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お酒と口の健康の関係〜知っておきたい影響とケア〜

2024年1月27日

日々のストレス解消や楽しみの一環として、お酒を楽しむことは多いかもしれません。普段はあまり飲まれない方でも、仲間内での楽しい集まりやイベントなどでお酒を飲む機会はあるでしょう。お酒の飲み過ぎは健康にも影響を及ぼすことはよく知られているかもしれませんが、口の中にも影響を及ぼすことはご存知でしょうか?

むし歯や歯周病など、皆さんがご存知の口の病気も、お酒が影響を与えることはあります。しかし、だからといってお酒を飲んではいけないということではありません。お酒がどのように口の健康に影響を与えるかを正しく理解し、健康を害さないように楽しんでいくことが大事です。

今回はお酒が及ぼす口の健康への影響について解説していきたいと思います。

 

【むし歯とお酒の関係】

①お酒に含まれる糖質

アルコールそのものがむし歯を引き起こすことはありません。むし歯の原因になり得るのは、アルコールに含まれる糖質です。

お酒にはいろいろな種類がありますが、お酒に含まれる糖質は、むし歯菌にとっては格好のエサです。糖質が多く含まれているアルコールを摂取するほど、むし歯のリスクは高くなります。また、お酒が長い間口の中に入っていたり、そのまま歯みがきをせずに寝てしまったりすると、口の中は酸性に傾き、歯が少しずつですが溶けていきます。その結果、むし歯になりやすい状況になってしまうのですね。

お酒にもさまざまな種類がありますが、具体的には、原料に酵母を加えることによりアルコール発酵させて作る“醸造酒”や、醸造酒等に果実、薬草、香料などの成分を配合した“混成酒”は糖分が多いため、飲みすぎはおすすめできません。多飲することでむし歯になるリスクを高めてしまうことがあります。

また、お酒にはよく炭酸を使用したものもありますが、炭酸飲料も口の中を酸性にしてしまうため、むし歯やプラークの原因となってしまう可能性があります。また、他にも酸性のお酒としてワインなどがあります。

 

②むし歯になりにくいお酒

では、何のお酒でもむし歯になりやすいかというとそうではありません。

先ほど紹介した醸造酒、混成酒の摂取割合を少なくし、なるべく“蒸留酒”を飲むといいでしょう。

蒸留酒とは、醸造酒に熱を加えて気化させ、冷却して再び液体化したお酒のことであり、以下のものが当てはまります。

・ウイスキー
・ブランデー
・焼酎 など

 

③むし歯にならないために

長時間ダラダラとアルコールを摂取し続けないことも、むし歯予防につながります。

お酒を飲むときは長時間飲み続けるという方も多いですが、アルコールやおつまみなどの食べ物が口の内に長い間ある状態が続くと、むし歯の原因となる酸が発生しやすくなるためおすすめはできません。

 

【お酒と歯周病の関係】

①お酒は歯周病にどんな影響もたらすのか?

結論から言うと、お酒そのものが歯周病に悪いわけではありません。

しかしながら、お酒を飲むと酔っ払ってしまい、気持ち良くなってそのまま寝てしまう方もいるかもしれません。また、面倒であったりしてお酒を飲んだまま歯みがきなどのケアをしないまま翌朝を迎えることもあるでしょう。

そのようなことが多いことから、お酒は歯周病を進行させる原因の一つと言えるでしょう。

また、寝ている時というのは、通常の起きているときと比べて口の中のだ液の量は減少しています。だ液には口の中を潤すだけでなく、洗浄や殺菌効果があります。夜寝ている時にだ液が減少することで口の中は有害な菌が繁殖しやすくなっています。

お酒に含まれるアルコールは脱水作用があるため、だ液の分泌も減少します。これにより口の中が乾燥し、むし歯や歯周病のリスクが高まります。

もしも酔っ払ってしまっても、きちんと歯みがきを怠らずに行うことを忘れないでください。特に寝る前の歯みがきはむし歯や歯周病の予防に役立ちます。

 

② お酒に弱い人は歯周病のリスクが高まる可能性がある

お酒を飲んだ時に、何も変わらない人がいる一方で、顔が赤くなったり、心臓がドキドキしたり、脈が速くなったり、または頭痛やめまいなどを感じる人もいます。こうした方の身体に対しての影響の原因は何かというと、アルコールが分解されてできる「アセトアルデヒド」という成分に含まれる毒性が原因となっています。

