざる関係

2025年8月10日

「外科手術を受ける前に、歯科でむし歯の治療を済ませるように言われた」という話を聞いたことはありませんか?実は、むし歯だけではなく、外科手術の前には歯科治療が必要になることがよくあります。それはいったいなぜなのでしょうか?

今回は、外科手術の合併症と口腔ケアの関係について詳しく解説します。
【手術前に注意すべき口腔内の細菌とは?】

口の中に細菌がいることは、なんとなくはご存知な方も多いのではないでしょうか。

実は、口の中には数百種類の細菌が存在しています。健康な状態ではバランスが保たれていますが、むし歯や歯周病があると、細菌が血流に乗って全身に広がるリスクがあります。

特に、以下のような細菌には注意が必要です。

・歯周病菌(P. gingivalis、T. forsythia など):血流に入り、心臓病や糖尿病を悪化させる可能性がある

・むし歯菌(S. mutans など):手術後の免疫低下時に感染を引き起こすことがある

・口腔内常在菌:手術後の誤嚥性肺炎や創部感染の原因となる

以上のように、口の中にいる細菌をできるだけ手術前に少なくしておくことが様々なリスクを減らすことにつながるのです。
【もしグラついた歯があったなら】

グラついた歯があるまま外科手術をしてしまうと、手術中の気管挿管(麻酔時に管を挿入する処置)で歯が折れたり、誤嚥してしまうリスクがあります。特に、全身麻酔を伴う手術では、次のような影響が考えられます。

・抜けそうな歯が気管に入る危険性

・手術中の歯の破損による誤嚥や窒息のリスク

・術後の感染症リスクの増加

このようなリスクを回避するためにも、グラついた歯がある場合、事前に歯科医師の判断を仰ぎ、抜歯を検討する必要があります。
【手術前に受けるべき歯科治療とは?】

手術前には、以下のような歯科治療が推奨されます。

・むし歯治療:進行した虫歯は感染源になるため、できるだけ治療を済ませる

・歯周病治療:歯周病があると術後感染リスクが高まるため、クリーニングや治療を行う

・グラついた歯の処置:必要に応じて抜歯や固定処置を行う

・口腔清掃指導:術前の口腔ケアを強化し、細菌数を減らす
【手術前の歯科治療の具体的な流れ】

では、手術前に歯科治療を受ける場合は具体的にどのような流れになるのか示していきましょう。

  1. 手術前の歯科検診(口腔内の状態をチェック)
  2. 必要な治療の計画(むし歯や歯周病の治療、抜歯の検討)
  3. 治療の実施(クリーニング、詰め物や被せ物の調整など)
  4. 手術前の最終チェック(術前に問題がないか再確認)
  5. 術後のフォローアップ(手術後の口腔ケア指導)

心臓の手術を受ける予定の患者さんが、術前検査で重度の歯周病が見つかったケースについてご説明していきましょう。

歯科治療を行わずに手術を受けた場合、細菌が血流に入り感染性心内膜炎を引き起こすリスクがありました。そのため、術前に歯周病の治療を行い、感染リスクを減らしたことで、無事に手術を成功させることができます。

このように、手術前の口腔ケアは命を守る重要な役割を果たします。

【日頃の歯科定期検診と治療のメリット】

日頃から定期的に歯科検診を受け、適切な治療をしておくことで、手術前に慌てる必要がなくなります。

具体的には

・むし歯や歯周病の早期発見・早期治療ができる

状態にもよりますが、むし歯や歯周病の治療というものは1日で治せるものばかりではありません。状態によっては長期にわたって治療をする必要性があるものも、もちろんあります。

ですので、日頃からのこまめなケアが重要になってくるのです。

・手術前に追加の治療が必要になるリスクを減らせる

全身疾患の手術前というのは、からだの状態も悪く、歯科医院にこまめに通う時間や元気がない場合もあるでしょう。歯科医院での治療がすでに終わっている状態であれば、手術前にわざわざ追加で治療する必要もなくなりますので、スムーズに手術を受けることができます。

・全身の健康を維持し、手術後の回復を早める

特に、持病がある人や高齢者は、定期的な歯科検診がより重要になります。

細菌感染のリスクも減らせますし、術後の回復にも影響してくることでしょう。
【手術前の口腔ケアの具体的なチェックリスト】

手術前に口腔環境を整えるために、以下の項目をチェックしましょう。

・むし歯がないか確認する

・歯周病の進行状況をチェックする

・グラついている歯がないか確認する

・詰め物や被せ物の状態をチェックする

・口腔内の清掃状態を確認し、必要に応じてクリーニングを受ける

・舌の状態を確認し、白い苔(舌苔)が多い場合は適切なケアを行う

・口臭の原因を特定し、適切な対処を行う

これらのチェックを受けることで、手術時のリスクを最小限に抑えることができます。

 

【どんな人が特に注意すべきか?】

特に以下のような人は、手術前の口腔ケアを徹底する必要があります。

・高齢者:免疫力が低下しており、感染症にかかりやすい

・糖尿病:血糖コントロールが悪いと、歯周病が進行しやすい

・心臓病:口腔内の細菌が心臓に影響を与える可能性がある

・がん:抗がん剤治療や放射線治療により、口腔内の健康が悪化しやすい

・透析:免疫力が低下しているため、感染症のリスクが高い

 

【歯科医院でのチェック項目】

歯科医院では、以下のようなチェックを行います。

・歯周ポケットの深さの測定(歯周病の進行度を確認)

・詰め物や被せ物の状態確認(破損や隙間がないかチェック)

・ぐらついた歯の確認(必要なら固定や抜歯を検討)

・口腔内の細菌量の評価(クリーニングや指導を実施)

・かみ合わせのチェック(不適切な咬み合わせがある場合は調整)
【手術後の口腔ケアの重要性】

手術後は免疫力が低下し、感染症のリスクが高まります。そのため、手術後も口腔ケアを徹底することが重要です。

・毎日の歯みがきを丁寧に行う

・口腔内の保湿を心がける(唾液の分泌が減るため)

・やわらかい歯ブラシや低刺激の歯磨き粉を使用する

・食後はしっかりうがいをする
【手術後に起こりやすい口腔トラブル】

手術後は以下のような口腔トラブルが起こる可能性があります。

・ドライマウス:唾液分泌が減少し、口腔内が乾燥する

・免疫低下による感染:口内炎や歯周病の悪化が見られる

・食事のしにくさ:術後の体調不良により、食事がしづらくなる
【回復を早めるための口腔ケア方法】

手術後の回復を早めるためには、以下のようなケアを行うと良いでしょう。

・保湿ケア:口腔用保湿ジェルやスプレーを使用する

・食事の工夫:やわらかく、飲み込みやすい食事を選ぶ

・口腔体操:舌や頬を動かし、唾液の分泌を促す
【手術前の歯科治療が推奨される具体的な病気】

手術前の歯科治療が特に推奨される病気には、以下のようなものがあります。

  • 心臓病(心臓弁膜症・狭心症):感染性心内膜炎のリスクを減らす
  • 糖尿病:血糖コントロールを安定させるために歯周病を管理
  • がん治療:化学療法・放射線治療による口腔内トラブルを予防
  • 人工関節置換術:手術後の感染リスクを低減

手術前の歯科治療を徹底し、安心して手術に臨みましょう。

【OCEAN歯科からのメッセージ】

全身の健康を守るためにも、日頃からのこまめなお口のケアが重要なことはご理解いただけたでしょうか。

いきなり外科手術が必要となっても慌てなくていいように、こまめな歯科医院での定期検診や歯科治療をおすすめします。手術に備えてだけでなくとも、常にお口の健康を守れるようにしておきましょう。

 

歯を「磨いている」のに歯科医院では「磨けていない」と言われてしまう?

2025年7月28日

 

毎日しっかりと歯をみがいているのに、歯医者さんに行くと「磨けていませんね」と言われた経験はありませんか?

実は、歯を「磨いている」と「磨けている」ことには大きな違いがあります。むし歯や歯周病にならないためには、「磨けている」ことが重要です。

でも、どうすれば「磨いている」ではなく「磨けている」状態になれるのでしょうか?

