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歯石には種類がある?隠れた歯石?

2023年12月9日

歯石がついているから気になったり、歯石を取ったらザラザラがなくなってスッキリした経験はあるのではないでしょうか?

では歯の石と書く歯石とは、実際には何かご存知でしょうか?

今回は歯石について、その成分や隠れた歯石についてもご説明していきます。

 

【歯石とは?】

歯石とは、歯についた歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の固まりが、唾液の成分で石灰化を起こして固まったもののことを意味します。ブラッシングでみがき残した歯垢というのは2日ほどで石灰化が始まります。そして、その後、約15日間で歯石に変わってしまうと言われています。

数日みがき残してしまうことで、このような変化が起こるため、毎日きちんとブラッシングすることが重要なのです。

歯垢はやわらかいので、爪などで擦ると取れますが、歯石は歯にこびりついているため、自分でみがいても取ることは難しいです。実際に、目で見えているのに取れないなと感じている方もいるのではないでしょうか?

 

 

【歯石を取るために】

通常、歯石を取るのは歯科医院で行います。

市販でも歯石をとる道具は販売されていますが、よく分からないまま無理に取ろうとすると、歯の表面や歯ぐきを傷つけてしまうため危険です。そのため、必ず歯科医院で取るのをおすすめしています。

 

【見えている歯石と隠れた歯石?】

みなさんが見えている歯石は、白いものがほとんどではないでしょうか?実際に、歯垢かと思ってみがいても取れないのがこの歯石です。

実は、歯石には白いものだけでなく黒いものもあるのです。

自分で鏡などで認識できるのが、歯ぐきの上にできる白い歯石です。専門的には「歯肉縁上(えんじょう)歯石」といいます。

そして、もう1つは歯ぐきの下にできる黒い歯石です。専門的には「歯肉縁下(えんか)歯石」といいます。ほとんど見ることはできませんが、稀に歯周病がかなり進行している方などは、歯ぐきがブヨブヨに腫れて、その部分の歯に黒くて硬いものがついていることがあります。もしかしたらそれは縁下歯石かもしれません。

このように歯石には大きく2種類ありますが、それぞれ詳しく説明していきます。

 

①歯ぐきの上にできる歯石(歯肉縁上歯石)

歯ぐきの上にできる歯石のことを歯肉縁上歯石といいます。ほとんどのものが、目で見て確認ができる歯石です。

この歯石はどのようにできるかというと、だ液とカルシウム成分が結びついて歯垢(プラーク)が石灰化して歯石となって硬くなります。だ液腺のすぐ近くにできやすいのが特徴です。

認識しやすいのは、下の前歯の裏側と上の奥歯の外側ですが、ベロで触ってみるとガサガサしていたり、自分で鏡で見ると付いているとわかるのではないでしょうか。

色は乳白色や黄白色をしています。

その他にも何個か特徴が挙げられます。

・歯肉縁下歯石と比べると量が多い

・比較的、できるのが早い

・歯肉炎の原因となる

・歯肉縁下歯石よりやわらかく、比較的簡単に取り除くことができる

・歯肉縁下歯石に比べて病原性は弱い

歯肉縁上歯石は、歯垢が原因です。そのため、正しいブラッシングをすることによって防ぐことができます。日頃からのブラッシングがきちんとできているかの確認にもなりますね。

 

②歯ぐきの下にできる歯石(歯肉縁下歯石)

歯ぐきの下にできる歯石のことを歯肉縁下歯石といいます。

歯石といえば、白っぽい色をイメージするだった方にとっては驚きかもしれませんが、歯肉縁下歯石は黒っぽい色をしています。歯肉縁下歯石は、歯周ポケットという歯ぐきの内側の深いところや歯の根元にくっついているため、直接見ることはなかなかできません。そのため隠れた歯石と呼ばれることもあります。

では、なぜ歯ぐきの下にある歯石は黒い歯石になってしまうのでしょうか?

歯肉縁下歯石というのは、歯垢に血が混ざることにより作られます。

歯肉縁下歯石が付いている場合は、歯周病がある程度進行している状態です。また、白い歯石でもそのまま放置していると、ザラザラした表面に歯周病菌が繁殖し、歯周病が悪化する可能性もあるので注意が必要です。

他の特徴としては次のものが挙げられます。

・歯肉縁上歯石と比べて作られるスピードが遅い

・歯肉縁上歯石に比べてかなり硬いため、取り除くのが難しい

・歯茎からの出血や歯周ポケット内の歯垢が原因になる

・歯肉縁上歯石に比べて病原性は高い

このように、普段、白い歯石しか知らなかった方からすると、黒い歯石も早く取る必要があることはわかっていただけると思います。

 

 

【歯石を取る方法】

歯科医院で歯石を取り除く際には、特殊な器具を用いて行います。特殊なフックのような形をした器具で、歯と歯のすき間をフックのような器具でカリカリとしたり、電動のシューっと音のなる器具で歯石を取ってたりします。この器具はスケーラーと呼ばれるものです。

スケーラーには2種類あり、ハンドスケーラーと超音波スケーラーとに分かれます。ハンドスケーラーは日用品店などでも見かけたことはあるかもしれません。微調整して動かせるため、狙った細かいところの歯石を取り除くのに便利です。

超音波スケーラーは水を流しながら、キーンと音がしながら歯石を落としていきます。

この2つのスケーラーを使い分けながら、丁寧に歯石を落としていきます。

白い歯肉縁上歯石であれば、スケーラーによって簡単に取り除くことはできますが、歯肉縁下歯石は、通常のクリーニングだと痛みを伴うため、麻酔をして除去をすることがあります。歯周ポケットの検査をして、状態が悪かったり炎症が強いときは麻酔をして歯肉縁下歯石を取り除いていく必要があります。

 

【 OCEAN歯科からのメッセージ】

このように歯石には2種類あります。どちらも定期的なメンテナンスをしていれば、きちんと除去することが可能です。

まずは歯科医院での歯周病の検査をして、歯ぐきの炎症状態や歯石がどれくらい付いているかを確認していくことが必要です。

定期的なクリーニングをしていくことで歯周病の進行を抑え、お口の健康を守っていきましょう。

入れ歯が壊れたときの対処法

2023年12月2日

使用していた入れ歯が壊れてしまった場合、とても困りますよね。

入れ歯は毎日のお食事だけでなく、発音や見た目にも影響を与えます。

今回は、入れ歯が壊れる原因を知り、壊れないためにどうしたらいいか、また壊れてしまった入れ歯はどうしたらいいかまで、対処方法や注意点についてご説明していきます。

 

【入れ歯の壊れ方:3つのタイプ】

入れ歯の壊れ方には、ある程度のタイプがあります。

ここでは、入れ歯の壊れ方に多い、3つのタイプについてご紹介します。

まず1つ目が、入れ歯にヒビが入ってしまった場合です。ヒビの程度にもよりますが、もしかしたらまだしばらくは使えるかもしれません。しかし、使えるからとそのまま放置して使用していると、ある日パックリ割れてしまう可能性があります。

2つ目は、入れ歯の一部が割れてしまう場合です。どの部分が割れてしまうかにもよりますが、この場合はなかなか通常通りの使用は難しいでしょう。3つ目は、入れ歯の「歯の部分」や金属のバネが取れてしまった場合です。この場合も、ガタついたり、かめなかったりと通常の使用はできません。

 

 

【壊れた入れ歯は治る?】

入れ歯の壊れた程度にもよりますが、修理して使用可能になる場合と、新しく作らなければならない場合があります。入れ歯は、患者さん一人ひとりの口の状態に合わせてとても緻密に作成されています。一部分だけが壊れたから、その部分だけ直せば良いのではないかと思われるかもしれませんが、その壊れた一部分によって全体的なバランスが崩れることもあります。ですので、もし入れ歯が壊れた場合は、ご自分でどうにかしようとせず、ぜひすぐにかかりつけの歯科医院やその入れ歯を作った歯科医院を受診されることをおすすめします。

 

【入れ歯が壊れたときに注意すること】

①壊れたまま、入れ歯を使い続けない
入れ歯が壊れたのに気づいたら、すぐに入れ歯を持って歯科医院を受診しましょう。

まだ使えそうだからと使い続けていると、少しの修理で直るはずだったものも作り直さねばならないほどに壊れてしまうことがあります。

入れ歯の作り直しには、時間とお金もかかってしまいます。そのようなことにならないためにも、入れ歯が壊れたことに気づいたら、すぐに使用をやめましょう。

また、壊れた入れ歯を使い続けることで、壊れた部分が口の中のやわらかい粘膜などを傷つけたり、壊れた破片を飲み込んでしまう危険性もあります。そうなってしまうと大変危険ですので、自己判断では絶対に使い続けないでください。

 

②自分で修理をしない

入れ歯が壊れると非常にご不便だと思います。すぐに使えないと困ってしまうことや歯科医院に行く時間が取れなかったりすることもあるかもしれません。

しかし、ご自分で応急処置的に修理してしまうと後々、困ったことになることが大いにあります。

入れ歯はとても精巧につくられていますので、毎日使っていて形が分かっているからと修理しようと試みても、歯科の専門家以外の方が元通りに修復するのはほぼ不可能です。

ご自宅のペンチなどを使い、変形した金具の位置を元に戻そうと調整しても、入れ歯全体のバランスは元通りにならずにかみ合わせなどに悪影響を及ぼすこともあります。最悪の場合は、金具が折れてしまい、再度新しく作成する必要が出てくるかもしれません。

また割れてしまった部分を家庭用の瞬間接着剤でくっつけるのもやめましょう。

ズレた状態でくっついてしまうと、その後に歯科医院で修理するときに大変な手間がかかってしまいます。家庭用接着剤は口に入れても安全なものばかりではないため、健康に害を及ぼすことも考えられます。