人間の身体にはアセトアルデヒドを分解して排出する機能があるのですが、それには個人差があり、分解能力が低い人は上に記したような症状が出やすいのです。その分解能力の違いの原因は何かというと、一人ひとりの酵素活性の高さによって分解能力が決まるのです。

分解酵素の1つであるALDH2(アセトアルデヒド脱水素酵素2)という活性酵素には、個人差が非常に大きいこと、酵素活性は遺伝によって決まっていること、この2つがこれまでの研究で明らかになっています。

この酵素のタイプを大きく分けると、次の3タイプが存在します。

・お酒に強い活性型(GG型)       ・・・日本人では56パーセント

・すぐ顔が赤くなる不活性型(AG型)   ・・・日本人では40パーセント

・アルコールを受け付けない失活型(AA型)・・・日本人では4パーセント

これに対し、白人や黒人の人々は、ほぼ100%が活性型でお酒に強い方が多いとのことです。

活性型と歯周病の関係を研究した結果によると、お酒を飲んで顔が赤くなる人の歯周病リスクは、飲まない人の4.28倍も高くなることがわかっています。一方、お酒を飲んで顔が赤くならない人は、飲まない人と同程度のリスクと言われています。

結論としては、お酒を飲んで顔が赤くなる方は、歯周病になりやすい方であると言えるでしょう。そのような方は、飲みすぎず、身体に無理のない範囲でお酒との上手な付き合いをしてください。そして、歯周病からお口の健康を守るためにも、より一層歯周病予防に力を入れられることをおすすめします。

また、ここでひとつ気をつけてほしいのが、お酒に強い人は歯周病リスクが低いので予防をしなくても大丈夫と言うことではありませんので注意しておきましょう。

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

お酒を飲むことは楽しみの一つですし、止める必要はありません。しかしながら、その影響を正しく理解し、適切なケアを行うことで、健康な口腔状態を保つことが重要です。お酒を飲む習慣のある方は、飲んだ後にどのようにケアを行うべきか、どのような点に注意したらいいかなど、通常の定期検診でお話しすることも可能ですので、お気軽にご相談ください。

お酒を楽しみながら、口の健康も守っていきましょう。

「1歳6ヶ月未満の子ども」〜口の中の特徴と気をつけるポイント〜

2024年1月20日

1歳ごろの口の中は、上下の前歯 (4 本ずつ)が生えそろっている頃です。

月齢に応じて歯が生えてこないので不安に思われることもありますが、発育段階というのはあくまでも目安です。身長や体重に個人差があるように、お口の発育にも個人差があります。

まずは成長の過程を見守っていきましょう。そして、歯が生えてきたら、はじめての歯みがきを始める準備をしていきましょう。

今回は、はじめての歯が生えてくる頃に気になることや、気をつけるポイントも合わせて考えていきましょう。

【むし歯にはいつからなるの?】

生まれてすぐの赤ちゃんの口の中には、むし歯菌はいません。むし歯は、大人の使っている歯ブラシを子どもが口の中に入れたり、食べかけたものを与えたりすることで、むし歯菌がだ液を介してうつっしまうことから始まります。

保護者の口の中が汚れていたり、むし歯が多いと子どもにむし歯菌がうつるリスクが高くなります。ですから、家族みんなで定期的に歯科医院でメインテナンスをして、お口の健康を保っていくことが大切です。

 

【甘い飲みものは、飲ませていいの?】

ジュースやイオン飲料は酸性の飲み物です。そのため、酸が歯に接している時間が長くなることで、歯が溶けやすくなります。甘い飲みものを飲ませると、子どもは喜ぶかもしれませんが、口の中の環境にとっては良い状況とは言えません。哺乳瓶やストロー付きマグなどで甘味飲料を長時間飲まないように注意していきましょう。

 

【フッ化物(フッ素)塗布は、いつから始めればいいの?】

フッ化物にはむし歯予防効果があります。 歯科医院では積極的にフッ化物によるむし歯の予防をおすすめしています。上下の前歯が生えそろったら、歯科医院で フッ化物塗布を受けることをおすすめします。基本的には1年に2 回以上、継続的に受けることが効果的です。