今回は、歯科医が教える歯磨きのポイントをご紹介します。

 

【むし歯になってしまう原因について】

みなさんは、むし歯や歯周病にならないために、毎日歯をみがいていることと思います。では、そもそもむし歯はなぜできるのでしょうか?むし歯ができるには、4つの条件があります。

  1. 歯(宿主)があること

歯がない人、例えば生後半年未満の乳幼児や総入れ歯の高齢者は、むし歯になることはありません。逆に言うと、歯があれば、いつでもむし歯になってしまう危険があるということです。

  1. 細菌(プラーク)がいること

むし歯を引き起こすのは、「細菌」です。特に「ミュータンス菌」と呼ばれるむし歯菌が原因です。赤ちゃんの口の中には最初、むし歯菌は存在しませんが、親や周りの人から感染します。このように私たちはみんな、むし歯になる可能性があるわけです。

  1. 糖があること

糖は砂糖だけでなく、お米や果物に含まれる糖も含まれます。これらの糖が口の中に残ると、細菌がそれをエサにして酸を生成し、その酸が歯を溶かしてしまいます。これがむし歯の原因です。

  1. 時間

むし歯の原因となる酸を作り出すのには時間がかかります。この時間が、むし歯予防のカギを握っています。プラークをこまめに除去すれば、酸が歯を溶かす前に防ぐことができるのです。

つまり、歯が溶けるよりも早く、むし歯菌を取り除き、酸を除去してあげればむし歯にならずに済むのです。このように、「時間」を意識してお口の中を管理することは、むし歯予防に繋がります。

 

【「磨けている」の誤解とは?】

「歯を磨く」という言葉を歯科医や歯科衛生士が使うとき、それは単に歯ブラシで磨くことだけを意味しているわけではありません。歯についたプラーク(歯垢)をできるだけ取り除くことで、むし歯や歯周病を防ぎ、健康な状態を維持することが「歯を磨く」ことなのです。自分でしっかりとこれができていれば、「磨けている」ということになります。

実際、多くの人は毎日歯を磨いていますが、「磨けている」と思っていても、実際には十分にプラークを除去できていないことが多いのです。歯磨き粉の清涼感でお口がすっきりして「磨けた」と思うかもしれませんが、プラークを完全に取り除くことが本当のゴールなのです。

 

【「磨けている」ための歯磨きのポイント】

では、どのように磨けば「磨けている」状態になるのでしょうか?

むし歯ができやすい場所をしっかり磨くことが大切です。

特に注意すべき場所は、以下の3つです。

  1. 歯と歯ぐきの境目(歯の生え際)
  2. 歯と歯が接している部分(コンタクトポイント)
  3. 歯の溝(特に奥歯の咬む面)

これらの部分は、歯磨きだけでは磨きにくいところであり、十分に磨けていないことが多いです。歯の表面は比較的磨きやすく、ほっぺた側や舌側もそれほど磨くのに難しくはないでしょう。しかし、歯の生え際や歯間、奥歯の溝などは、自然には磨けません。この部分をしっかり磨くことが、むし歯予防の鍵になります。

 

【効果的な磨き方のコツ】

  1. 歯と歯ぐきの境目(歯の生え際)の磨き方

歯の一番出っ張っているところは、ほっぺたや舌があたることで汚れが残りやすいところではありませんし、自分でも磨きやすいところでしょう。

最も大切なのは、歯の根元側、歯と歯ぐきの境目部分です。毛先を歯ぐきの方向に45度傾け、振動させるように磨きます。強くこすらず、細かく小さな振動を与えることがポイントです。

  1. 歯と歯が接している部分(コンタクトポイント)の磨き方

歯ブラシでは磨きにくい部分ですが、デンタルフロスを使うと効果的です。デンタルフロスを歯間に挿入し、歯に巻き付けて上下に動かすことで、隣接面のプラークを除去できます。また、歯間ブラシは歯と歯の間に隙間ができた場所に使うと効果的です。

  1. 歯の溝(特に奥歯の咬む面)の磨き方

奥歯の溝は食べ物のカスやプラークが溜まりやすい部分です。しっかりと丁寧に磨き、汚れを掻き出すイメージで行いましょう。

これらをしっかりと実践すれば、歯磨きが効果的に行えます。磨き方に時間をかけて、1回につき5分程度の丁寧な歯磨きが理想的です。

 

【歯科医院での指導の重要性】

自宅で歯を磨くことも大切ですが、歯科医院で専門的な指導を受けることも重要です。歯科医院では、あなたの歯磨きの仕方をチェックし、磨き残しがないかを確認します。磨き残しがあった場合、どの部分をしっかり磨けばよいかの具体的な指導もします。

また、歯科医院で定期的なクリーニングを受けることで、歯の表面や歯周ポケット内のプラークをプロフェッショナルに取り除くことができます。これにより、むし歯や歯周病を予防するための効果が高まります。クリーニングを受けることで、自分では気づかないうちに溜まった汚れをしっかりと取り除き、お口の中の健康を守ることができます。

 

【歯科医院に通う意義】

歯科医院では、歯磨きの方法を改善するためのアドバイスをもらうことができます。我流ではなかなか細かいところまで磨き切れてはいないのです。

歯科衛生士や歯科医師は、患者さんそれぞれの歯と口の状態に応じた個別のアドバイスすることが可能ですので、歯磨きの効果を最大化するためには、自己流ではなく、専門家の指導を受けることが大切です。

また、歯科医院で受ける定期的な検診は、早期にむし歯や歯周病を発見し、早期治療を行うための大きな助けになります。歯科医院に通い、正しい歯磨きの方法を学び、定期的なクリーニングを受けることで、口内環境を維持し、長期的に健康な歯を保つことができます。

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

歯磨きは毎日行う習慣ですが、正しい方法で行うことが大切です。自宅での歯磨きに加えて、歯科医院で定期的にチェックとクリーニングを受けることで、むし歯や歯周病を予防し、健康な口内環境を守ることができます。

定期的な歯科検診を受けることで、口腔内の健康を守り、全身の健康にもつながります。毎日の歯磨きと歯科医院での定期的なケアで、しっかりと口腔内を守り、健康な笑顔を維持しましょう。

歯が溶ける?!「酸蝕症」ってどんなもの?

2025年7月10日

「酸蝕症(さんしょくしょう)」という言葉をTVなどで聞いたことがあるでしょうか。

具体的な症状や原因は分からなくても、なんとなく聞いたことがあったりするかもしれません。ここでは酸蝕症について、なりやすい飲食物や生活習慣などを解説していきます。

 

【酸蝕症とはどんな病気?】

酸蝕症とは、一言で言うと「酸によって歯が溶ける病気・現象」のことを意味します。
私たちの歯は、一般的な食事をする分には問題ないのですが、酸性の刺激に弱い性質を持っています。ですので、歯が酸にさらされやすい生活習慣があると、歯の一番表層を覆っているエナメル質やその内部の層である象牙質が徐々に溶けてきてしまいます。

 

【むし歯じゃないの?】

酸で歯が溶けると聞くと、まずイメージするのは「むし歯」ではないでしょうか。

むし歯はミュータンス菌に代表されるむし歯菌が歯に感染し、酸を作り出すことで歯を溶かしていく病気です。つまり、むし歯は細菌が感染することによって起こります。

しかしながら、酸蝕症の場合、細菌による関与はありません。むし歯菌が作り出す酸ではなく、食品などに含まれる酸性の物質によって歯が溶けていく病気なのです。

 

【どんなものによって酸蝕症は起こる?】

酸蝕症になる原因は、2つに大きく分けることができます。

1つは体の中から出てくる酸による内因性のものです。2つ目は、酸性の食品など外から取り込む外因性のものです。

①内因性の酸蝕症

内因性の酸蝕症は、主に胃酸が逆流してくることによって生じます。

過食症や拒食症などが原因で、嘔吐(おうと)をする機会が多い場合、胃酸が混じったものが口から体外へと出されます。その際に、歯が酸性の刺激にさらされ、歯の表層にあるエナメル質を溶かしていきます。

また、胃酸が逆流する「胃食道逆流症(GERD)」という病気も原因として挙げられます。この病気は、胃と食道とのつなぎ目が狭くなるなどの異常によって生じる症状です。嘔吐反射も促されることがあります。