歯科用の材料は、口の中に入れても安全なもので作られていますので、ご家庭にある材料で修理を試みるのはやめましょう。

 

③すぐに歯科医院を受診する

壊れた入れ歯の修理や材料の使用は、歯科医院で行うのが1番安全で安心です。

①、②にもあるように、大丈夫だろうと壊れた入れ歯を使い続けたり、修理をしてしまうことで、さらに破損したり、健康上の被害が出る危険性があるので、すぐに歯科医院を受診して適切な処置を受けましょう。

また「壊れたので使えないから」と、入れ歯が口の中に入っていない状態で長く生活していくのは、残された歯や歯並びにとっても良くはありません。残された歯は入れ歯が入っている状態でうまくバランスをとって並んでいます。長期間入れ歯を入れていない状態が続くと、残っている歯が空いたスペースに倒れてきたり、歯が残っているところのみに力がかかったりしてしまいます。

修理した入れ歯がうまく使えるようにするためにも、長期間の入れ歯の放置はやめましょう。

 

【入れ歯の壊れる原因とその予防方法】

①入れ歯を適切な方法でお手入れする
入れ歯を清掃するときは、適切なケア用品の使用をおすすめします。

研磨剤が多く含まれた歯磨剤や、あまりに毛が硬いブラシでゴシゴシ力を入れて磨くと、入れ歯の表面に傷がつきます。それが長い目で見ると、入れ歯がすり減ったり、壊れたりする原因になります。

また、きれいにしようと力が入ったままゴシゴシ清掃すると、その力に負けて入れ歯が壊れてしまうこともあります。入れ歯にはいろんな種類がありますし、それに応じた清掃方法がありますので、作成した歯科医師での清掃の指示に従ってお手入れをしていきましょう。

 

②入れ歯は水の中で保管する

入れ歯にはレジンという歯科用のプラスチックや特殊の樹脂を使用することがあります。これらの材料は、特に乾燥に弱く、長く乾燥状態が続くと、ヒビが入ったり割れたりすることがあります。寝るときなど入れ歯を外したり保管する場合は、必ず水に浸けておくようにしましょう。

 

③定期検診に行く
入れ歯に少しヒビが入っていたり、壊れる前兆に気づくためにも、歯科医院で定期検診を受けるようにしましょう。検診時に、入れ歯にヒビや摩耗がないか、口の中の粘膜に傷がないか、入れ歯がきちんと合っているか、かみ合わせのバランスに異常を来していないか、残っている歯にも問題がないか、などの項目を歯科医師がひとつひとつ確認することができます。

定期的な入れ歯のチェックをすることで、入れ歯も長持ちして、口の中の健康も維持し続けることができます。

 

④歯科医院で伝えられた指示を守る

入れ歯は、硬いおせんべいや、よく歯にくっつくキャラメル、ガムなどを食べることによって壊れてしまうことがあります。
入れ歯はとても精密にできているため、使用方法を正しく守って使用していかないと、口の中を傷つけてしまったり、思わぬ原因で壊れてしまうこともあります。せっかく作った入れ歯を良い状態で長く使い続けるためにも、歯科医院で伝えられた指示はしっかり守りましょう。

【OCEAN歯科からのメッセージ】

入れ歯が壊れたときにご自分で対処せず、すぐに歯科医院で対処する重要性をわかっていただけたでしょうか。

小さな破損の放置や自己修理が、大きな破損へとつながります。

今ご使用の入れ歯を長く使うためにも、歯科医院でのメンテナンスを続けていきましょう。

口や歯をぶつけたら起こること

2023年11月26日

口や歯を傷つけてしまうと、傷つけられた組織の炎症は時間を追うごとに進んでいきます。
ケガをした後に歯科医院に来られた際は、ケガをした場所はどんなところだったのか、どこをぶつけたのか、いつだったのか、などの他に、今どういう状態になっているかについて細かい診査や検査をしていく必要があります。
ケガをしたときからの経過の流れは、子どもが受けたケガの具合やどういった症状が予想されるかや重症度を判断するのにも役立ちますので、しっかりと覚えておきましょう。

 

【ケガしやすい部位】

口や歯をぶつけると、ぶつけた口や歯の周りの組織にも同時に影響が及びます。
最もぶつけやすい部位は上の前歯で、外傷の70パーセント以上を占めています。
もしも転んで前歯を打ったときは、前歯の見えている歯だけでなく、歯の根っこや歯の中の神経、歯の周りの骨まで傷つけられています。具体的には、歯が折れたり、欠けたり、圧迫されて血が通わなくなったりしています。

【歯をぶつけたらどうなるか?】

(1)歯の損傷

①歯の頭の部分(見えている部分)が欠けたり、ヒビが入る
明らかに目で見て分かる変化として、いつも見えている歯が欠けたり、よく見るとヒビが入っている状態です。少し欠けたくらいなら症状はないかもしれませんが、大きく欠けた場合は痛みがで出ることがあります。神経が出るくらいまで欠けた場合は、早急な処置が必要になってきます。
欠けた部分の真ん中くらいにピンク〜赤い部分が見えている場合は神経が露出しているところですので、触らないように気をつけてください。
あまりに大きく欠けたとき以外は、折れたり欠けた部分を歯科材料で覆って、感染やさらに欠けたりするのを防ぎ、もとどおりの色や形を再現していきます。

 

②歯の根っこが折れたり、ヒビが入っている
見た目には分かりませんが、レントゲン写真を撮って確認することができます。
折れているのが確認できた場合は、ズレた歯をもとの位置に戻して、歯と歯をくっつけて歯が揺れないように固定していきます。
しかし、ケガをした直後などは折れた部位が密着していたりすることも多く、発見しにくい場合もあります。また、しばらくして歯が揺れ始めたり、歯の位置がズレ始めてから初めて分かることもあります。
もしも根っこが折れてしまうと、次第にもともとの根っこの長さよりも短くなってきたり、歯が大きく揺れてくるので、ケガをした後も継続して経過をみていく必要があります。

 

③歯の頭の部分と根っこの部分がどっちも欠けたり、折れている
歯の頭と根っこのどちらも損傷している場合があります。
時間とともに痛みと揺れが強まる傾向にあります。
処置としては、②のときと同様に固定をしていきます。

 

(2)歯の周りの組織にまで及ぶ損傷

①脱臼
歯が通常よりも異常に揺れたり、ズレたりしている状態です。
触ったり、かんだりすると痛みが出るので、食事などに支障が出ないようにズレた歯をもとの位置に戻して固定していきます。

 

②陥入
歯がぶつけたりした衝撃で、もともとあった位置よりめりこんだ状態です。
乳歯の場合は、自然にもとの位置まで戻ることが多いのでそのまま経過を見ていくこともあります。しかし、次に生えてくる永久歯に影響が及ぼされている場合は、もとの位置に戻したり、最悪の場合は抜歯することもあります。
もとの位置まで乳歯が出てきた場合も、永久歯の形や位置が異常を示していないか、継続的に見守っていく必要があります。

 

③脱落
歯が埋まっている骨の中から抜け落ちてしまった状態です。
かなりの衝撃を受けているため、歯が埋まっていた骨にも損傷を受けています。
抜け落ちた歯は、牛乳や歯の保存液によって保存されている場合、専用の溶液で十分に洗った後にもとに戻し、固定していきます。

 

④歯の周りの骨が折れている
歯の周りを支えている骨が折れてしまうことがあります。
歯を可能なかぎりもとに戻し、固定していきます。
固定期間は6週間以上と長くかかることがあります。

 

(3)歯の神経の損傷

歯の中には神経が通っていますが、歯をぶつけたときに神経にどのようなことが起きるのかは未だに詳しくは分かっていません。
ですが、歯が折れたりすると折れた部分からばい菌が入り、炎症を起こし次第に神経が死んでしまいます。折れてなくても神経に何らかの影響が出ることがあります。
もし神経が炎症を起こして死んでしまった場合は、腐った神経を取り除かないといけないこともあります。

 

【乳歯と永久歯での損傷の違い】

乳歯では、こけたりすると歯が欠けたり折れたりすることは少なく、歯がグラつく脱臼をよく起こします。
一方で永久歯になると、歯の頭や根っこが欠けたり折れたりすることが多くなります。
特に8歳以降ではその比率が高くなります。
治療方法としては、乳歯も永久歯も診断が同じであれば、ほとんど変わりはありません。

 

【その後によく起きること】

①歯の変色
歯をぶつけると、歯の色が変わってくることがあります。
この変色は治ることもありますが、治らないこともありますので経過を追っていく必要があります。

 

②歯の神経が細くなってくる
歯をぶつけたりすると、歯の神経が入っているスペースがだんだんと細くなっていくことがあります。

 

③歯の神経が死んでしまう
脱臼などで血流が損なわれてしまったり、歯が欠けた部分からばい菌が入って感染を起こしたときは神経が死んでしまうことがあります。
歯の根っこが未完成のときは神経が死んでしまう可能性低いですが、永久歯で歯の根っこが完成する中学生以降では起こりやすくなります。
死んでしまった神経を放置したままだと、歯の根っこや歯の周りの骨に炎症が及び、溶かしてしまう危険性がありますので、早めに見つけて処置する必要があります。
子どもの歯の場合は、歯のグラつきなどが治った後も、継続的に状態をみていき、慎重な判断が必要です。

 

④歯の根っこが溶けてしまう
歯にうけた衝撃によって、歯の根っこが溶けて失われてしまうことがあります。
歯のグラつきなどの症状がなくなった後に、徐々に進行していきますので、継続的にみていく必要があります。