 

【指しゃぶり、おしゃぶりをしているんだけど、どう対応したらいいの?】

しゃぶる行為には、緊張した時や不安な時に気持ちを鎮める効果があります。

ですから、無理にやめさせるのではなく、声かけをしたり、一緒に遊んだりして、しゃぶる頻度を減らしていくことからはじめましょう。 その後もずっとしゃぶる行為をやめず、離乳が完了して奥歯のかみ合わせができた後も続いていると、歯ならびやかみ合わせにも影響が出やすくなります。

おしゃぶりは 2 歳を過ぎたら、 指しゃぶりは 3 ~ 4 歳頃にはやめられるのが理想です。

 

【かかりつけの歯科医院は、この時期には必要なの?】

自治体における歯科健診(1歳半健診)が開始されるのに合わせ、歯科医院に通う習慣を始めてみるといいでしょう。子どもの口の発育段階に合わせて、歯みがきの方法などの指導を受けたることができます。この時期は、自宅では仕上げみがきがなかなか上手にできないなどと、不安に思うことも多くあるでしょう。仕上げみがきの状態もチェックしていくことができます。

また、歯科医院で定期的に口の健康状態をチェックすることで、必要に応じて歯や口に関する相談もすることができます。

 

【月齢による歯みがきの考え方】

・生後5~6ヶ月

下の前歯あたりの歯ぐきが固くなってきます。これは、もうすぐ歯が生えてくるサインです。

歯が生えてきたら歯みがきをしていきますので、口の中を触られるのに慣れていくことから始めていみましょう。頬に触れたり、口の近くを触られることからだんだんと慣らしていきましょう。

方法としては、清潔な大人の指で口の中をふいてあげるなど、スキンシップをとっていくことから始めます。

・生後7~8ヶ月

上下の歯が2本ずつ生え始める時期です。

歯が生えてきたから、さぁ歯みがきだ!と慌てる必要はありません。

すぐに歯みがきをしようと焦らずに、まずは歯みがきの準備をしていきます。いきなり歯ブラシを入れると、今までにない刺激で赤ちゃんはびっくりしてしまいます。湿らせたガーゼなどで歯をふいてあげましょう。

・生後9~11ヶ月

上下の前歯が 4 本ずつ生えている状態です。

奥歯のあたりの歯ぐきにもふくらみが出てきた頃でしょう。

口の中をガーゼでみがくことに慣れたら、次は歯ブラシを使って歯に触れてみましょう。いきなりゴシゴシと力いっぱいにみがくのではなく、歯ブラシに慣れてもらうイメージでしていくのがいいでしょう。

最終的には、歯をきれいにみがいていくことが重要ですが、まずは歯ブラシに慣れさせて、しばらくして慣れてきたらやさしい力で、1 本ずつみがいてみるといいでしょう。

・1歳~1歳6ヶ月

奥歯が生え始める時期です。

もしかしたら、奥歯から生えてきた歯がむずがゆいのか手でよく触っているかもしれません。

この頃には、朝晩の歯みがきを少しずつ習慣にしていくといいでしょう。

自分で歯ブラシを持ってみがきたがることもあるでしょう。その時は、必ず座らせて、目を離さないようにしてください。 歯ブラシを加えたまま転んでしまったりすることで、歯ブラシが口の中に刺さってしまう事故も考えられます。子どもに渡す歯ブラシは、仕上げみがき用の歯ブラシと別のものを用意しましょう。のど突き防止歯ブラシの使用もおすすめです。

もしも本人にみがかせる場合は、その後に必ず仕上げみがきをしていきましょう。

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

歯が何もなえていない状態から、乳歯が生えそろうまでには口の中にはダイナミックな変化が起こっています。いきなり赤ちゃんをびっくりさせるのではなく、優しく慣らしながら歯ブラシを覚えていってもらいましょう。

もしも口の中の変化や、ご自宅でのみがき方に不安があるときはお気軽にご相談ください。

歯の神経の治療ってどんなことをするの?〜根管治療について〜

2024年1月13日

歯ぐきの膿が溜まってしまったり、歯の神経が死んでしまった場合に行うのが根管治療です。歯の根っこである「歯根」を治療していきます。

歯の内部には歯髄腔と呼ばれる空間があり、その中には神経や血管などの入った組織が入っています。歯髄腔は歯根の内部にある根管という管につながっていて、神経や血管もその内部を走って、歯の外側に通じています。根管治療はこの「根管」を清掃・消毒する治療です。