その他には、アルコールを大量に飲む習慣があり、頻繁に嘔吐する方も酸蝕症になりやすいです。

②外因性の酸蝕症

外因性の酸蝕症は、酸性度の高い飲み物や食べ物を習慣的に摂ることによって起こります。

「酸性度が高い」というと、酸っぱいレモンやお酢を思い浮かべるでしょうか。しかし、気づかないところでも酸性度が高いものはたくさんあります。ジュースや炭酸飲料を始めとした清涼飲料水やワインなども実は酸性度が高い飲み物です。また、意外かもしれませんが、スポーツドリンクも注意しなければなりません。

スポーツドリンクは、水分だけでなく様々なミネラル成分も含まれているため、夏場の水分補給としてよく飲んでいる方も多いかもしれません。

甘くて美味しく、水より飲みやすいため、頻繁に飲んでいるのではないでしょうか。

スポーツドリンクを飲むことによって、もちろん水分補給にはなります。しかし、気をつけなければならないのが、大量の糖分が含まれていることと、酸性度も比較的高いことです。頻繁に飲むことで、実は酸蝕症のリスクが高まっているのです。

※まれな酸蝕症

外因性の酸蝕症で稀なものがあります。それは、酸性のガスを吸い込むことによっても酸蝕症になる場合です。これは特殊な場合ですので、関係ない方も多いでしょう。

気をつけなければならないのは、主に塩酸や硫酸、硝酸などのガスが発生する工場で勤務している人です。このような工場に勤務していると、外因性の酸蝕症になりやすく、基本的には職場の健康診断等で注意を促されていることかと思います。

酸蝕症の原因となるのは、必ずしも液体ではない一つの例です。

【酸蝕症でどんなことが起こるの?】

酸によって歯が溶けることが酸蝕症ですが、どのように歯が溶けていくのか、そしてどのような症状を感じるようになるかをご説明していきます。

①エナメル質が溶ける

酸によって、まずは歯の一番表層にあるエナメル質が溶け出していきます。

基本的に、歯が溶けるということだけで考えるとむし歯と変わりはないのですが、その歯の溶け出し方には違いが見られます。

むし歯は、一般的に、直径1~2mmくらいの狭い範囲からエナメル質が溶け出します。しかし、酸蝕症はその範囲が比較的広いのが特徴です。歯の表面全体が均一に溶け出していくこともあるでしょう。

②象牙質が出てくる

象牙質は、エナメル質に覆われています。エナメル質の下にある層である象牙質は、酸蝕症によってエナメル質が溶けると表に出てきてしまいます。これは、むし歯になっても同様です。

しかし、むし歯と酸蝕症は明らかに違いがあります。酸蝕症の場合は、歯が溶ける範囲が広いので露出する象牙質も多くなり、歯全体が黄色く見えるようになります。審美的にも影響を与えてしまいます。

③歯がしみる(知覚過敏になる)

象牙質には歯の神経が一部入り込んでいるため、象牙質が出てくると食事中の食べ物による刺激が直に伝わります。冷たいものや熱いものを食べたり飲んだりすると、通常のエナメル質に覆われている状態であれば感じることもない刺激を感じてしまいます。具体的には、歯がしみるようになります。象牙質知覚過敏症の状態ですね。

また、象牙質はエナメル質ほど強くはありません。酸に対する抵抗力も弱いため、むし歯のリスクも高くなります。

 

【酸蝕症の予防法】

口の中というのは、通常は中性に保たれています。しかしながら、飲食物や胃酸による影響で酸性度が高くなると歯は溶けやすくなります。では、歯が溶けないためにはどうしたらいいのでしょう。酸性の飲食物をすべて摂らなければいいのでしょうか?

実際、身近な食事の中にも酸性の飲食物は多く、健康に良いとされているものも多く含まれています。日常生活でこれらをすべて控えていくというのは現実的ではないでしょう。

そのため、酸蝕症を防ぐためには以下のことに注意していくことをおすすめしています。

①酸性の飲食物を口にした後は、水で口をゆすぐ

酸性度の高い飲食物を口にしても、その後にしっかりうがいや歯磨きすることで、エナメル質が溶け出すのを防ぐことが可能になります。

②酸性度が高い飲食物を、ダラダラと食べたり飲んだりしない

長時間口の中に酸性のものが入っていると歯が溶けリスクが高まります。

そのため、いつまでも口の中に入っていることやダラダラ食べ飲みをするのはやめましょう。気づかないうちに歯が脆くなってしまいます。

③寝る前に、酸性の飲食物を摂るのを控える

唾液には、酸性に傾いた口の中を中性に戻す作用が期待できます。また、歯の再石灰化を促す作用もあるため、唾液が出ていることは、酸蝕症の予防のためにも重要です。

しかし、寝ている間は唾液の分泌が少なくなります。

そのため、寝ているときは口のなかのpHが中性に戻りにくくなり、酸蝕症も進行しやすい状態になるのです。

④フッ化物を有効活用する

歯が溶ける現象である脱灰(だっかい)は、フッ化物を上手に活用することによって予防できます。フッ素は歯の再石灰化を促すだけでなく、酸に対する抵抗力も高めてくれます。

普段からフッ素入りの歯磨き粉を使用したり、歯科医院でのフッ素塗布を定期的に受けたりすることがおすすめです。

⑤病院に相談する

内因性の酸蝕症の場合、原因である摂食障害や胃食道逆流症を治すことが予防につながります。これらの病気は内科的な治療が必要ですので、まずは病院に相談することが重要です。

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

酸蝕症は、皆さんが思っているよりも身近な病気です。歯が溶けるのはむし歯だけではありません。酸蝕症によっても歯は溶け出すことがあるため、十分な注意が必要です。

酸性の飲み物や食べ物が好きで、歯科医院にあまり通っていない方は早めに定期検診を受けてみるのもいいでしょう。気づいていないだけで歯が溶け出しているかもしれません。

歯の数や構造、かたち、色の異常

2025年6月25日

歯もからだの成長と同様に成長していきます。歯は顎の骨の中で育つため、目で直接見ることはできません。顎の中でずっと成長を続け、準備ができると次第に口の中に現れてきます。乳歯だったら歯が全く無い歯ぐきに生えてきますし、永久歯であれば乳歯がグラグラして永久歯に生え変わりますね。

しかし、歯の成長途中に何らかの悪影響が生じると、歯の数やかたち、構造などに異常が現れることがあります。今回はそのような歯のさまざまな異常についてご説明していきます。

 

【歯の数の異常】

通常、生えてくるはずの歯の数が足りなかったり、過剰だったりして異常が認められることがあります。

・完全無歯症(かんぜんむししょう)

歯が全くない状態です。
非常に稀なケースですが、先天的に歯が一本も生えてこない場合があります。

無歯症は、外胚葉異形成症(がいはいよういけいせいしょう)という先天的な疾患の一症状として現れることが多く、この病気では歯以外にも、毛髪や爪、汗腺に異常が生じることがあります。

・先天性欠如(せんてんせいけつじょ)
生まれつき歯の本数が少ない状態を指します。これは部分的無歯症とも呼ばれ、特に第二小臼歯(前から5番目の歯)や側切歯(前から2番めの歯)に多く見られます。実際には、10人に1人程度の割合で起こる比較的よく見られます。遺伝なども影響を与える因子です。

・過剰歯(かじょうし)

歯の本来の数は乳歯20本、永久歯28~32本です。

過剰歯は通常の葉が生える本数よりも、過剰に多く作られた歯のことを意味します。

普通の歯と同様に生えてくることもありますが、骨の中で埋まったままになっていることもあります。骨の中にある場合は、レントゲンを撮ったら過剰歯があることに気づくことができます。

かたちとしては、基本的には奇形の歯ですので、普通の歯と違っていたり大きさも異なっています。三角錐のような形をしていたり、小さかったりとさまざまです。多くの場合は抜歯となるでしょう。

 

【歯の構造に関する異常】

歯はエナメル質や象牙質という層で覆われていて神経を守っているのですが、その歯を構成しているエナメル質や象牙質がきちんと作られていない状態を指します。

・エナメル質形成不全症(MIH)
エナメル質形成不全症は、歯の表面を覆うエナメル質が十分に形成されない状態を指します。症状として、エナメル質が薄くなったり、部分的に欠けることがあり、歯が黄色く見えることが多いです。エナメル質が不十分だと、歯がむし歯になりやすくなるため、注意が必要です。