 

【家庭で気をつけられること】

口と歯のケガは幼児と小学生に多く起こります。
小学生は遊んでいるときに転んだりぶつかったりすることも多く、なかなか事前に防ぐことは難しいこともあります。しかし幼児の時期は家で過ごすことも多いので、家庭で気をつけられることもあります。

 

①生後半年以内
ベッドやソファーからの転落に気をつけましょう。
転落する危険性のあるところには寝かせないようにすることが基本です。
また硬いものや鋭いものも手の届かないところに置いておきましょう。

 

②ハイハイする時期
手も足も動かして発育にとっても大事な時期です。
しかし自由に自分で動き回れるので、ちょっと目を離した隙に階段や椅子から転げ落ちる可能性もあります。
階段に柵を設けたり、机などの角にぶつけても大丈夫なようにクッションとなるものを巻いたりする工夫が必要です。

 

③1歳を過ぎたら
いろんなところに手を伸ばしたり引っ張ったりすることもできるようになるので、引き出しや戸にぶつけてケガをすることも増えてきます。
低い目線で危険なものがないかを確認し、引っ張ったりできないようにしていきましょう。
また風呂場での転倒にも気をつけましょう。

 

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】
口や歯をぶつけたと言っても、その後に起きてくる症状はさまざまです。
見た目には大丈夫だと思っても、目で見えない部分がどういう状態になっているかは詳しい検査をしてみないと分かりません。
子どもの場合、自分の言葉でうまく症状を伝えることができないためその場では泣き止んでも、食べものを食べなくなったりして初めて保護者の方がケガの重症度に気づくことがあります。
ちょっとしたケガでも、思ったよりも症状がひどい場合もありますので少しでも気になることがある場合は、早めに歯科医院を受診されてください。

治療するべき歯並びやかみ合わせの種類について

2023年11月17日

口の役割には
・食べものを口の中に取り込む
・消化しやすいようにかみ砕く
・飲み込む
・会話をする
・感情を表したりコミュニケーションの一部になる
など、多くの役割があります。
別の表現をすると、口がうまく機能していなければ、食べものを口から上手に食べることもできませんし、うまく飲み込むこともできません。周りの人と適切なコミュニケーションを取ることも難しくなるのです。
このように口の働きは、人間が生きていく上でとても重要な機能を持っています。

口が正しく機能するためには、歯並びやかみ合わせも大きく関わってきます。
歯並びやかみ合わせを良くすることは、見た目を整えるだけでなく、食べものをきちんとかみ砕いたり正しい発音ができたりと、日々の生活を送る上でも大切なことです。
それでは、正しい歯並びやかみ合わせと、悪い歯並びやかみ合わせについての違いをご存じでしょうか?
なんとなく歯並びがちょっとズレてる気がするとか、左右どちらかがかみにくい、前歯が出てる気がするなどぼんやりと理想的な歯並びとは違うことは分かるかもしれません。
毎日の生活を送る上で、みんなが模型のような歯並びである必要はありませんが、それぞれの顔や骨格に合った歯並びやかみ合わせというものがあります。それとは大幅にズレたり、バランスが合っていないことが問題なのです。
歯並びとかみ合わせというのは深く関係していて「かみ合わせではなく、歯並びだけ治す」のではなく、上下の歯がしっかりかみ合っているか?をきちんと確認していくことも、大切なポイントです。

ここでは、そのように大きくバランスが合っていなかったり、注意するべき歯並びやかみ合わせについてと、それによって起きてくる影響についての解説をしていきます。

 

 

【注意するべき不正咬合5種類とその影響】
歯並びやかみ合わせが悪い場合、その状態によっていくつかの種類に分かれています。
今回は特に注意するべき5種類の歯並びやかみ合わせについてご説明します。

 

①叢生
「歯並びがガタガタになっている」状態のことで、乱杭歯ともいいます。
歯の大きさと顎の大きさのバランスが悪いことによって起こります。
歯が大きすぎたり、顎が小さいことによって歯が並びきらない状態です。
俗に言う「八重歯」は歯の生える順番に関わって発生するものですが、叢生の一種です。

 

〈起こる影響〉
歯がガタガタに並んでいるため、口の中がみがきにくく清掃が行き届かない可能性があります。
歯ブラシだけでなくデンタルフロスなどを使用しても、デンタルプラークなどが取り残される可能性があり、むし歯になりやすくなります。
歯並びが悪いからといって、必ずしもむし歯になりやすいわけではありません。しかし、歯並びがガタガタの状態である叢生では、デンタルプラークが付きやすくなりますので、むし歯をひき起こす原因にはなります。
デンタルプラークや歯石が付きやすい状態だと、歯肉炎や歯周炎(歯周病)など歯ぐきや骨など歯の周りの組織にまで炎症が波及する可能性もあります。
叢生の状態では、歯が正しい方向に並んでいないため、むし歯や歯周病の治療は難しくなりますし、食べものなどをかみ砕く能力も低下するというデータも出ています。

 

②上顎前突
いわゆる「出っ歯」の状態をいいます。
上の前歯が下の前歯より指一本分くらい前に出ている状態だと、特に問題です。

 

〈起こる影響〉
食べものをかみ砕いたり、飲み込んだりもしにくいかもしれません。
唇が閉じにくいため、口の中が乾燥することによって歯ぐきの炎症(歯肉炎や歯周炎などの歯周病)になりやすくなります。
またスポーツや転んだときに、前歯が欠けたり折れたり、抜けたりしやすくなります。
場合によっては、発音にも異常が生じやすいこともあります。
見た目を気にされることが多い歯並びの状態です。

 

③下顎前突
上下の歯のかみ合わせが通常の場合とは逆の状態をいいます。
つまり、奥歯でかんだときに下の前歯が上の前歯より前に出ている状態です。
いわゆる「受け口」といわれるものです。

 

〈起こる影響〉

歯や舌の位置や機能に問題があるため、発音や滑舌に影響が出やすくなります。
もちろん、順応によって発音に問題が出るまでに至らないこともあります。
発音への影響は、特にサ行やタ行などが発音しにくく、コミュニケーションに影響が出たり、語学の習得にも影響が出やすくなります。
また、下顎が大きく前に出ているような場合は見た目にもコンプレックスになりやすく、心理面にも影響を与えやすくなります。

 

④開咬
奥歯をしっかりかみ合わせても、上下の前歯がかみ合わずに隙間があいている状態です。
その隙間から舌を出すことや、外からのぞき見ることもできるかもしれません。
前歯でかみ切ることができないため、奥歯でしかかむことができません。

 

〈起こる影響〉

力を入れて閉じても歯と歯の間があいているため、上手に食べものをかみ切ることができません。特にうどんやラーメンなどの麺類はかみ切ることができず、丸呑みになってしまいます。
あまりにその程度がひどいと、胃腸への負担も大きく、消化へも影響が出てしまいます。
また歯の隙間から息が漏れるため、発音もうまくできない可能性もあります。
口をしっかり閉じることができない場合は、口の中が乾燥してしまうため、むし歯や歯周病などの細菌が繁殖しやすい環境にもなってしまいます。

しっかりかみ合わせても奥歯しか当たらないため、奥歯の負担が通常よりも大きくなります。
そのため奥歯周囲の顎の関節にもダメージを与え、顎関節症を起こしやすくなります。
人がかむ力というのは、その人の体重くらいの力があるといわれていますが、50kgの体重の人なら50kgの力が歯にかかっていることになります。
通常であれば、その50kgを全ての歯で支えるところを、開咬の場合は奥歯だけで支える状態になってしまいますので、奥歯の負担はとても大きなものとなります。
早く割れたり、折れたりすることも可能性も高くなるため、注意しなくてはいけないかみ合わせです。

 

⑤空隙歯列
歯と歯の間に、大きな隙間ができてしまうもので「すきっ歯」ともいわれます。
この状態だと、食べ物が歯の間につまりやすく、口臭やむし歯の原因にもなってしまいます。
歯の本数が生まれつき少なかったり、顎の大きさに対して1本1本の歯が小さいときはすきっ歯の状態になります。
成人の歯の本数は通常32本〜28本程度ですが、顎の骨の中で変な方向を向いていて生えて来れなかったり、遺伝による影響で歯の数が通常よりも少なく生えてきたり、といったケースもあります。本来の位置に歯がないため、歯と歯の間に余計なすき間ができてしまい、空隙歯列の状態になります。
舌が大きかったり、指しゃぶりの影響や舌で歯を押してしまうクセがある人も起こりやすいとされています。
特に、上の前歯の真ん中のみに隙間があいている場合は「正中離開」といいます。

 

〈起こる影響〉
歯と歯の隙間から息が漏れるため、発音が正しくできないことがあります。
特にサ行・タ行・ラ行などに影響が出やすくなります。
また、しっかり食べものがかめないので、胃腸などにも負担がかかる可能性があります。
歯と歯の間に隙間があるため、食べものがつまりやすく、詰まった状態を放置すると細菌が繁殖してむし歯や歯周病になったりします。
海外では「幸運の歯」として好意的に見られることもありますが、日本では見た目を気にされる人が多い歯並びです。

 

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】
このように歯並びやかみ合わせは、見た目だけでなくさまざまな影響を及ぼします。
成人してからも矯正治療によって治すことはできますが、子どものころからのクセによって悪い歯並びやかみ合わせになる可能性もあります。
場合によっては、定期検診などで悪いクセに気づくこともできます。
そのクセをしないようにすることで初期の段階で悪い歯並びやかみ合わせになるのを治すことができるかもしれません。
もしも気になる歯並びやかみ合わせ、クセなどがあれば成人であっても成長期であるお子さんであっても早期にご相談ください。本格的な矯正治療の前に、何か対処することができることもあるかもしれません。

 

プラーク〜歯の健康を脅かす口の中の細菌集団〜

2023年11月11日

【プラークってなに?】

歯みがきがうまくできていない歯の表面をこすってみたら、白色または黄白色のネバネバとした物質がついてきたことはないでしょうか?