 

【治療の期間はどれくらいかかるの?】

根管治療は、歯の根っこの部分の治療ですので、大変細かい作業となります。また、時間もかかる処置です。早い方は数回で終了しますが、歯の形状や症状の度合いによって、どれくらいの治療期間がかかるかは変わってきます。

長い場合は、数ヶ月、それ以上かかることもあります。

 

【根管治療の流れ】

根管治療の内容は、段階に応じて各ステップに分かれています。

①ステップ1:根管内のものを除去する

歯の根にまだ神経が入っている歯の場合には麻酔をして、神経と共に歯髄を取り除きます。
もしも神経をすでに取り除いてある歯の場合には、詰め物や被せ物を取り外してから、根管内に以前の治療で詰めた薬を取り除いていきます。

 

②ステップ2:根管の壁を清掃する

歯の根の壁をお掃除していきます。

この作業はとても重要で、治療の予後にも大きく影響してくるものです。根の形によって、清掃が複雑になることもあります。

歯の根っこ自体はとても細いものですので、使用する器具としては専用の針のように細いものを用いますリーマーやファイルと呼ばれるもので、さまざまな太さがあり、ギザギザが付いた針のような細い器具を使っていきます。

 

③ステップ3:根管を消毒する(数回)

根管の清掃が終わったら、細い根管まで行き渡るように専用の綿に薬をつけて消毒を行います。
綿がきれいになるまで、また症状が取れるまで薬の交換を繰り返します。

 

④ステップ4:根管に最終的な薬を詰める

根管の症状が取れたら、根管内に薬を隙間なく詰めていきます。これにより、根管内に細菌が入り込まないようにしていきます。

ここまでが根管治療の一連の流れです。

 

 

【根管治療中の痛みについて】

根管治療を行う場合、神経がまだ生きているときには麻酔をしてから処置をするため、麻酔が効けば治療中に痛むことはありません。

しかし、神経の炎症がひどい場合には麻酔があまり効かないこともあります。

一方で、麻酔をしないまま処置を行うこともあります。神経が死んでいたり、神経がない歯の場合は、麻酔をしなくても痛みが出ないことが多いため、そのまま麻酔をせず行うことがほとんどです。

ただ、根の先端に神経が残っている場合や、根の周囲の炎症が強くて痛みを伴う場合には麻酔をして行うこともあります。その歯の状態によって、麻酔をするかは判断していきます。

 

【どんな時に根管治療が必要なの?】

①歯の神経が炎症を起こし、ズキズキと痛むとき

むし歯が進行してしまうと歯髄に達して神経が炎症を起こします。その結果、ズキズキとした痛みが出るのです。このような場合、痛みも強く出ることもあり、早期に歯髄を取り除く必要があります。その後、空っぽになった根管を消毒し、きれいになったところで薬を詰める治療を行います。

 

②神経がない歯なのにズキズキしたり、かむと痛い時

痛みが出るのは神経がある歯だけではありません。神経を取った歯でも痛みが出ることがあります。これは根の奥に細菌が繁殖して炎症を起こしてしまっているような場合に起こります。
炎症を取り除くため、根管治療を行い、内部を消毒して清潔にしていく必要があります。

 

③歯の根の先に膿がたまった時

神経が死んでしまっている歯や神経を取って治療済みの歯の根の先端に膿がたまることがあります。これは根の内部にある細菌が増殖して、根管の外に膿をためてしまっている状態です。ご自分で痛みとして感じることもあれば、無自覚で定期検診などでレントゲンX写真を撮った際に偶然発見される場合もあります。放っておくとだんだんと悪化するため、すみやかに根管治療をしていくことが重要です。

 

④歯ぐきに白いかたまりのようなものができた時

歯ぐきにプツッと白いニキビのようなものができることがあります。ご自分で気づくことも多いです。これが長期間消えずにある場合は、根の先端の膿が溜まっている場所から歯ぐきに膿の出口を作っている可能性が高いです。この場合、レントゲンX写真によって確認していきます。

レントゲンにて根の先端の膿だまりが確認された場合、根の治療をする必要があります。

 