・象牙質形成不全症
象牙質形成不全症は、歯の内部にある象牙質が正常に作られない状態です。この異常では、歯が琥珀色に変わりやすく、象牙質とエナメル質の結合力が弱いため、歯が欠けやすくなります。さらに、象牙質がしっかり作られないため、歯の根が短くなることもあります。

・歯内歯
歯内歯とは、歯の内部にエナメル質や象牙質が過剰に入り込んでしまう異常です。特に上顎の側切歯(上の前から2番めの歯)に多く見られ、形状が通常と異なるため、むし歯や歯周病のリスクが高まることがあります。

【歯のかたちに関する異常】

歯には歯の種類によってそれぞれ決まったかたちがありますが、通常とは異なる様子を呈します。

・ハッチンソンの歯
ハッチンソンの歯は、生まれつき梅毒に感染していた場合に、子どもの歯に見られる形状の異常です。この症状では、前歯の縁に半月状のくぼみができ、歯の横幅が通常よりも狭くなることが特徴です。

・矮小歯
矮小歯は、通常よりも小さな歯です。隣の歯に比べると明らかに小さいので見分けがつきやすいかもしれません。歯の大きさだけでなく、形状も異なることが多く、特に尖った形をした円錐歯や、細長い栓状歯などの形状異常が見られることがあります。これらの異常は見た目の問題だけでなく、かみ合わせや口腔機能にも影響を及ぼす場合があります。

・巨大歯
通常の歯よりも著しく大きな歯です。特に前歯や奥歯に見られ、歯冠の大きさや歯根の長さが通常の歯と比べて大きくなります。かみ合わせに問題を引き起こすことが多いため、矯正治療が必要となる場合があります。

・双生歯(そうせいし)

一つだった歯胚(歯のもとになるもの)が何らかの原因で2つに分離してしまい、そのまま成長発育した歯です。

・エナメル滴
歯の根元部分に球状の隆起ができる状態で、エナメル真珠とも呼ばれます。この異常は、歯周組織との密着が不十分になり、歯周病の原因となることがあります。定期的な検診での早期発見と予防が重要です。

 

【歯の色に関する異常】

・斑状歯(はんじょうし)
斑状歯は、フッ素の過剰摂取によって引き起こされる歯の色の異常です。

1~2ppm以上のフッ化物を長期間摂取した場合に、歯に水平な白色や褐色の斑点が現れます。この症状は、むし歯予防の効果がフッ素によって発見されるきっかけとなった現象でもありますが、適量のフッ素は安全ですので、日常の歯みがきに使用する場合は心配いりません。

(歯科医院でのフッ素塗布や家庭で使用する高濃度のフッ素配合歯磨剤などは安全です。)

・テトラサイクリンの副作用
テトラサイクリンという抗菌薬を歯が形成される時期に服用すると、象牙質に影響を与え、歯に灰色や茶色のしま模様が現れることがあります。

 

【その他の異常】

・歯牙腫
歯牙腫は、歯胚が過剰に発育することで形成される良性の腫瘍です。

歯の構造が含まれており、痛みや腫れなどの自覚症状もありません。定期検診などのレントゲン撮影によって発見されることが多いです。

【OCEAN歯科からのメッセージ】

歯の異常といってもいろいろな種類があります。

歯の発育不足や過剰による異常は、歯の数、かたち、色、構造にさまざまな影響を及ぼします。これらの異常は、先天的な要因や環境要因によって引き起こされることが多く、適切な診断と治療が必要となることもあります。

もしも気になることなどがあれば、お気軽にご相談ください。

むし歯になりやすい人と部位、その予防方法

2025年6月10日

むし歯は多くの人が経験する口腔の問題ですが、なぜ同じような生活習慣を送っていてもむし歯になりやすい人とそうでない人がいるのでしょうか?むし歯は単なる口のトラブルではなく、生活習慣や体質、歯の状態などさまざまな要因が絡み合って発生します。今回は、むし歯になりやすい人の特徴やむし歯ができやすい部位、そしてそれらを予防するための具体的な方法について詳しく解説していきます。

 

【むし歯になりやすい人の特徴】

①食生活が不規則

食生活の乱れは、むし歯のリスクを大きく高める要因です。特に、間食を頻繁に摂ったり、糖分を多く含む飲み物やお菓子を常に摂取していると、口腔内の環境が悪化します。食事と食事の間に糖分を摂取すると、口腔内のpHが酸性に傾き、むし歯を引き起こす原因となります。酸性環境では、歯のエナメル質が溶けやすくなり、むし歯が進行しやすくなります。

具体例として、夜遅くにお菓子を食べる習慣がある場合、就寝中に口腔内に糖分が残り、むし歯のリスクが増します。甘いものを摂取した後は、できるだけ早く歯みがきをすることが重要です。

 

②歯みがきが不十分

むし歯の予防には、適切な歯みがきが欠かせません。しかし、歯みがきが不十分な場合、歯垢(プラーク)が溜まりやすくなり、虫歯や歯周病の原因となります。歯垢は細菌の温床であり、これが口腔内に長時間残ると、酸が生成されて歯を溶かします。特に、歯ブラシが届きにくい歯と歯の間や奥歯の隙間に歯垢がたまりやすいです。

歯みがきの際には、歯と歯ぐきの境目を意識して、軽い力で磨くことが大切です。また、歯ブラシだけでは完全に取り除けない歯垢もあるため、フロスや歯間ブラシを併用することをおすすめします。

 

③唾液の分泌が少ない

唾液は口腔内の健康を保つために非常に重要です。唾液には、口腔内の酸を中和する役割や、食べ物の残りカスを洗い流す作用があります。唾液の分泌が少ないと、口腔内が乾燥し、むし歯や口臭のリスクが高まります。

唾液の分泌を促進するためには、よくかんで食事をすることが効果的です。食事をすると唾液の分泌が自然に促されます。また、水分をしっかり摂ることや、シュガーレスのガムをかむことも唾液の分泌を助ける方法です。

 

④歯並びが悪い

歯並びが悪いと、歯の間に食べ物が詰まりやすくなり、歯みがきが難しくなります。特に、歯が重なっていたり、隙間が不規則な場合は、歯ブラシが届きにくく、歯垢が溜まりやすいです。その結果、むし歯や歯周病のリスクが高まります。

歯並びが気になる場合は、矯正治療を検討することも一つの方法です。矯正治療によって、歯の位置が整い、むし歯や歯周病のリスクが低くなる場合があります。

 

【虫歯になりやすい部位】

①歯と歯の間

歯と歯の間は、歯ブラシが届きにくく、食べ物のカスが溜まりやすい場所です。この部位は、むし歯が発生しやすく、初期の段階では痛みを感じにくいため、気づかないうちに進行することがあります。定期的にフロスや歯間ブラシを使って、歯と歯の間をしっかりと清掃することが重要です。

フロスを使う際は、優しく歯と歯の間に挿入し、前後に動かして汚れを取り除きます。歯間ブラシも効果的ですが、サイズが合わないと歯肉を傷つける可能性があるため、適切なサイズを選ぶことが大切です。

 

②奥歯の溝

奥歯の咬合面(噛む面)には深い溝があり、ここに食べ物が詰まりやすく、むし歯ができやすいです。特に、乳歯や永久歯が生えたばかりの時期は、溝が深く、歯ブラシだけでは十分に清掃できないことがあります。

予防策としては、歯科医院でのフッ素塗布やシーラント処置を検討することが有効です。シーラントは、奥歯の溝に薄い樹脂を塗布することで、虫歯の原因となる食べ物のカスがたまりにくくします。

 

③歯の根元

歯の根元部分は、歯茎が下がることで露出しやすくなります。ここが露出すると、むし歯や知覚過敏が起こりやすくなります。根元が露出する原因としては、歯周病や過度のブラッシングがあげられます。

根元が露出している場合、ブラッシング時には優しくみがくことが重要です。また、デンタルケア製品には、知覚過敏用の歯磨き粉や、歯の根元を保護する成分が含まれているものもありますので、適切な製品を選ぶことが大切です。