これは「プラーク」という細菌のかたまりで「歯垢」とも呼ばれます。

食べカスだ思っている人もいるようですが、まったくの別物です。

70~80パーセントが細菌で、残りはグルカンなどのネバネバ物質です。

口の中に存在する細菌が歯に付着しても、通常はだ液によって流されてしまいます。

しかし、だ液の流れが悪い場所では細菌が付着したままになりやすく、増殖してしまいます。

特に

・歯と歯肉の境目

・歯の隙間

・奥歯のかみ合わせ

などはだ液の流れが悪くなりやすい場所であり、細菌が増殖しやすいところです。

 

プラークは、このようなだ液の流れが悪い場所などに、食後の口の中に残ってしまった食べカスをエサにして細菌が増殖し、集まって作られていきます。

プラーク中には500種類もの細菌が存在しており、プラーク1mg(1千分の1g)の中には、1億個以上の細菌が存在します。

その中には、むし歯や歯周病の原因菌も含まれています。

 

1.むし歯とプラーク

むし歯の原因菌であるミュータンス菌は、食べものや飲み物の中に含まれる糖分をもとにして、ネバネバしたプラークをつくり、歯にピッタリくっついてしまいます。

ミュータンス菌はその中でどんどん増えていき、酸をつくります。

この酸によって歯の表面からカルシウムが溶け出してしまいます。

すぐにプラークを取り除くことができれば、だ液の働きによって酸は中和されますし、歯の表面から溶け出したカルシウムも元通りに修復されます。

しかし、プラークがくっついた状態が長く続いてしまうと、歯の修復が追いつかないまま歯の表面のカルシウムはどんどん溶け出します。

この状態が続くと歯には穴があき、むし歯の状態になってしまいます。

このようにあいてしまった穴は自然に治ることはありませんので、歯科医院での治療が必要になります。

プラークはネバネバと歯にこびりついてしまうため、歯ブラシやデンタルフロスなどできれいに取り除く必要があります。だ液やうがいでは落とすことができません。

 

2.歯石とプラーク

歯についたプラークは、2日ほどでだ液の中に含まれるカルシウムやリン酸などと結びついて石のように硬くなりはじめます。

そして、2週間ほどで歯石となってしまいます。

歯石の表面には細かなデコボコがあるため、プラークはさらに溜まりやすい状態になります。

どんどん新しい細菌が歯石と結びつき、増殖していくため、気づいた頃には歯石が成長していって歯ブラシでは落とせなくなっているのです。

プラークは歯みがきで取り除くことができますが、歯石は自分では取り除けません。

取り除くには歯科医院での除去が必要となってきます。

 

3.歯周病とプラーク

プラークの中の歯周病菌は、毒素を出して歯ぐきを攻撃していきます。

そうすることで歯ぐきに炎症が起きてしまいます。

この炎症の初期段階のサインは、歯みがきのときの歯ぐきからの出血です。

この段階で、歯科医院での徹底的にプラークと歯石を取り除くことができれば、これ以上歯周病が進行することはありません。

ですが、このままの状態で放置すると、気づかない間に炎症はどんどん進んでいきます。

歯周病菌というのは空気が嫌いな細菌です。

そのため、空気のないところにどんどんと潜り込んでいってしまいます。

口の中では特に、歯と歯ぐきの隙間の中で活動が活発になり、さらに歯ぐきの炎症を起こします。この活動は静かに進んでいくため、気づいた頃には歯を支える骨までも溶かしていくのです。

プラークが歯と歯ぐきの隙間の中まで入ってしまうと、歯ブラシで取り除くことはできません。

そして細菌はどんどん増えていきます。

この頃にはご本人の自覚症状もありますし、見た目にも分かりやすい変化が起きていきます。

歯みがきのときの出血は増え、歯ぐきは赤くぶよぶよと腫れていきます。

炎症が歯を支える骨まで進行したら、歯はぐらぐらし、やがて抜けてしまうのです。

このようにプラークはむし歯や歯周病とも深く関わりがあります。

毎日の適切なケアによりプラークを取り除くことはとても大切なことなのです。

 

【プラークは成長する?】

プラークは歯みがきなどで取り除くことができます。

しかし、プラークの段階で落とさずに放置していると、細菌が増殖し、膜状になり、よりくっつく力の強いバイオフィルムというものになってしまうのです。

(プラークをバイオフィルムの一種としてとらえることもあります。)

バイオフィルムとは、いろんな細菌が集まって、何かの表面にくっついた状態のものをいいます。

ご家庭でいうと、お風呂場の排水溝やキッチンの三角コーナのぬるぬるをイメージしてもらうといいでしょう。あのヌメリがバイオフィルムです。

ブラシでゴシゴシと磨かないと、なかなか取れませんよね。

口の中のバイオフィルムも同様です。

もしも強固なバイオフィルムができてしまうと、一般的な歯みがきでは取り除くことができず、歯科医院での専門の器具を使用してしか除去することはできません。

 

 

口の中のバイオフィルムは、その中にむし歯菌や歯周病菌などのさまざまな細菌が生息しているのです。想像するだけでも嫌ですよね。

 

1.バイオフィルムは強力な防御壁?

細菌は、薬剤やからだの免疫反応、口の中の環境変化などの外的な要因から身を守るためにバイオフィルムをつくります。

通常、歯や歯の周りの組織というのは、だ液に含まれている抗菌物質や血液で運ばれてくる免疫細胞などで守られています。しかし、バイオフィルムは抗菌剤や抗生物質、白血球などの免疫細胞も通しません。

バイオフィルムができてしまうと、免疫システムが働かなくなってしまうのです。

その結果、歯周病やむし歯の原因となる細菌が増殖する温床となってしまいます。

バイオフィルムこそが口の中の病気の原因とも言えるのです。

 

2.バイオフィルムのもう一つの問題点

バイオフォルムについて、もう一つの問題があります。

それは、歯にバイオフィルムがついているからといって、それだけでは痛くもかゆくもないのです。すぐに何らかの症状が出るわけではありません。

だからこそ、放置されてしまいがちで、知らず知らずのうちに歯周病やむし歯が進行し、歯や歯ぐきに何らかの異常をきたしてからの治療になることが多いのです。

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

バイオフィルムは歯石と同じように、早めに歯科医院で取り除くことが大切です。

プラークが成長してバイオフィルムにならないためにも、毎日の歯ブラシによってプラークを除去することは欠かせません。

しかし、なかなか100パーセントのプラークをご自分だけで取り除くことはできません。

なぜなら、すべてのみがいている面を見ることができないからです。

歯みがきを完璧にすることはとても難しいことです。

日々のみがき残しが分厚いプラークとなる前に、定期検診で口の中をチェックし、クリーニングすることによって口の中の細菌を減らしていきましょう。

それがむし歯や歯周病の予防につながっていきます。

子どもが口や歯をぶつけたら

2023年11月1日

口と歯の外傷というのは、からだの他の部位にくらべても最も発生頻度が高いものです。
特に歯をぶつけたりなどの外傷は、3人に1人の子どもが経験すると言わる程で、前歯を失う原因の第一位です。

歯をぶつけると、歯が折れたり、グラグラと揺れたり、ひどいときには抜け落ちてしまいます。
そのような歯のケガが多いのは乳歯では1〜3歳、永久歯では7〜9歳です。
特に乳歯は女の子に比べて、男の子の方が2〜3倍多いというデータが出ています。
また歯や口のケガの原因は、日本では半数近くが転倒によるもので、ついで衝突・転落です。
2歳以下は転落が多く、3歳以上では衝突の割合が高くなります。
年齢が高くなるとスポーツによるケガが増えていきます。

【ケガをしたときにするべきこと】
①歯科医院を受診する前にすること
歯や口をケガした場合、多くの場合が歯や口だけではなく顔や頭もぶつけています。
そのため、まずは口の中よりもからだ全体の確認をしていきましょう。
まず意識の確認をして、目のまわり、耳のうしろに内出血がないか、また頭に傷があったり、ぶつけたりしていないかをチェックします。
もしも何かしらの症状がある場合は、脳外科など必要な科を受診しましょう。

 

②全身状態に問題がない場合
からだ全体を確認して重大な問題がない場合、歯科医院に連絡を入れましょう。
付き添う場合は、ケガをしたときにどういう状況だったかが分かる人が付き添ってください。

 

③出血しているとき
出血しているところがある場合、軽く洗い、血を止めるためにガーゼや清潔なハンカチなどをあてるようにして軽く圧迫しましょう。
口の中に血がにじんだり、流れ出している場合は、できるだけ飲まずに吐き出しておきましょう。飲み込むと気分が悪くなったり、嘔吐することもあるので、注意が必要です。

 

④ケガをしたときの写真を撮りましょう
余裕があれば、ケガをした直後の写真を撮っておくとケガをしたときの説明に役立ちます。

 

⑤口の内側や外側に長い物が深く刺さった場合
箸や歯ブラシなどが深く刺さった場合は、抜かないで病院にかかることをおすすめします。
もしも抜いてしまった場合、抜いたものを必ず持っていきましょう。

 