⑤歯ぐきが腫れた時

歯ぐきが腫れる原因が、上でご説明したような根の先端の膿が溜まっているような場合は、根管治療を行う必要があります。

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

このように歯の神経の治療といっても、さまざまな症状から状態を適切に診断していく必要があります。レントゲン撮影などの必要な検査を行い、どのような原因で今の症状が出ているかを調べてから処置を進めていきます。

歯の形態や状態によっては治療期間が長くなることもありますので、一概に何回で終わる処置とお伝えできない場合もありますのでご注意ください。

口の中に傷やできものができた場合

2024年1月5日

気づいたら口の中に傷ができて痛かったり、できものができて気になったことがないでしょうか?放っておくべきか、歯科医院に見せに行くべきか分からないこともあるかと思いますが、どのようなことが考えられるかについてご説明していきます。

 

【感染しているかも?】

もしも痛みや炎症がある場合は、感染している可能性があります。

うがいなどをして口の中をまず清潔にしましょう。様子をみても治らないときや腫れて膿がたまるような場合は、歯科医院に来院されてください。必要ならばレントゲン写真などの検査をしていきます。もしも必要ならば、専門の口腔外科の受診をおすすめします。

痛みもなくできものがだんだん大きくなるような場合は良性腫瘍やがんの可能性もありますので、気になる方は歯科医院での診察を受けましょう。

 

 

【どのような可能性が考えられるか?】

①褥瘡性潰瘍(じょくそうせいかいよう、外傷性潰瘍ともいいます)

とがった歯やとがった歯のかぶせ物や詰め物、あわない入れ歯などがこすれて傷を作るような、慢性的な刺激があると潰瘍(かいよう)になることがあります。この場合は、舌で触ったりすると鋭利な面があるので、ご自分でも原因が分かりやすいかもしれません。

傷口は平たい灰白色や黄色の膜で覆われていて、痛みはあまり強くはありません。

治療法としては、あたっている尖った歯を丸めてもらったり、入れ歯の修理をすれば、10日くらいで治ってきます。

 

②口腔がん

体の各種臓器にもがんはできますが、口の中にもがんができることがあります。特に、口の中にできる悪性腫瘍を特に口腔がん(こうくうがん)といいます。これは、口の中のさまざまな所にできるがんです。

一般的に知られている胃がんや肺がんと違って、ほとんどのがんが目で直接見ることができるのが口腔がんの特徴です。

潰瘍になるものが殆どで、見た目には口内炎やその他の潰瘍と似ているので、気づかないこともあります。その他の潰瘍とくらべて、痛みも少ないのが口腔がんの特徴です。他のがんと同様に、きちんとした治療が必要です。

症状としては、ほとんどの場合、初期のがんでは自覚症状も少なく痛みもほとんどないようです。
進行すると、さまざまな自覚症状が現れてきます。

主な自覚症状としては、痛みが最も多いです。例えば、食べ物がしみたり、口内炎がなおらなかったり、首のリンパ節がはれるなどの症状があります。
また次のような症状も見られることもあります。
・容易に出血したり治らない腫れがある

・舌や粘膜の上の色が変化(白・赤・黒に見える場合があります)した

・しこりがある

・厚くなったざらざらの点、かさぶたや潰瘍ができた

・口の中の痛みやしびれ感がある

・物が噛みづらい

・飲み込みにくい

・話しづらい

・顎や舌が動かしにくい
・噛み合わせが変わった

・急に義歯が合わなくなった

このような症状が現れてきますが、とくに自覚症状がない場合もあります。

原因としては、口の中が不衛生な人、う蝕や義歯で常に舌などに刺激がある人が多いようです。また、他のがん同様にタバコやお酒も発生原因であるともいわれています。

 

【がんの診断】

もしも、がんの可能性が疑われる場合、診断としては超音波検査などの画像検査を行う他に、表面をこすったり、細胞を吸い取ったりして悪性度を調べる細胞診検査があります。また、腫瘍の一部を切り取って調べる組織検査などが一般的なものです。
がん細胞が発見され、がんと診断がつけば、病変の大きさや根の深さや広がりの程度を正確に診断するために、CT検査やMRI検査などの画像検査を行い、治療方針を検討します。

 