【むし歯の予防方法】

①正しい歯みがき習慣

むし歯予防には、毎日の歯みがきが欠かせません。歯ブラシは柔らかめのものを選び、歯と歯茎の境目を意識して丁寧にみがきます。一般的には、1回の歯みがきにつき2分以上かけることが推奨されます。歯磨き粉にはフッ素が含まれているものを選ぶと、エナメル質の強化が期待できます。

歯みがきの順番としては、まず奥歯から始め、前歯に移ると良いでしょう。奥歯は特に汚れがたまりやすい部分なので、丁寧にみがくことが重要です。また、歯みがきだけでなく、舌の清掃も忘れずに行いましょう。舌にたまる細菌も口臭の原因になります。

 

②定期的な歯科検診

定期的な歯科検診は、むし歯や歯周病の早期発見に役立ちます。通常、3~6ヶ月ごとに歯科医院を訪れることが推奨されます。検診では、歯科医師が口腔内を詳しくチェックし、問題がないか確認します。また、プロフェッショナルなクリーニングも行われ、歯垢や歯石が取り除かれます。

検診を受けることで、自分では気づかなかった小さなむし歯や歯の問題も早期に発見され、適切な治療やアドバイスが受けられます。定期的な検診を受けることで、長期的に口腔の健康を維持することができます。

 

③食生活の見直し

むし歯予防には、食生活の見直しが重要です。糖分の多い食べ物や飲み物は、むし歯のリスクを高めるため、控えめにしましょう。特に、砂糖が多く含まれるお菓子やジュースを頻繁に摂取することは、むし歯の原因となります。

バランスの取れた食事を心がけることも大切です。食物繊維が豊富な野菜やフルーツを摂取することで、口腔内の健康をサポートできます。また、食後に水を飲むことで、口腔内の酸を中和し、虫歯のリスクを減らすことができます。

 

④唾液の分泌を促す方法

唾液の分泌を促進するためには、よくかんで食事をすることが効果的です。食事をしっかりかむことで唾液の分泌が促され、口腔内の自浄作用が高まります。さらに、シュガーレスのガムをかむことで唾液の分泌を促進することができます。

唾液の分泌が少ないと感じる場合は、口腔内を乾燥させないように水分をしっかり摂ることも大切です。特に、口の乾燥を感じる場合は、こまめに水を飲むように心がけましょう。また、口腔内の乾燥を改善するための製品も市販されていますので、適宜使用するのも良いでしょう。

【OCEAN歯科からのメッセージ】

むし歯は、誰にでも起こりうる口腔の問題ですが、日々のケアと予防をしっかりと行うことで、そのリスクを大きく減らすことができます。自分の生活習慣や口腔内の状態に合わせた予防方法を取り入れ、健康な歯を維持していきましょう。定期的な検診と適切なケアが、長期的な口腔の健康を保つ鍵となります。今日から実践して、むし歯のリスクを減らしていきましょう。

歯ブラシは電動ブラシ?手用歯ブラシ?

2025年5月20日

みなさんは普段、どのような歯ブラシを使用していますか?

最近では、電動歯ブラシの種類が増え、手軽に購入できるようになってきました。手でみがく歯ブラシも根強い人気を誇っていますが、どちらを選ぶか迷う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「普通の歯ブラシ」と「電動歯ブラシ」の特徴、利点・欠点を詳しく解説していきます。みなさんにとっての最適な選択を考えてみましょう。

 

【歯ブラシと電動歯ブラシの基本的な違い】

まず、電動歯ブラシには主に「音波歯ブラシ」、「超音波歯ブラシ」、「電動歯ブラシ(高速回転タイプ)」の三つの種類があります。それぞれの特徴を理解することで、自分に合ったブラシを選ぶ手助けになるでしょう。

①音波歯ブラシ

音波歯ブラシは、1分間に約2万~4万回の振動を生み出します。この振動によって、歯の表面だけでなく、歯と歯の間や歯周ポケットの細かな汚れを効果的に除去できます。音波振動が唾液を動かすことで、より洗浄効果を高める役割も果たしています。このため、口腔内の細菌を減少させ、虫歯や歯周病のリスクを低下させることが期待できます。

②超音波歯ブラシ

超音波歯ブラシは、その名の通り、1分間に120万回以上の振動を発生させます。この強力な振動は、プラーク(歯垢)を浮かせ、洗い流す効果があります。特に、歯周病予防に効果的とされており、細かい振動が歯ぐきにも優しいのが特徴です。また、超音波の力で血行を促進し、歯ぐきの健康を保つ効果もあると言われています。

③電動歯ブラシ(高速回転タイプ)

このタイプの電動歯ブラシは、1分間に約3000~7000回の回転運動を行います。振動は少ないですが、ブラシヘッドが高速で動くことで、物理的に汚れをかき出す効果があります。手動よりも短時間で効果的にみがけるため、忙しい方には特に適しています。

 

【電動歯ブラシのメリット】

①清掃効率が良い

電動歯ブラシは、手動のブラシと比べて圧倒的に清掃効率が高いです。特に、忙しい朝や疲れた夜には、短時間でしっかりとみがけるのが大きな魅力です。電動の力で、難しい角度や歯の隙間もしっかりと掃除できます。さらに、特に歯間や歯周ポケットに潜むバイ菌を効果的に除去することが可能です。

②誰でも簡単に使える

電動歯ブラシは、自動的に振動や回転を行ってくれるため、正しく歯に当てるだけで効果的にみがくことができます。特に、力の弱い子供や高齢者でも簡単に使用できるため、家族全員で使うことができるのは大きな利点です。さらに、最近のモデルはタイマー機能が付いているものも多く、適切なブラッシング時間を教えてくれるので、みがき残しを減らせます。

③疲れない

手動でみがく場合、腕に負担がかかることがありますが、電動歯ブラシはブラシヘッドを歯に当てるだけでよいので、腕の疲れを軽減できます。特に、長時間の使用でも楽にみがけるのがポイントです。特に忙しい日々の中で、短時間で効果的に口腔ケアを行いたい方にはぴったりです。

 

【 電動歯ブラシのデメリット】

①比較的高価である

電動歯ブラシは、価格が数千円から数万円と、手用歯ブラシに比べると高価です。

また、交換用のブラシヘッドも必要で、長期的にはコストがかかることがあります。購入時には初期投資がかかるため、継続的な費用も考慮する必要があります。

②電力が必要

電動歯ブラシは、充電式や乾電池式が主流です。

電池切れや充電が切れると使用できなくなるため、定期的な管理が必要です。また、旅行などに持って行く際には充電を忘れないように注意が必要です。携帯性を考慮すると、電動歯ブラシの選択肢には注意が必要です。

③歯や歯ぐきを傷付ける可能性

電動歯ブラシは、力を入れすぎたり、合わないブラシを使用したりすると、歯や歯ぐきを傷つける可能性があります。特に、パワーの強い電動歯ブラシを使用する場合は、力加減に注意が必要です。正しい使い方をしないと、逆に口腔内の健康を損なうリスクがあることを覚えておきましょう。

 

【手用歯ブラシのメリット】

①簡単に手に入る

手用の歯ブラシは、コンビニやスーパー、薬局などで手軽に購入できます。

急に必要になった時でもすぐに手に入るのは大きな利点です。特に、外出先で急に歯ブラシが必要になった際には重宝します。

②コストが安い

手用歯ブラシは数百円から購入でき、非常に経済的です。

交換時期も明確で、理想的には1ヶ月に1回の交換が推奨されています。特に、衛生面を考えると、定期的な交換は重要です。安価であるため、手軽に交換できるのも魅力です。

③様々な種類がある

手用歯ブラシは、毛先の形状や硬さ、デザインが多様です。自分の口腔内の状態や好みに合わせて選ぶことができるため、選択肢が広がります。また、乳幼児用や学童用、歯周病対策用など、用途に応じたものがそろっています。たとえば、敏感な歯ぐきの方には柔らかい毛先のブラシが適しています。

 

【手用歯ブラシのデメリット】

①みがくのに時間がかかる

手動でみがくため、電動歯ブラシに比べるとみがききるまでに時間がかかります。

特に、しっかりとみがこうとすると、数分以上かかる場合もあります。忙しい朝には少し不便かもしれませんが、じっくりみがくことで効果的に口腔内をケアできる点もあります。

 

 

【どちらを選ぶべき?】

結局のところ、電動歯ブラシと手用歯ブラシのどちらが良いかは、使う人や状況によって異なります。年齢、口腔内の健康状態、使用目的、個々の好みなどに応じて選択することが重要です。たとえば、高齢の方は力が弱いため電動歯ブラシが便利ですし、経済的な理由や手軽さを求める方には手用歯ブラシが適しているかもしれません。

また、いずれのブラシを使用する場合でも、正しい使い方をすることが大切です。どちらも効果的にみがくための技術を身につけることが、口腔内の健康を保つ鍵となります。適切なブラシを選び、口腔内を清潔に保っていきましょう。もしもどの歯ブラシを使用したらいいか悩んでいる方はお気軽にご相談ください。

歯ぐきにニキビができちゃった?