【歯が抜けてしまったら】
もしも歯が抜けてしまったら、その歯を必ず拾ってください。
1時間以内に歯科医院に行ける場合は、ラップやビニールに包んで乾燥を防ぎましょう。
1時間以上かかる場合は、少量の牛乳に浸して冷蔵しましょう。
学校や保育園などでは、あらかじめ歯を保存するための溶液が用意されているところも多くありますので、そのようなものを利用することもおすすめです。
1番やってはいけないことは、抜けた歯をティッシュでくるんだり、水道水で洗ってしまうことです。抜けた歯を戻すためには、乾燥しない状態で、できるだけ早く戻すことが重要になってきます。
また、歯の根っこには歯根膜繊維という、歯がうまく元に戻るかを決定するとても重要な組織が付いています。そのため、触るのは骨に埋まっている根っこの部分ではなく、かみ切ったりしている歯の頭の部分にしましょう。

 

【歯の頭の部分が一部欠けてしまったら】
歯が欠けてしまった場合、そのカケラを乾燥しないようにビニール袋に水を入れ(水道水でよい)歯科医院へ持っていきましょう。

 

くちびるに傷があるとき】
くちびるを傷つけるとみるみるうちに腫れてしまいます。
そのため、氷や冷たい水をつけたタオルを薄いビニール袋に入れて冷湿布すると腫れ上がるのを防ぐことができます。このとき、保冷剤をあてたり冷えピタシートを貼ってこられる方もいらっしゃいますが、それはやめましょう。
保冷剤は温度が低すぎますし、冷えピタシートでは冷やすことはできません。

 

【ケガをした後の家庭でのケア】
①清潔に保つ
口の中のケガや傷を治すためには、歯ブラシなどでみがいて清潔に保つことが一番です。
傷があるからといっても食べないわけにはいきませんし、もしも食べなくても歯みがきをしなければいけません。
歯を動かないように固定している場合は、汚れがたまると歯ぐきが腫れてしまいます。
歯間ブラシやタフト型のブラシのような細いブラシ、デンタルフロスなどの補助清掃用具も使うと固定している部位も細かいところまでよくみがけます。
本人がうまくみがけない場合は、保護者の方が仕上げみがきをしてあげるのがいいでしょう。
もしも本人が痛がったり、保護者の方がさわるのも怖いときは、いつもよりやわらかめの歯ブラシを使ったり、指で少しほぐした綿棒にうがい薬などを付けて、ケガをした部位の周りを軽く拭いたり、シャワーで洗い流したりと工夫して、清潔にすることが大切です。

 

②食べるもの
かたいものやかみにくいものは避け、かみちぎるような食べものをケガをした部位でかむのはやめてください。離乳食のように軟らかく、体温に近い温度のものを食べると刺激が少なく食べやすいです。
※おすすめの食べもの
やわらかいごはん・おかゆ・麺類・牛乳・ヨーグルト・チーズ・アイスクリーム・卵・バナナなど

唐辛子などの香辛料が含まれたものは刺激が多く、傷にもしみることがあります。
また雑菌を増やさないためにも、甘いお菓子や飲みものも避けましょう。
※避けた方がいい食べものや飲みもの
スポーツドリンク・ジュース・ガム・飴・カレーなど

食べにくいときはスプーンや太いストローなども役に立つことがあります。
もしも、かむと痛かったり、食べるとしみるときはすぐ歯科医院へご連絡ください。

 

③くちびるを閉じる
くちびるが腫れて閉じれないときはのぞいて、できるだけ口の中を乾燥させないようにくちびるは閉じておきましょう。

 

④激しい運動は避けましょう
ケガをした翌日から数日間は激しいスポーツをしたり、体育などは見学をおすすめします。ケガをした部位を再度ぶつけたりする危険性もあるため、処置した部位を安静に保つことを心がけましょう。

 

⑤お風呂
ケガをした当日は、できればシャワー程度にしましょう。
翌日からは通常通り、入浴しても大丈夫です。

 

⑥発熱
ケガをした部位からバイ菌が入って、感染することもあります。
子どもがだるそうにしていないか、発熱していないかを観察しておきましょう。
通常の口の中をケガによって、1日以内に37度台の発熱を見ることがありますが、38.5度以上の発熱は他の原因があるかもしれません。
その場合は、小児科を受診することをおすすめします。

 

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】
口の中のケガは、早期に対処するかどうかでその後の経過にも関わってきます。
たまに、ひどく歯をぶつけているのにも関わらず、スポーツの試合などが終わってから受診される方もいらっしゃます。歯が元のように戻るかどうかはケガしてからの時間が大きく関わってきますので、ケガをしたらすぐに歯科医院に行かれるのをおすすめします。

いざケガをしたら、大きな声で泣く子どもに保護者の方もパニックになってしまうこともあります。特に出血の量が多いと慌ててしまうかもしれません。
子ども自身も起きたことにビックリしてパニックになっている状態ですので、できるだけ保護者の方が深呼吸などして落ち着き、冷静になることが大切です。
そして、子どもが泣き叫んでいるときは、やさしく抱き寄せるなどして少しでも安心させてあげましょう。
転んだり、ぶつけたりというのはなかなか気をつけられず、突然起こるものです。
いざという時のために、いつ起きても早急に対応できるよう日頃からケガをしたときはどのようにしたらいいかを覚えておきましょう。

入れ歯の正しいお手入れ方法と取り扱いの注意点

2023年10月25日

入れ歯のお手入れについて、どのようにするかなどきちんとご存じでしょうか?

いろいろな事情で歯を失ってしまった方にとって、入れ歯はその機能を回復させる、とても便利なものです。しかしながら、きちんとお手入れをしないと壊れてしまうこともありますし、お口や身体に悪影響を与えてしまうことすらあります。

「なんとなく入れ歯は磨いているけれど・・・」と自信がない方も多いと思いますので、入れ歯の正しいお手入れ方法や注意点についてご説明していきます。

 

【入れ歯のお手入れを怠ると、どんなことが起きる?】

入れ歯も自分の歯と同じように、毎日の清掃とメンテナンスをしていく必要があります。

自分の歯のように、毎日お口の中に入れて食事をすることで、食事の食べかすや雑菌が付いていきます。これらの汚れをしっかりと取り除き、清潔にしていくことで長く入れ歯を使用することが可能になります。

もしも、入れ歯の清掃を数日間怠るとどうなるでしょう。

とても不衛生な状態となり、雑菌はかなり繁殖して臭いを発することもあるかもしれません。さらにはカビが生えてくることもあるでしょう。

また、入れ歯はデリケートなものですので、正しく取り扱ってメンテナンスをしていかないと、変形や破損を起こす可能性もあります。

入れ歯は、患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせて緻密に調整しているため、変形や破損が生じてしまうと口の中での違和感はもちろんですが、かんだり発音したりと、さまざまな機能にも大きな影響を与えてしまいます。

 

【入れ歯の正しいお手入れ方法と注意点】

①入れ歯を洗うタイミング

食後や寝る前にはしっかりと洗いましょう。くれぐれも、寝ているときに「食べたままで洗っていない入れ歯が口の中に入っている」などということはやめましょう。
口の中にはもともと、多くの細菌が存在しています。その細菌達が、食べ物のカスや糖分などを養分にして繁殖します。使用した入れ歯にも汚れや細菌が付きますので、これらを取り除かずに放置してしまうと、入れ歯にも細菌が増殖してしまいます。

お食事の後や寝る前には入れ歯をはずし、しっかりとお手入れをする習慣を身につけましょう。

 

②入れ歯の清掃の方法

入れ歯を清掃する時は、水道の水を流し、入れ歯を磨く専用の歯ブラシや普段お使いの歯ブラシを使ってきれいにしていきましょう。

 

③入れ歯洗浄剤

それぞれの入れ歯に合った洗浄剤や歯磨剤を使っていく必要があります。
入れ歯にはさまざまな種類のものがあります。また、作られている素材の種類も異なります。市販されている洗浄剤の中には、材質によって利用できないものもありますので、どのような入れ歯洗浄剤を使用したらいいか悩まれるときは歯科医師にご相談ください。入れ歯の材質に合った洗浄剤をお伝えします。

歯磨剤の中には「研磨材」が入っているものがあります。研磨剤入りの歯磨剤で強く磨いてしまうと、入れ歯の表面に細かい傷がつきます。この傷の中に細菌や汚れが入り込んで、入れ歯に臭いや着色が生じたり、破損等の原因になることがあります。

研磨剤りの歯磨剤は使わないようにしていきましょう。

 

 

④熱湯で洗わない

入れ歯を熱湯の中に入れてしまうと、変形したり劣化したりすることがあります。

入れ歯にはプラスチックが使用されていますが、この部分は高温にとても弱いため、熱湯の中に入れると変形や劣化につながります。

「キッチンで使われる道具のように熱湯消毒をしたい」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、入れ歯が使えなくなってしまうので熱湯には絶対に入れないでください。

 

⑤入れ歯を乾燥させない

入れ歯はもともと、口の中で使用することを前提に作られています。ですので、口の中のように常に潤って水分がある状態が理想的です。

入れ歯を洗った後、そのまま乾燥させて翌日口の中に戻すのではなく、お手入れ後は水道水や洗浄剤につけて保管しましょう。過度の乾燥は入れ歯の変形や割れにつながります。

 

⑥強い力や衝撃を与えない

入れ歯を強い力で落としたり、最悪の場合、踏んでしまったりすると割れることがあります。

取り扱いは丁寧にして、強い力が加わらないように気をつけましょう。また、口の中で使用するときも、あまりに硬いものを強くかむことで、割れたり変形したりすることもあります。

普段の生活の中で、入れ歯のお手入れをする際に手が滑って落としてしまうなどの軽い衝撃では、変形などの問題はありません。

 