【最も多いがん】

舌がんは、口腔がんの一つで、口のなかにできるがんの中では、最も多いがんです。

発生頻度も口のなかにできるがんの中で1/3以上を占めます。そのほとんどが 扁平上皮癌というものです。男女比は約2:1と、男性に多く見られのが特徴です 。

舌がんの原因は、はっきりとはしていません。

しかし、歯並びの悪い歯や、破損した金属冠や尖った角のある食品などが常に舌に当たったりすることによる慢性的刺激によって、舌に潰瘍や小さなしこりができ、長い期間刺激が続くことにより、それが誘因となり発生することがあります。
また、熱い食品によるやけどや度重なる過度な刺激が誘因となることもあります。習慣的な喫煙の習慣や飲酒による慢性的刺激もがんの発生の要因となる可能性があります。
さらに、刺激の強い香辛料や酸味・アルカリ分の強いもの、高塩食品などによる刺激も、口腔内の粘膜を損傷する可能性があり、発生リスクが高まるといわれています。

このようながんは、他のがんと同様に、早期発見、早期治療が最大の良い結果を与えることはいうまでもありません。周囲組織への浸潤(ひろがり)がなく、腫瘍の大きさは2cm以内で、リンパ節に転移のないものほど予後は良好です。

 

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

何気ない傷やできものだと思っていても、なかなか治らなかったりした場合にはきちんとした原因があります。もちろん、ただの口内炎であったり、よく舌をかんでしまうことによるものであることも少なくありません。また、歯の根っこの炎症によるものである場合もあります。

しかしながら、長引く口の中の異常は放っていても良いことはありません。もし何か気になることがあれば、お気軽にご相談ください。そして、このような病気を早期に発見するためにも日頃からのメンテナンスはとても役に立つものです。ぜひご活用ください。

抜歯後の再出血した時の対処法と注意点

2023年12月23日

抜歯を歯科医院で行い、血が止まったことを確認して家に帰ったのに、また出血してきて困った経験などはないでしょうか?出血量にもよりますが、不安になる方も多いと思いますので、今回はそのような場合の対処法と基本的な抜歯後の注意点についてお伝えしたいと思います。

 

【再出血した時の基本的な対処法】

もしも再出血してきた場合は、抜歯したところを清潔なガーゼやティッシュでしっかりとかみましょう。ガーゼまたはティッシュなどを、自分の歯と同じくらいの大きさに丸めて、30分間しっかりとかみ続けます。ゆるくかむのではなく、しっかりかむのがポイントです。
その後、出血量が減れば、問題ありません。

 

【抜歯後の注意点】

①うがいを控える

よく抜歯後に気持ち悪い、血の味がするからといって、何度もうがいをされる方がいます。

血が止まらないからといって口をゆすぎすぎてしまうと、血液のカサブタのようなものが剥がれ、血が止まりにくくなります。また、血液のカサブタができなければ再び出血してきてしまいます。
足を擦りむいてケガした時を思い浮かべてください。出血してから時間が経つと、血が固まってきてカサブタになっていますよね?お口の中でも同じことです。

出血している理由は、「傷口を治そうとしているため」なのです。
出血を気にして何度も激しくゆすぐことをせずに、清潔なガーゼやティッシュで圧迫して血を止めましょう。
もし激しくゆすいで血のカサブタができるのを妨げてしまうと、傷口が塞がらずにドライソケットと呼ばれる状態になってしまいます。

ドライソケットとは、抜歯した後の穴が血液で覆われず、顎の骨がむき出しになってしまう状態の事を言います。骨の上に歯ぐきが作られず、食事の際ものが入り込むと骨に直接当たるため激しい痛みを伴います。口を激しくゆすぐことを避ければドライソケットになることはありません。
抜歯後の血液は、粘膜を保護するのに大切な役割がありますので、特にうがいのし過ぎなどには気をつけましょう。

もし口の中に血が溜まってしまい気持ちが悪い場合は、吐き出すようにして、できるだけゆすがないようにしましょう。不快に感じる方もいるかと思いますが、1~2日は口を激しくゆすぐのは控えてください。

 