2025年5月10日

歯ぐきに何か「できもの」ができたことはないでしょうか?

ニキビのようなもので、最初は口内炎かな?とか気のせいかな?と思っていても、プクッと膨らんでいるのに気づくはずです。

これは「フィステル」というもので、歯ぐきにできてしまったできもののことです。

今回は、このフィステルについて、できてしまう原因から治療法に至るまでをご説明していきます。

 

【フィステルって何?】

フィステルとは、歯ぐきにできるできもので、日本語で「瘻孔(ろうこう)」と訳せるものです。内歯瘻(ないしろう)やサイナストラクトと呼ばれることもある症状です。見た目は、お顔にできるニキビに似ていますが、その中身は全く異なります。一般的なニキビと同様に、黄色く見えるかもしれません。それは膿(うみ)がたまっているからです。

その膿がどこから発生したかということが一番の問題です。

【口内炎とは違うの?】

結論から言うと、口内炎とフィステルは全く違うものです。

その原因から具体的な症状に至るまで、さまざまな違いが見られます。

フィステルの原因は、主に歯や歯ぐきの中に存在していますが、口内炎の多くは、歯ぐきの表面に細菌感染が生じたものです。鋭い食べ物や歯ブラシで歯ぐきを傷つけたり、入れ歯のパーツなどで歯ぐきを傷つけることによって口内炎ができます。

そのため、口内炎では強い痛みが生じやすくなっていますが、だんだんと傷が治っていくとそうした症状も消えていきます。もちろん、口内炎の原因となる入れ歯や矯正装置による物理的な刺激が原因となっている場合は、それらを適切に調整することが必要です。

口内炎が再発し続けないように、正しい調整をしていかなければなりません。

 

【フィステルの原因】

フィステルが歯ぐきにできる原因はさまざまなものがあります。

歯ぐきにできたできものは、あくまで膿の排出場所でしかありません。元をたどると、必ず感染源となるものが存在しています。

以下に、主な原因を詳しく説明していきます。

 

①虫歯が進行してしまった

虫歯が進行するとどうなるでしょう。小さかった虫歯がどんどん大きくなって、歯の神経まで感染が広がり、歯の根っこの中にも汚染が進みます。その状態を放置していると、歯の根っこの中部の細菌や汚れが歯の根の先に漏れ出て、膿のかたまりを形成します。専門的には根尖性歯周炎と言いますが、フィステルはその症状の一部と考えられます。

 

②歯の根っこが折れてしまった(歯根破折)

なんらかの原因で歯の根っこが折れてしまった場合もフィステルができることがあります。

外傷を受けたり、歯ぎしりによる力によっても歯の根っこが割れることがあり、フィステルの原因となることがあります。

歯の根の割れた部分で細菌感染が起こり、その影響が歯ぐきにまで広がるのです。

 

③根管の中が再び感染してしまった

過去に歯の根の治療(神経の治療)を行った歯が再び感染してしまうことによって、フィステルが形成されることがあります。

 

④歯を打撲した(転んで打った)

スポーツなどをしている時や転んで歯を強打した際、その場では特に症状がなくても、後にフィステルが形成されることがあります。これは歯を打った際の強い衝撃によって、歯の神経に炎症が生じた結果です。

「歯が折れたり欠けたりせずに良かった」と安心しているかもしれませんが、見た目には何の損傷も受けていないのにも関わらず、神経と血管で構成されている歯髄(しずい)には炎症が起こ流のです。何もせずそのまま放置することで、細菌感染が生じるケースもあります。

そうなると、むし歯を重症化させた時と同じように、フィステルが歯ぐきに形成されます。

 

【フィステルを放置するとどうなるの?】

フィステルは歯ぐきのできものもありますが、それと同時に、瘻孔と呼ばれる穴でもあります。

ですので、たまった膿は気づかなくても定期的に排出されています。

そのため、一時的に症状が自然と改善したからといって安心して何もせず放置していると、症状がどんどん悪化していきます。根本的な原因が解決していないからですね。

フィステルの原因は、上でご説明しましたように膿が排泄されている部分ではありません。ほとんどが感染した根管やその周囲の炎症によるものです。

根本的な原因を取り除かずに、大丈夫だろうとフィステルを放置すると、痛みや腫れといった症状が強くなるだけでなく、最悪の場合は原因となっている歯の抜歯をしなければならないケースも少なくはありません。

一見良くなったからと安心は禁物です。

フィステルができたら、すぐに歯科医院でチェックしてもらうのをおすすめします。

 

【フィステルを治療するには?】

フィステルの治療は、その原因に応じて異なります。

以下に、一般的な治療法をご紹介していきます。

 

①歯の根っこの治療(根管治療)

むし歯が歯の神経にまで達した場合や、一度神経の治療をした歯などに行う治療方法です。

根管治療をしっかりと行うことで、歯ぐきの腫れや炎症、フィステルの症状を改善したり予防することが可能になります。歯の根の中の感染部位の清掃をして、神経の代わりとなる薬を詰めて終了となります。この治療法は、歯の保存と痛みの軽減に非常に効果的な方法です。歯の根の治療を行った後は土台を作って被せ物をつけていきます。

②歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)

歯の頭(上)ではなく、根っこの方(下)からアプローチして、フィステルの原因となっている細菌や汚染物質を取り除く治療法です。歯の頭の方からアプローチする根管治療が行えない、あるいは根管治療による効果が認められない場合に限って行います。上記の治療がうまくいかなかったり、根っこが治療しにくい形をしているときなどに用いる方法です。

麻酔をして歯ぐきをメスで切開して、歯の根っこの先端と膿の塊を外科的に摘出する処置となるので、通常の歯の根っこの処置とイメージは異なります。

 

③ヘミセクション

ヘミセクションとは、下顎の奥歯のような根っこが2本ある歯の片方だけを外科的に切除する方法です。根の治療でも治癒する傾向が見られないことが条件です。歯の根だけでなく、歯冠(歯の頭の部分)も半分、取り除くことになります。歯を丸ごと抜くのではなく、感染源となっている歯根側だけ切除するので、奥歯としての機能をある程度は残すことができます。

 

③抜歯

①~③の治療が難しい場合や歯の根っこが折れてしまっている場合、その歯を残すと症状がさらに悪化してしまう場合など、どうしても歯が残せない理由がある場合に行います。

歯を抜くのに抵抗がある方もいらっしゃるとは思いますが、周りの歯や口の中の健康を守るためには必要な処置となります。放置することでますます状態は悪化しますので、早めに決断するのをおすすめします。

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

フィステルは歯ぐきにできるできものですが、お肌にできるニキビのようには治療することはできません。フィステルの原因となっている感染源をしっかり取り除くことによって治ります。単に「歯ぐきのニキビ」という感覚で軽視していると、歯を失うことになるだけでなく、感染がさらに広範囲に広がるリスクも生じるため、十分にご注意ください。

歯にいいおやつとそのルール

2025年4月18日

子どものむし歯は、その子の将来にわたっての歯の健康に大きな影響を与えるものです。「乳歯だから抜けてしまうからいいや」ではなく、いかにしてむし歯予防をするかに焦点を当てて考えていくことが重要です。

特に乳幼児期は、食事やおやつの選び方が歯の健康に直結します。ここでは、むし歯を予防するためのおやつの選び方と与え方について詳しくご紹介します。

 

【むし歯の原因】

むし歯は、口内に存在するむし歯菌が糖分を分解して酸を作り出し、その酸が歯を溶かすことで発生します。特に甘いおやつや飲料はむし歯菌のエサとなりやすいため、糖分の摂取を控えることが重要です。