⑥漂白剤にはつけない

先ほどの熱湯での消毒もそうですが、除菌などの目的で漂白剤などにつけるのもやめましょう。

入れ歯を漂白剤につけることで、もともとの色が変色してしまうこともありますし、変形にもつながります。

 

⑦寝るときは入れ歯をはずす

基本的に、寝る時は入れ歯を外していただくことをおすすめします。

入れ歯に付いていた細菌が原因で誤嚥性肺炎を起こしてしまったり、入れ歯をずっとつけ続けることでご自分の天然歯や、歯ぐき、骨などに負担をかけ続けてしまうこともあります。

しかし、中には入れ歯がないことで顎や残っている歯に負担がかかってしまう場合もあります。これは、口の状態によってそれぞれ対応が異なりますので、歯科医師にご相談されて、指示にしたがってください。

 

【入れ歯だけではない口の中のお手入れ】

入れ歯のお手入れはもちろん重要ですが、入れ歯だけでなく、ご自身の口の中も清潔に保つことを忘れないでください。入れ歯がどれだけきれいでも、それを入れるお口の中が不潔な状態では意味がありません。

入れ歯とお口のメンテナンスはどちらも重要です。忘れずにどちらもきれいな状態にしておきましょう。

 

 

【入れ歯が合わなくなったり、痛みが出てきたとき】

使用していた入れ歯が合わないと感じたり、痛みがあるような場合は、すぐにかかりつけの歯科医院を受診してチェックしてもらうことをお勧めします。

入れ歯というのは、一度作ったらずっとそのままでピッタリと合うわけではなく、時間の経過とともに劣化していきます。またお口の状態も全身の健康状態や加齢によって、少しずつ変化していきますので、定期的に歯科医院でチェックしてもらうことをおすすめします。

入れ歯をご使用されている方の中には、かなりの長期間使用されてる方もいますが、衛生的な問題もありますので、特に問題ないからとそのままにせず、定期的に確認していくことも必要です。

ご自分では気づかない問題点が見つかるかもしれません。

 

【入れ歯の保管場所】

「入れ歯をちょっとはずすためにティッシュに包んでいて、そのまま捨ててしまった」「はずしたまま、どこに置いたか分からなくなってしまった」など、入れ歯をなくされる方も多くいらっしゃいます。

置く場所を決めたり、入れ歯専用のケースを使用することで入れ歯の紛失防止になりますので、保管場所を決めておくのも良いでしょう。保険で入れ歯を作成した場合、ある一定の期間は再度の作成ができませんので、こちらも気をつけていただきたいポイントです。

また、夜中に地震があったり、自然災害などで緊急で避難しなければならない可能性もゼロではありません。寝るときなどは、枕元などすぐ持ち出せるところに置きましょう。避難先で入れ歯がないと生活が著しく不便になるので、すぐに持ち出せるような場所で保管すると安心です。

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

入れ歯は適切なお手入れを続け、定期的に状態を確認していくことで、長くお使いいただくことが可能になります。一般的に思われている以上にデリケートなものですので、分からないままお手入れするのでは危険です。疑問点などがあれば、その都度ご相談ください。それぞれの入れ歯に合ったお手入れ方法をご提案いたします。

歯ぎしりや食いしばりが歯に与える影響

2023年10月17日

歯ぎしりや食いしばりは小さな子どもから大人まで、あらゆる年齢の人に起こる症状です。
動物にもあるといわれており、ご自宅で飼っている犬も歯ぎしりをしているのを聞いたことがあるという人いるかもしれません。
ご自分で歯ぎしりをしていると自覚している人は少ないかもしれませんが、思い当たる症状はあるのではないでしょうか。
例えば、朝、目が覚めたときに奥歯が痛かったり、起きたときに顎が痛みを感じたり、だるかったり、なんとなく頭痛がしたり肩こりが続くというような症状も歯ぎしりをしたことによる症状です。また家族から寝ているときにギリギリ、ガリガリと歯ぎしりする音が気になると指摘されたりすることもあるかもしれません。多くの場合は、自分では意識せずに歯を強く食いしばっている状態です。

専門的には、広い意味での歯ぎしりのことを「ブラキシズム」といいます。
近年、このブラキシズムの症状がある人は増えているともいわれていて、気がつかないうちに歯や顎に悪い影響をもたらしています。

 

【ブラキシズムのいろいろ】
一般的には歯ぎしりというと、夜寝ているときのギリギリ、ガリガリとした歯がこすれる音が出ている状態を思い浮かべるかもしれませんが、実はそれだけではありません。
音が出ないものや昼間起きているときにしてるものもあるのです。
音が出るほどの歯ぎしりなど、寝ているときのブラキシズムを心配している人がほとんどかもしれませんが、起きているときのブラキシズムも問題なのです。

 

【ブラキシズムってなに?】
ブラキシズムとは「歯ぎしりや食いしばりなどの顎の筋肉活動」のことをまとめて呼んでいます。
誰にでも起きている症状なのです。
睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠などのリズムがありますが、そのリズムによってブラキシズムは起きるので、歯ぎしりなどをすること自体が問題ではありません。
大事なのはそれが正常の範囲内であるのか、病気なのかを見極めることです。
ストレスなどさまざまな要因によって、ブラキシズムの程度というのは変わってきますので、まずは治療を必要とする状態なのかを診断する必要があります。

 

【ブラキシズムの種類】
(1)寝ているときのブラキシズム
寝ているときのブラキシズムには大きく3種類に分けることができます。
治療の必要があるブラキシズムでは、起きたときに歯が痛い、口が非常に開けにくい、歯に圧迫感がある、歯が浮いた感じがするなどの症状があげられます。
ご自分がどれに当てはまるかを考えていきましょう。

 

①グラインディング
主に寝ているときに上下の歯をこすり合わせることです。
一般的にはこれを歯ぎしりと言うことが多く、最も多くの人にみられます。
家族から指摘されたり、歯科医院で歯のすり減りを指摘されることもあります。
上下の歯を強くかんだ状態で、横に滑らせてこすり合わせるため、歯に大きなダメージを与えます。歯が削れ、大きく歯がすり減って平らになるという特徴がみられます。

 

②クレンチング
上下の歯をギューッとかみしめることで食いしばりやかみしめとも言われます。
グラインディングと違い、横にこすり合わせることはありません。
力を入れたときに食いしばるように、寝ているときにも力が入ってしまうことをいいます。
音が出ないので、周りの人は気づかないことが多いです。
朝起きたときの顎の痛みやだるさで気づくことがあります。

 

③タッピング
上下の歯をぶつけ合って、カチカチという音を出します。
比較的頻度は少ないものです。

 

 

(2)起きているときのブラキシズム
上下歯列接触癖(TCH)
起きているときに起きる症状です。
顎関節症にも深い関わりがあります。
通常、上の歯と下の歯の間には2〜3㎜の隙間があり、リラックスした状態では上下の歯というのは合わさりません。上下の歯が接触するのは会話や食事の時だけで、24時間中平均17.5分とほんのわずかな時間です。
緊張していたり、ストレスが溜まっているときは上下の歯が隙間なくかみあわせていることがあります。かむ筋肉が常に緊張した状態になり、それが長い時間続くととても疲労してしまいます。
この癖のことで歯ぎしりの一種です。

クレンチングと違い、強い力でかみしめるのではなく、日中に食事などをしていないときもずっと弱い力で上下の歯が接触している状態です。パソコン作業や運転中であったり、裁縫など細かい作業をしていたり、料理などのときもかみしめている可能性があります。
日中、ご自分で少し意識してみることで、無意識にしていることに気づくかもしれません。

 

【ブラキシズムの悪い影響】
ブラキシズムは、歯・歯肉(歯ぐき)・歯を支える骨とその周囲の組織にさまざまな影響と弊害を及ぼします。
歯や歯を支える骨などが受け止めるかむ力というのは、自分の体重くらい大きな力です。
ブラキシズムの場合、その大きな力が持続的に加わるため、硬いものを食べるときのように一瞬だけ強い力がかかるより、ずっと大きな影響が出てしまいます。
特に音が鳴るほどのブラキシズムの場合は、普段かみあわせている力とは比べものにならないくらい強い力がかかっているため、歯の表面が削れてくることがあります。
歯は年齢を重ねるごとに削れてくるものですが、その速度がとても速いのが特徴です。
歯の一番表層にあるエナメル質という層が削れて薄くなり歯がしみてきたり、ひどいケースではなくなってしまいます。とても強い力がかかることによって歯の根っこが割れてしまうこともあります。また歯の神経が死んでしまったり、歯の根っこの先に炎症が起きることもあります。歯ぐきが腫れたり、かむと痛みが出たりもします。
その影響が及ぶのは自分の歯だけではありません。
虫歯の治療などで冠を被せることもありますが、硬いセラミックなどが割れてしまうこともありますし、インプラント(人工歯根)も壊れてしまう可能性もあります。

歯周病にかかっている歯に、さらにブラキシズムのよって大きな力がかかると、急に歯ぐきや歯を支える骨の状況が悪化することがあります。
具体的には、歯ぐきに急性の炎症が起きたり、歯を支える骨が溶けるのが速まってしまいます。
これはレントゲン写真によって確認することができます。

顎の関節や顔面の筋肉などにも悪影響を及ぼします。
頭痛や肩こりなどの症状と関係していることもあります。
顎関節症(顎の痛みや炎症)、口のまわりの筋肉の痛み、顎のズレ、顔面の変形、頭痛・肩こりなどを引き起こすこともあります。

 