②血流が良くなるようなことはしない

具体的には、以下のことはしないようにしましょう。

・お酒を飲まない

・激しい運動をしない

・長風呂はしない

抜歯をした後にお酒を飲んだり、激しい運動や長風呂をすると、血の巡りが良くなって出血しやすい状態になり、再度出血することがあります。抜歯をした当日は、お酒を飲むことは控えて、運動などの血流が良くなりそうなことも翌日以降に行うようにしましょう。また、お風呂はシャワー程度にしてからだが温まり過ぎないようにしましょう。

抜歯をした当日~2日後は、だ液に血が混じったり、血の味がしたりすることはあるかもしれません。しかし、特に感染を起こすなどの異常がなければ、出血や痛みは徐々に軽減してきます。
歯を抜いた部分は触らないようにして、体を安静にしましょう。

 

③処方された薬はきちんと飲む

感染などのトラブルを避けるために、処方されたお薬は指示通りに飲んでください。

痛み止めの薬、感染予防の抗生物質を処方すつことが多いかと思いますが、痛み止めは痛みがあった時だけで大丈夫です。

抗生物質は痛みがなくても全て飲みきるようにしましょう。痛みがないからといって、途中で抗生物質を飲むのを止めてしまう人が少なくありません。しかし、抗生物質をこういった中途半端な使い方で服用することは非常に危険です。抗生物質は適切な濃度、適切な期間使用することで、抗菌力が効果的に発揮されるため、細菌は生き残ることができずに死滅します。もしも中途半端な濃度、中途半端な期間で抗生物質を使用すると、細菌は死なない程度の抗菌力によって、「耐性」を獲得してしまうことになるのです。

薬のアレルギーがある方や、現在別の薬を飲んでいる方は、事前に医師やスタッフにお伝えください。おくすり手帳をお持ちの方は、抜歯の際に持ってきていただけると幸いです。
薬を飲んでお腹がゆるくなったり、気分が悪くなったりしたらすぐにご相談ください。

 

④抜歯した部位を指や舌で触らない

歯を抜いた部位というのは傷口です。そのため、指や舌で触ってしまうとばい菌が入り感染をおこす原因となってしまいます。またせっかくできたカサブタがはがれてしまい、治りが悪くなったり痛みが出ることもあります。

気になるからといって、むやみにさわらないようにして下さい。

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

血が止まっているはずなのに血の味がするのは不安になりますよね。出血は止まっていても、通常は翌日くらいまでは「唾液に血がにじむ」ので、血の味がしたとしても、この程度であれば気にしなくても大丈夫です。口の中は常にだ液が流れているので、だ液と血液が混じることでにじんだ程度の血の量でも多く感じてしまいがちです。抜いたところからダラダラと絶えず目に見えて出血し続けていて、かんでいるガーゼなどがすぐに血で染まってしまうようであれば、対処が必要です。しかしながら、実際はそこまでの量ではないことがほとんどです。

また、もしもドライソケットになったしまった場合は、抜歯後2~3日で痛みが出始め、ズキズキと激しく痛むのが特徴です。もしも抜歯後、痛みが長引いて弱まらない(2週間程度、あるいはそれ以上)、特に飲食時の刺激で痛むなどの症状がありましたら、すぐに歯科医院に来院してください。

抜歯後は傷がある状態ですので、日常生活に支障はないですが、血の巡りが良くなるようなことや抜歯後の穴を傷つけるようなことはやめましょう。

細菌以外の原因で歯がだめになる?〜咬耗症について〜

2023年12月17日

むし歯や歯周病が口の中の細菌によって歯をダメにしてしまうことはみなさんよくご存知のことかと思います。では、細菌以外のものによって歯がもろくなったり、傷んでしまうことがあるのをご存知でしょうか?

むし歯、歯周病につづく歯科疾患として知られるのがtooth wear。初めて聞かれる方も多いのではないでしょうか。

聞きなれない言葉だと思いますが、歯科の用語で、口の中の細菌が原因ではないのに、歯が溶けたりかけたりする病状のことを意味します。

Tooth Wearは大きく4つに分類されます。

・咬耗症(こうもうしょう)

・磨耗症(まもうしょう)

・酸蝕症(さんしょくしょう)

・アブフラクション

これは、生活習慣・口腔習癖によって引き起こされる歯の病気と言えるかもしれません。

今回はこのTooth Wearの中でも、咬耗症についてご説明していきたいと思います。

 