 

【むし歯になりにくいおやつの選び方】

①甘味飲料を避ける

ジュースやスポーツドリンクなどは砂糖が多く含まれており、むし歯のリスクを高めます。習慣化して与えていると子どもは甘い飲み物ばかりを欲する様になり、むし歯のリスクがどんどん高くなってしまいます。甘い飲み物の代わりに、水や無糖のお茶を選びましょう。

②野菜やチーズ、小魚

野菜スティックやチーズは、糖分が少なく歯に優しいおやつです。

ふかしいもなどもいいですね。小魚などもカルシウムも含まれていておすすめです。

③果物

果糖を含むものの、ビタミンや食物繊維が豊富な果物は適度に取り入れると良いです。ただし、ドライフルーツは粘着性が高く歯に付着しやすいため控えめにしましょう。

④ナッツ

ナッツ類は糖分が少なく、良い栄養素も含まれています。ただし与える際は、子どもがかみ砕けるかどうか、ナッツのサイズなどにもに注意が必要です。

 

【おやつの与え方のポイント】

時間と量を決め、空腹になったらあげることが重要です。

むし歯を予防するうえで、おやつの与え方は非常に重要です。おやつの時間を毎日一定に保つと良いでしょう。適量を与え、おやつだけでお腹いっぱいになって食事を満足にとれなくなってしまわないよう、与える量には気をつけましょう。

おやつの量が多すぎて、肝心の食事が十分に取れなくなってしまっては本末転倒です。

3歳までは1日2回、3歳をすぎた後は1日1回が回数の目安になります。
だらだらと食べさせ続けるのは絶対にやめましょう。

お菓子が常に口の中にあることで、口内の酸性状態が続き、酸が歯を溶かしてむし歯を進行させてしまいます。お子さんが空腹になったタイミングでおやつをあげるのがポイントです。

 

【食後のケア】

おやつの後には、口の中を清潔に保つためのケアが欠かせません。

①うがい

おやつの後に水でうがいをすることで、口内の糖分を洗い流すことができます。

②歯みがき

特に就寝前には、丁寧に歯を磨き、むし歯予防を徹底しましょう。歯ブラシにフッ素入りの歯磨き粉を使うと、さらに効果的です。

基本的にはおやつを食べた後は、うがい・歯磨きをすることがむし歯予防に効果的です。外出中で歯みがきが難しい場合は、うがいだけでも多少効果が期待できる場合があります。

子どものうちにむし歯になりにくいおやつの習慣を身につけることで、将来にわたって健康な歯を保つことに繋がります。

 

【保護者の役割】

子どものむし歯予防には、保護者の協力が欠かせません。子どもが自分の好き勝手に好きなだけおやつを食べていたら、全身の健康にも歯の健康にも大きな害を及ぼします。

保護者の方が子どものおやつ選びと与え方をしっかり管理することで、むし歯リスクを大幅に減らすことができます。

むし歯の原因や予防方法について正しい知識を持ち、それを子どもに示していきましょう。また、家族全員でおやつの習慣を見直していくことも重要です。おやつの与え方について、家族の中で統一した考え方を持っていないと「この前はこう言われたのに、今回は違う」など、子どももどうしていいか分からずにパニックになってしまいます。ご家族の中でよく話し合い、ルールをどうしていくかを決めていくことも大切なことです。

 

【定期検診の重要性】

むし歯予防には、定期的な歯科検診も重要です。かかりつけの歯科医での定期検診を受けることで、むし歯の早期発見と予防が可能になります。

ご家庭の中ではおやつの選び方や与え方、量に関しての管理ができていても、お友達の家に遊びにいったり、イレギュラーな場面に遭遇することも少なくありません。すぐに歯みがきができる状況でないことも多いでしょう。おやつを食べさせなかったり、気にしすぎたりと神経質にならずに歯科医院での定期検診を受け、歯の状態をチェックしていきましょう。

また、定期検診の際には、フッ素塗布を受けることも効果的です。フッ素は歯の再石灰化を促進し、むし歯の進行を防ぎます。

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

子どものむし歯予防には、適切なおやつの選び方と与え方が非常に重要です。砂糖を含むおやつを減らし、適切な量と時間を守ること、そして食後のケアを徹底することで、むし歯のリスクを大幅に減らすことができます。さらに、定期的な歯科検診を受けることで、むし歯の早期発見と予防が可能になります。子どもの歯の健康を守るために、日々の生活習慣を見直し、適切なケアを心がけましょう。

歯の破折とは?原因と対策を知って健康な歯を保つ

2025年3月7日

みなさんは「歯の破折」についてご存知でしょうか?これは、文字通り歯が割れたり亀裂が入ることを意味します。歯の破折には大きく分けて「歯冠破折」と「歯根破折」の2種類があります。今回は、それぞれの破折について詳しく説明し、その原因や対策についても解説していきます。

 

【歯冠破折とは?】

まず、歯冠破折について説明しましょう。歯冠とは、歯の頭の部分、つまり口の中で見える部分のことを指します。歯冠破折は、硬い物をかんだ時や強い衝撃を受けた時に、この歯冠部分が欠けたり割れたりすることを意味します。

 

①歯冠破折の原因

歯冠破折の主な原因は、硬い食べ物をかんだ時や強い外力が加わった時です。例えば、ナッツや氷、キャンディなどの食べ物をかんだ時に歯が欠けることがあります。また、スポーツや事故で顔に衝撃を受けた場合にも歯冠破折が起こることがあります。

さらに、むし歯や歯の治療によって歯の構造が弱くなっている場合も、歯冠破折のリスクが高まります。特に、詰め物や被せ物が大きい場合、その周りの歯質が薄くなっているため、破折しやすくなります。

 

②歯冠破折の症状

歯冠破折が起こると、欠けた部分が尖っていたり、触ると痛みを感じることがあります。また、破折が深く進行すると、歯の神経にまで影響を及ぼし、強い痛みを伴うことがあります。この場合、歯の根っこの治療が必要となることがあります。

 

③歯冠破折の治療方法

歯冠破折の治療は、破折の程度によって異なります。小さな欠けであれば、詰め物や被せ物で修復することが可能です。しかし、破折が大きく神経に達している場合は、歯の根っこの治療を行った後にクラウン(被せ物)を装着することになります。

【歯根破折とは?】

次に、歯根破折について説明します。歯根とは、歯の根っこの部分で、骨の中に埋まっている部分を指します。歯根破折は、この歯根部分に縦の亀裂が入る、または割れることを意味します。

 

①歯根破折の原因

歯根破折の主な原因は、過度な力が歯に加わることです。

以下のような状況が考えられます。

・かみ合わせの状態が不均等である: 歯並びが悪く、一部の歯に過剰な負担がかかる場合

・歯ぎしりや食いしばりがある: 無意識に力強くかみしめる癖がある場合

・歯にメタルコアやポストが入っている: 歯を治療した時に金属の土台が大きく深く入っており、歯質が薄くなっている場合

・神経を取っている歯や加齢による劣化、むし歯などで歯が弱っている場合

・ブリッジ治療をしていて歯に負担がある: 3本の歯を2本で補っている場合、土台となる歯が耐えきれなくなることがあります。

・欠損歯の放置(歯がなくなったまま放置している): 欠損した歯を長期間放置していると、残った歯に過度な負担がかかります。

 

②歯根破折の症状

歯根破折が起こると、初期には症状が現れないことも多いですが、次第に以下のような症状が現れます。

・歯の動揺

・歯が浮いたような感じ

・かむと痛みがある

・歯ぐきの腫れがあったり、膿が出る

放置すると、破折部分から細菌が入り込み、根の先で膿を溜め始めます。膿が溜まると、強い痛みを感じるようになり、骨を溶かしてしまうこともあります。上顎の場合、膿が上顎洞まで到達し、蓄膿症のような症状や顔の腫れを引き起こすこともあります。

 