【ブラキシズムの治療】
ブラキシズムの治療で、特に寝ているときのブラキシズムに特化したものがスプリント治療です。
一般的にはこちらの治療を行います。
透明なマウスピースを装着することで上下の歯が直接当たらないようにして、歯や歯ぐき、また顎の関節に負担がかかるのを軽減していく方法です。日中の食いしばりが多い場合には、日中の装着をおすすめすることもあります。
またストレスやカフェイン、アルコールなどによってもブラキシズムが起こることがあります。
直接お話を聞いたり、口の中の状態を確認することによってブラキシズムを悪化させる要因を特定し、改善するように促すことができます。

 

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】
なにげなくしている歯ぎしりや食いしばりが、どのような影響を与えているかを知ることは大事なことです。
もし歯ぎしりや食いしばりをしていたり、その兆候があるなら、目に見えないところに問題が潜んでいる可能性もあります。
日中、何かに集中しているとき、パソコンやスマートフォンなどを操作しているときも無意識にかみしめていることも多くあります。
寝る前にリラックスするように軽くストレッチをしたり、ゆっくりと腹式呼吸をして心とからだをリラックスさせてストレスを軽くすることも大切です。睡眠の質を上げるためにも、過度な飲酒やカフェインの摂りすぎなどご自分で改善できることもあります。
まずはブラキシズムがどの程度、口の中に影響を与えているかを確認していくことから始めましょう。

妊娠にも影響を及ぼすし歯周病

2023年10月9日

妊娠は病気ではありませんが、女性のからだが目まぐるしく変化する特別な状態です。

女性は妊娠をきっかけに、からだのホルモンバランスが急激に変化します。

口の中の変化では、妊娠中は女性ホルモンの影響で歯ぐきが赤くなって腫れたり、出血したりする「妊娠関連(性)歯肉炎」になりやすいといわれています。

炎症が歯ぐきのみに限られている歯肉炎から、歯を支える骨にまで影響を与える歯周炎に進行して、早産などのリスクにもなってしまいますので注意が必要です。

 

【女性ホルモンと歯肉炎】

妊娠すると歯肉炎になりやすい理由の一つに、女性ホルモンとの関係によるものがあります。

妊娠中は「エストロゲン」「プロゲステロン」という2つの女性ホルモンが血液中に多く存在しています。これらのホルモンは、一部の歯周病菌の栄養源になってしまうため、歯周病菌が増殖します。口の中でこの歯周病菌が活発に活動するため、妊娠すると歯肉炎という歯周病の初期症状になってしまいます。

このため、多くの妊婦さんは妊娠関連(性)歯肉炎にかかっているともいわれています。

「エストロゲン」「プロゲステロン」の2つのホルモンは妊娠中だけでなく、排卵と生理のサイクルにも影響しているため、女性はもともと歯肉炎になりやすいといわれています。

歯肉炎になっている人が、妊娠してさらに悪化してしまうケースも珍しくありません。

 

 

【一般的な歯肉炎と妊娠関連(性)歯肉炎の特徴】

歯肉炎というのは

「歯肉(歯ぐき)」に「炎症」がある状態です。

これは見た目にも分かりやすく

・歯ぐきの色が赤い

・ぶよぶよと腫れている

・歯と歯の間の歯ぐきが腫れてふくらんでいる

・歯をみがくと出血する

などの症状があらわれます。

妊娠関連(性)歯肉炎の特徴は、この症状に加えて

・部分的に歯ぐきが腫れやすいこと

・妊娠期間中に急速に症状が進みやすいこと

などがあります。

特に、上の前歯の歯ぐきに炎症が認められることが多いのですが、奥歯の歯ぐきも腫れる方もいます。

もしも歯ぐきが腫れていたり、今までと何か違う感じがするときは、早めの歯科医院への受診をおすすめします。

 

【妊娠関連(性)歯肉炎が悪化して歯周病に】

歯肉炎というのは歯ぐきだけの炎症です。

しかし、それをそのまま放置して歯ぐきの炎症が進んでいくと、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯ぐきの境目の溝がしだいに深くなっていきます。深い歯周ポケットは、歯周病菌の中でも酸素を嫌う嫌気性菌が増殖しやすく、歯周病は悪化していきます。

歯周病菌はそのうち、歯を支える骨にまで影響を及ぼし、骨を溶かしてしまいます。支える骨を失った歯はグラグラし出して、最終的には歯が抜けてしまうこともあります。

歯周病が怖いのはそれだけではありません。

歯周病が進行すると、腫れた歯ぐきの毛細血管から歯周病菌が全身に流れてしまいます。

そうすると糖尿病が悪化したり、心筋梗塞や脳梗塞にかかるリスクも高まります。

妊娠関連(性)歯肉炎だけでは、歯ぐきが赤くなって腫れたり、出血しやすくなるだけで、歯を支える骨にまで影響は及ぼしません。しかしその炎症をそのまま放っておくと、歯周病にまで進行してしまいます。

妊娠中は体調が不安定だったり、つわりもあったりで口の中のケアが不十分になることが予想されます。ご自分の体調に合わせて、定期的な健診と、早めに治療やケアをしていくことが大切になります。

 

【お腹の赤ちゃんに及ぼす影響】

妊娠中に母親が進行した歯周病にかかっていると、そうでない母親よりも早産や低体重児を出産するリスクが高いという報告があります。

妊娠中は「プロスラグランジン」という、子宮を収縮させる作用のあるホルモンのような物質が分泌されます。これは陣痛促進剤としても使われるほど強力な作用があるもので、お腹の中で赤ちゃんが十分に育ったら、この分泌が増えて分娩を促します。

歯周病が進行すると、歯周病の炎症を抑えるために、からだから「サイトカイン」が増えます。

過剰になったサイトカインは、血液の中に入って胎盤や子宮に運ばれ、プロスタグランジンの分泌を促進してしまいます。そのため、お腹の赤ちゃんが十分に育っていないのに子宮の収縮をさせて出産の合図を勝手に出してしまい、早産になってしまうのです。

早産は、妊娠期間22~36週で生まれることですが、十分にお腹の中で育つ前に生まれた赤ちゃんは、後で重篤な障害が出る可能性が高くなってしまいます。

早産のリスクを高めないように、妊娠中の喫煙やアルコールは厳禁とされていますが、歯周病の影響はこれらに比べても高く、決して軽く見てはいけません。

たとえ早産にならなくても、サイトカインの影響で子宮の収縮が頻繁に起きてしまうと、胎盤からお腹の赤ちゃんへの栄養や酸素がうまく供給されず、発育を妨げる可能性があります。

また、進行した歯周病はお腹の赤ちゃんの成長にも影響を及ぼし、2500グラム未満の低体重児になりやすいといわれています。

普段から歯科医院での定期検診を受け、口の中をきちんとメンテナンスしている人は、妊娠しても急速に歯周病が重症化することはありません。

しかし、妊娠前から歯ぐきが腫れて歯肉炎になっていたり、歯周病にまでなっている人は、妊娠中は女性ホルモンの影響でさらに炎症は進みやすいため、早めに歯科医院でのチェックを受けましょう。

 

【妊娠関連(性)歯肉炎の治療と予防方法】

妊娠関連(性)歯肉炎の治療も、一般的な歯肉炎の治療と同じです。

ご家庭での毎日の歯みがきなどのケアと、歯科医院での専門家による定期的なケアが基本です。歯ぐきの炎症が進行しないように歯と口を健康に保ち、口の中の環境を整えていくことが重要です。

 

①ご家庭での毎日のケア

妊娠関連(性)歯肉炎の原因となる女性ホルモンの分泌は、妊娠すると自然と促されるものであり、自分の力で止めたり、少なくすることはできません。

ですので、治療には口の中を清潔に保つことが一番です。

そのためには毎日、できるだけ丁寧に歯みがきをしていきましょう。

歯ぐきが赤くなったり腫れていると「血が出やすいからあまり触らない方がいいんじゃないか?」と歯ブラシで積極的にみがかない人も多くいます。しかし、みがかないままだと、その炎症はさらに進んでしまいます。

もしも歯ぐきから出血しても、その部分も普通通りに歯をみがきましょう。

ゴシゴシと力を入れてみがく必要はありません。みがくと少し痛いなら、弱い力で丁寧に歯ブラシを当てましょう。

歯ぐきの腫れが気になる場合は、腫れているところの歯と歯ぐきの境目を歯ブラシでやさしく丁寧にみがいてください。毎日続けていると、そのうちに歯ぐきの腫れもおさまり、出血も止まってきます。

 

②定期的な歯科医院でのケア

歯ぐきの炎症を治す基本は、ご家庭での毎日の歯みがきです。

しかし、それだけではみがき残しがあったり、歯ブラシが届きにくい部分のケアは十分とはいえません。

定期的に歯科医院での検診とクリーニングをしていきましょう。

またその際に、日々のケアに対して一人一人に合わせたアドバイスも受けられますので、それをご家庭でも生かして口の中を清潔に保ちましょう。

どれくらいの頻度で歯科医院に通院したらいいかのかも、口の中の状態に合わせて決めていけます。ご自分の体調なども加味しながら、一緒に計画を立てていきましょう。

出産後は育児などでバタバタして、歯科医院へはなかなか通うのが難しくなります。歯肉炎なども悪化しないように、赤ちゃんが生まれる前までに口の中の環境を整えておきましょう。

 

③妊娠関連(性)歯肉炎の予防方法

予防も、治療と同様に、毎日の自分でのケアと歯科医院でのクリーニングが大切です。

特に歯や歯ぐきに問題はなくても、一度ぜひ受診してみてください。

妊娠中は、基本的には歯科医院を受診できない時期はありません。

ただ、妊娠初期はつわりがあって、なかなか歯科医院へは通うのが難しいでしょうし、妊娠後期になると、おなかが大きくなってくるので歯科医院のチェアに仰向けのまま長時間過ごすと苦しいでしょう。