③歯根破折の治療方法

歯根破折が発生した場合、抜歯を余儀なくされることも多いです。もしも抜歯になった場合は、次のような方法で治療が行われます。

・インプラント:抜歯した箇所に人工の歯根を埋め込み、歯を再建する方法です。インプラントは天然の歯に近い見た目と機能を持ち、長期間使用できます。

・ブリッジ: 両隣の歯を土台にして、欠損部分を補う方法です。ブリッジは短期間で治療が完了しますが、隣接する健康な歯を削る必要があります。

・部分入れ歯: 欠損部分を補うための入れ歯を作る方法です。部分入れ歯は取り外しが可能で、清掃がしやすいですが、慣れるまでに時間がかかることがあります。

・親知らずを移植する: 親知らずを欠損部分に移植する方法です。親知らずが適切な位置にあり、健康である場合に限られます。

 

④歯根破折を予防する方法

歯根破折を防ぐためには、以下の方法があります。

・マウスピースの使用: 歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、就寝時にマウスピースを使用して歯にかかる負担を軽減します。マウスピースは、歯科医院で自分に合ったものを作ることができます。

・歯列矯正:不正咬合によって一部の歯に過度な負担がかかっている場合、歯列矯正を行うことで均等にかむことができ、破折のリスクを減少させます。歯列矯正は見た目の改善だけでなく、かみ合わせの改善にも役立ちます。

・定期検診::定期的に歯科医院でチェックを受け、過度な力がかかっている部分がないかを確認してもらいましょう。早期発見と適切な処置が、歯の健康を保つためには非常に重要です。

【OCEAN歯科からのメッセージ】

歯の破折は、痛みや治療の手間を伴う厄介な問題ですが、適切なケアと予防策を講じることで、リスクを大幅に軽減することができます。硬い食べ物を避ける、歯ぎしりや食いしばりの癖を治す、定期的に歯科検診を受けるなど、日常生活でできることから始めましょう。

歯科医院での定期検診を怠らず、健康な歯を維持するために日常のケアを心がけることで、歯の破折を予防し、快適な生活を送ることができます。歯の健康は全身の健康にも大きく影響しますので、しっかりとケアしていきましょう。

親知らずの生え方とお手入れ方法

2025年2月8日

永久歯の一番奥に生えてくる歯「親知らず」。

生えてきた場合は、抜く方も多くいらっしゃいます。しかし、必ずしも抜かないといけないわけではありません。

一般的に17~21歳頃に生えてきますが、個人差があり、生えてこない人もいます。また、生え方によっては、お口のトラブルの原因になることが多い歯であるため抜くことも多いのです。生え方によっては抜かなくてもいいこともあります。

今回は親知らずの生え方と生え方による抜歯の必要性、お手入れの方法と注意点についてもご説明していきます。

 

 

【親知らずの生え方】

親知らずは第三大臼歯とも呼ばれる歯であり、 前から数えて8番目の歯です。

親の手を離れた頃、物ごとの分別がつくようになった頃に生えてくることから「親知らず」や「智歯(ちし)」と呼ばれます。

 

①正常な生え方

親知らずが7番目までの歯のように真っ直ぐに問題なく生えてきた場合、とくにトラブルがない限り抜歯の必要はありません。歯みがきをしてきれいに保ちましょう。

 

②傾斜して生えている、水平に生えている

親知らずが生えるスペースが不足していると、真っ直ぐに生えることができずに斜めや横向きに生えてきてしまいます。そうすると、前にある第二大臼歯を圧迫するようなかたちになります。

その場合、きちんと生えるスペースがないことで歯ブラシなどでも汚れをうまくとることが難しくなります。つまし、歯みがきが困難になり、親知らずだけでなく隣の歯にもむし歯が発生しやすくなります。
このような場合は、抜歯になる可能性が高くなります。

 

③顎の中で水平に生えている

専門的には「水平埋伏」という状態です。

顎の中で横向きになったまま生えてこないので、ご本人は気づくことができず、レントゲン写真などで確認することができます。顎の中にあるので問題はないだろうと思われるかもしれませんが、隣の歯の根を刺激して、歯の根やまわりの骨を溶かしてしまうことがあります。
このような場合は抜歯になる可能性が高くなります。

 

【親知らずを丁寧にお手入れしないといけない理由】

親知らずはきちんと生えるスペースがあり、問題なく生えてくればいいのですが、多くの場合は斜めに傾斜して生えてきたり水平に生えてきたりすることでトラブルが起こりやすくなります。ただでさえ一番奥に生えるため、歯ブラシの毛先が届きにいのでお手入れが難しいのですが、それに加えて斜めに生えたりしているときれいにプラーク(歯垢)を除去することはかなり難しいといえます。そのため、むし歯や歯周病のリスクが非常に高くなります。

また、斜めに生えてきた場合、歯と歯ぐきの間にすき間ができます。ここにプラークや食べかすがたまると歯肉に炎症が起こり、腫れや痛みが生じます。このような状態を「智歯周囲炎」といいます。炎症がひどくなるとほっぺたが腫れて口が開けにくくなったり、飲み込むときに痛みをともなったりします。

 

【親知らずはどうやってお手入れするの?】

親知らずをみがくときは、通常使用している歯ブラシの他にやタフトブラシなどの細かいところまでみがくことができる器具をしようするのがおすすめです。毛先をしっかりと親知らずに当てることを意識してみがくといいでしょう。

 

①歯ブラシでのお手入れ

親知らずを歯ブラシでみがくときは、7番目までの歯と同じようにしてもきちんとブラシが当たらないことがあります。そのため、歯ブラシを斜め横から入れ、親知らずに毛先をきちんと当てるようにしていきましょう。そのときに大きな口を開けてしまうとほっぺたが引っ張られるため歯ブラシが入れにくいことがあります。

横から歯ブラシを入れるときは、小さめに口を開けて斜め横から歯ブラシを当てるようにましょう。
また、歯ブラシを大きく動かすのではなく小さく小刻みに動かしてしっかり汚れをとりましょう。親知らずをみがくことを意識していると、その手前の歯の後ろ側をみがき残しがちです。忘れずにしっかりみがきましょう。

 

②タフトブラシでのお手入れ

上記のように歯ブラシでみがいていても十分にみがききれない場合は、タフトブラシを使うとよいでしょう。タフトブラシは鉛筆のように持つこと(ペングリップ)で操作がしやすくなります。

鏡を見ながらタフトブラシの毛先を親知らずに当て、軽い力で小刻みに動かしてみがきましょう。

みがけているかのご自分でのチェックポイントとしては、歯ブラシでみがいた後にみがき残しがないかを鏡で確認したり、舌で親知らずを触った感触がザラザラとしていないかなどでチェックしていくのがいいでしょう。
頑張ってみがくあまり、歯ぐきを傷付けたりしないように力の入れすぎやブラシの動かし方はに気をつけましょう。タフトブラシのより詳しい使用法などを知りたい場合は、歯科医院のスタッフにご相談ください。

 

③毎日のお手入れを欠かさない

親知らずは生え方によってブラッシングの難易度がとても高くなります。

正常に生えている場合も斜めや横向きに生えている場合も、注意深く毎日丁寧なお手入れが欠かせません。

特に、隣の歯を圧迫しているような生え方をしている場合は、現時点で何も問題がなくても、近い将来に歯ぐきに炎症が起きたり、むし歯になったりとトラブルが起こることもあります。
汚れが残らないよう丁寧にみがくことで、トラブルを防いでいきましょう。

 

【親知らずが痛くなったときはどうすればいい?】

毎日丁寧なお手入れをしていても、親知らずが腫れて痛みが起こることもあります。そのようなときは、我慢せずになるべく早めに歯科医院を受診しましょう。

炎症で腫れている部分の周囲を洗浄してきれいにしたり、腫れや痛みがひどい場合は抗生物質や消炎剤により炎症を抑えていきます。一時的に症状が治っても腫れや痛みが続いたり、周囲の歯や骨に悪影響を与える場合は、抜歯が必要になることもあります。炎症がひどくて腫れや痛みがある場合には抜歯などの積極的な処置をすることはなく、症状がおさまってから行います。

 

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

親知らずは1番奥に生えてくる歯であり、抜歯や治療も他の歯に比べて困難とされます。

日頃のケアも難しいため、ご自分でのお手入れは特に注意して行う必要があります。

まだ親知らずが見えていなくても違和感があったり、ご自分で自覚していなくても生えてきていることもありますので、気になる方は歯科医院でチェックしていきましょう。

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

047-351-2288
  • 診療時間
    10:00~12:30 14:00~19:00
  • 休診日:第2水曜日
OCEAN歯科クリニック URAYASU
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