人によっては、妊娠後期に仰向けでいると「仰臥位(ぎょうがい)低血圧症候群」という貧血のような症状になる可能性もあります。この症状は、左側を下に向けて寝ると改善されますし、歯科医院のスタッフも十分に配慮しますので診察に問題はありませんが、もし心配であれば体調が安定している妊娠中期までに来院されてください。

妊娠中は体調などの個人差も多くありますので、ご自分のからだの状態を考え、安定しているときに受診されてください。

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

妊娠中は、歯のトラブル以外にも口臭や口内炎ができやすくなったり、親知らずが痛くなったりする人も多くいます。

女性ホルモンのバランス変化により、だ液の質がネバネバしたものになりやすかったり、だ液が出る量も減少しやすいのです。

だ液は口の中の汚れを洗い流してくれる作用がありますが、その作用が低下し、口の中にさまざまなトラブルも起こしやすくなります。またつわりや食べものの好みも変化もプラスされ、妊娠中の口の中は普段よりも丁寧にケアしていく必要があります。

体調が悪かったり、つわりなどで毎日のケアが難しいこともあるでしょう。

歯をみがけないときは無理せずにうがいをしたり、洗口剤を使ったりなどできる範囲でかまいません。体調が良いときにしっかりと歯みがきをしていきましょう。

乳歯のむし歯予防〜乳歯はむし歯になっても大丈夫?〜

2023年10月3日

【むし歯予防が大切な理由】

乳歯の前歯などにむし歯ができると、歯の間が黒くなったり穴が開いたり、笑ったときに目についたり、見た目にも感じの良いものではありません。

また、乳歯の奥歯が大きなむし歯になると、冷たい飲み物を飲んだときや食べものを食べるときに痛むようになってきます。食事が楽しくなくなることや、偏食のきっかけになってしまったり、口臭の原因にもなります。

ひどいときには痛くて食べられずに食事の量も減ってしまいます。

むし歯がもっと重症化すると、乳歯が抜けてしまったり、抜かないといけないようなこともあります。

そのような状態まで放っておくと、乳歯の後から生えてきた永久歯の色が茶色や黒色に変わったり、かたちが本来の永久歯とはちがう変なかたちになって生えてくることがあります。

また、乳歯が早く抜けてしまってその隣の歯が倒れてきてしまうと、将来生えてくるはずの永久歯が生える場所が生えるスペースがなくなり、永久歯が生えにくくなります。

歯並びがガタガタになる原因にもなったりします。

このように、乳歯がむし歯になるとさまざまな不都合なことが起き、お子さんの将来の歯の健康や歯並びにも大きな影響を与えてしまいます。

 

【むし歯になった歯は、もとどおりには治らない】

ちょっと切った傷や、すれてしまってできた傷は、ある程度の期間が経つと自然にもとどおりに治りますが、

一度できてしまったむし歯は自然には治りません。

むし歯菌でこわされた歯の色やかたちは自然ともとには戻りません。

ですので、むし歯には予防が一番大切なのです。

 

【むし歯の予防のしかた】

むし歯はばい菌(細菌)の感染によって起きます。

つまり、むし歯は細菌が作るのです。

この細菌の種類には

・ミュータンス菌

・乳酸桿菌

と言われるものがあります。

 

この細菌から歯を守るため、以下の4つのことが重要になってきます。

①細菌が歯のまわりにつかないようにする

・歯ブラシによる歯みがき

・デンタルフロスや歯間ブラシなどでの細かいところもみがく

②細菌の活動を抑える、細菌を殺す

・甘いものや糖分が含まれるものを控える

・洗口剤を使用する

③最近のつくる「酸」に抵抗できる歯の質にしていく

・フッ素などを使用していくことで歯の質が強化されます

④シーラントによって奥歯の溝を塞ぐ

奥歯の溝の深いところは歯ブラシが届きません。

その部分をシーラントという薄いプラスチックで奥歯の溝を塞いで、虫歯になるのを予防することができます。

【歯みがきの基本】

むし歯を予防するために一番大切なことは歯みがきです。

そしてその目的は、歯垢(プラーク)という歯の表面についた汚れをきれいにとることです。

毎日歯みがきをしていると言っても、ただ口の中に入れた歯ブラシで考えなしに歯をみがけば良いというわけではありません。

プラークがたまりやすい場所をきちんと理解し、そこをめがけてきれいにみがくことで、歯みがきの時間も短縮され、効果もアップします。

プラークは歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間に多くたまる傾向にあります。

歯ブラシのときは歯の表面もそうですが、特にこのような部位も気をつけてみがいていきましょう。

 

〈仕上げみがき〉

子どもは10歳くらいまで、自分で歯みがきをしても自分の歯を十分きれいにすることはできません。

自分で自分の歯をみがいて、きれいにするんだという気持ちを育てるのは大切なことですが、自分で隅々までみがける時期までは保護者の方が仕上げみがきをしていきましょう。

 

①歯をみがく体勢、みがき方

歯みがきをできるだけ短い時間で終わらせるには、どういう状態でみがくかも大切なポイントです。

子どもを仰向きに寝かせて、保護者の方が子どもの頭の上からのぞきこむように歯みがきするのが良いかと思います。

あまりに大きな口を開けさせると、頬がつっぱり、奥歯の後方まで歯ブラシが行き届きません。奥歯をみがくときは、イーっと歯を噛ませた状態で唇を手で持ち上げてきちんと奥まで見ながらみがくのが良いでしょう。

どこの歯に歯ブラシが当たっているかを確認しながら、1本の歯につき、4~5回歯ブラシでゴシゴシみがくように意識するのも大切です。

 

②歯ブラシの選び方

ブラシの毛はあまりに硬いと歯ぐきを傷つけますし、痛いです。

硬さは「普通」のものを選びましょう。

お子さんに持たせるものと仕上げみがき用の歯ブラシは分け、

仕上げみがき用は

・植毛部の長さは歯2本分くらいの幅

・柄の部分は保護者の方が持ちやすく、やや広めのもの

などが望ましいでしょう。

横から見て、毛先が広がってきたら歯ブラシの交換時期です。

1か月に1度くらいの頻度で交換しましょう。

 

 

③デンタルフロス、歯みがき粉、フッ素などの取り入れ方

*デンタルフロス*

歯と歯の間は歯ブラシではみがくことはできません。

デンタルフロスを使って、隙間をみがいていきましょう。

使用方法としては、約30センチくらいに切り、両手の人差し指か中指に巻き付けて使います。滑らせるようにして歯と歯の間にすべりこませ、両側の歯の面にフロスを沿わせて汚れをかき出します。

ワックスがついているものと、ついていないものがありますが、乳歯の場合はどちらでも構いません。

ホルダー付きのデンタルフロスの方が使いやすかったら、そちらでも大丈夫です。

経済的なのは指に巻き付けるタイプでしょう。

積極的に使う部位としては、奥歯の歯と歯の間です。

保護者の方が思うよりも食べものなどが奥歯の隙間につまっています。ずっと食べかすなどがつまっていると痛いですし、歯ぐきまで炎症をきたしていることもあります。

また、気づかないうちに大きなむし歯を作ってしまうこともあります。

1日に1回は使用するようにしていきましょう。

前歯に隙間がある場合は歯ブラシにてみがけるため、フロスを使わずにきれいにみがけます。ですが、隙間がなく歯の間がつまっている場合はフロスを使用し、きれいにしていきましょう。

 

*歯みがき粉*

いろんな種類のものがありますが、香料などの刺激が少なく、フッ素が配合されたものがいいでしょう。

つける量は年齢によりさまざまです。

泡でブクブクにならない程度の量がおすすめです。

特にフッ素入りにものは、種類によって推奨されている量を守りましょう。

 

*フッ素*

むし歯を予防するために、とても有効な手段です。

3~6か月ごとに歯科医院で塗布を受けると効果が高まります。

 

〈フッ素の3つの効果〉

・エナメル質を強くする

歯の表面にあるエナメル質という結晶を、フッ素が化学的に強くすることができます。

また酸に対する抵抗性を増やします。

 

・歯の再石灰化を促進する

エナメル質が酸によって溶け始めても(脱灰といい、カルシウムやリンが失われます)、フッ素が歯の石灰化(失われたカルシウム、リンが再び戻っていきます)を促進して、失われたカルシウムやリンをおぎなってくれます。

 

 

・細菌の活動を抑制する

フッ素イオンには抗菌作用があり、むし歯菌の活動を抑制します

またフッ素が入った液体で口の中をブクブクうがいをして、ご自宅でもフッ素によるむし歯予防をすることも可能です。3歳以上のうがいができるお子さんが対象です。

 

〈フッ素入り歯みがき粉について〉

フッ素入りの歯みがき粉にはごく微量のフッ素が含まれており、むし歯予防には有効です。

フッ素は自然界にあるイオンです。

摂取量が多くなると、歯に白色の斑点が出てきてしまったり、歯をつくる過程でも影響を与えたりもします。しかし、歯みがき粉に入っているフッ素の量は、適量を守っている限りそのような影響が出る心配はありません。

年齢により使用するフッ素入り歯みがき粉の種類も濃度も異なります。

もしご心配なときは、何をどのくらい使っていいか、お気軽にご相談ください。

 

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

乳歯であっても、むし歯になっていいことは一つもありません。

むし歯にならないためにはご自宅での毎日のケアはとても重要です。

歯ブラシの方法や注意点、使用する道具など、歯科医院でお手伝いできることはたくさんあります。

定期検診ではむし歯が大きくなる前の小さな変化に気づくこともできます。

むし歯予防のためにも、定期的な検診とフッ素塗布やシーラントなどの予防処置をおすすめします。

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当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
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