【咬耗症ってどんなもの?】

通常、食事をするをときには、上の歯と下の歯は接触してかみ合うことによって、食べ物をかみ砕きすり潰しています。そしてそれが、体内に運ばれ、栄養となります。

この時、上の歯と下の歯はほんの少しずつですが削れていっています。実際に生えたての歯というのは尖っているのに、使っているうちに丸っぽくなめらかになていくものです。生えたてのお子さんの歯を見ると、想像しているよりも鋭利な部分もあるのが特徴的です。

咬耗自体は、誰にでも起こっているものであり、特別珍しいことではありません。使っているうちに道具の形が変わっていくことに似ています。

毎日の食事によって少しずつ歯への負担は増加していきますが、他に悪い口腔習癖や歯への負担となる食生活などによりさらに歯が削れてしまいます。

これが病的に現れたものが咬耗症です。

 

【咬耗症の原因は?】

咬耗症の原因としてはさまざまなものがあります。

①歯ぎしりやかみしめ

寝ている間の「歯ぎしり・かみしめ」を無意識のうちにやってしまっている方もいるのではないでしょうか?起きたら顎がなんだかだるかったり、痛いこともあるかもしれません。

また「食いしばり」も歯には強い力がかかっています。特に寝ている間というのは、起きているときよりも更に強い咬合力がかかっているというデータもあります。このような習癖がある人は気をつけなければなりません。

②食習慣

・硬い物をかむのが好き

硬いものをかむのは悪いことではありません。しかし、その頻度が問題です。
過度に氷やするめなどの硬いものを好んで食べていると、時に歯がすり減るだけでなく欠けてしまうこともあります。

・咀嚼(そしゃく:食べ物を噛む動作)時間
丸呑みせず、しっかりとかむことは大事です。

ただ、咀嚼時間が過度に長いとそれだけ、歯に負担がかかり歯がすり減ってしまう可能性はあります。適度にかむことを意識してください。

 

【咬耗症をさらに悪化させる増悪因子】

①歯並び

歯並びやかみ合わせが悪く理想的な位置に歯が並んでいない場合、上の歯と下の歯の噛み合わせが、どうしても強くぶつかり合ってしまったり強く擦れてしまう事があります。そうすると、その歯の強く当たっている所だけが過度に削れて形が変わってしまいます。

変に歯がすり減っていたり、形が変わっているところがあるときは要注意です。

②被せものや詰めもの

クラウン(被せもの)やインレー(詰めもの)が歯よりも硬い素材のものだと、かみ合う相手の歯はその硬さに負けて少しずつすり減っていきます。

【咬耗症の症状】

咬耗症は、気づかないうちに日々の積み重ねによってジワジワと歯が削れていきます。

実際にどのような症状が起こるのでしょうか。

①歯の形が変わっていく

上の歯と下の歯がかみ合っている部分が異常に削れてしまっている場合などは、咬耗症と診断されます。少しずつの変化は気づきにくいかもしれませんが、もともとの歯の形から大きく変わってしまっている場合などはご自身が目で見て分かるでしょう。

②知覚過敏

ご自身で一番分かる症状としては「知覚過敏」です。

これは、歯の表面を覆っている硬いエナメル質というものが、徐々に削れていくことによるものです。エナメル質がすり減って無くなってしまうと、エナメル質の下にある象牙質が表面にむき出しの状態になります。象牙質には、神経へと続く象牙細管(ぞうげさいかん)という細い管があるので、象牙質がむき出しになると痛みを感じるようになります。

これによって、冷たいものなどがしみる知覚過敏になるのです。

 

【咬耗症の治療】

治療法は、患者さんの症状の進行具合や原因によってそれぞれ異なります。

①食生活・生活習慣について

まずはご自身の食生活・生活習慣をお聞きして、咬耗症となっている原因をできるだけ取り除くことから始めます。まずはご自身が「なぜ咬耗症になったのか?」を自覚することが重要です。そして、日常生活においてできるだけ歯への負担をかけないようにしていきましょう。

②寝る時にマウスピースを使用する

寝る時の歯ぎしりや食いしばりが強いことにより咬耗症が起こっている場合には、少しでも歯がすり減ってしまうのを防止するためにマスウピースを作成し、寝るときに使用してもらいます。

このマウスピースは歯形を採ることにより、一人一人オリジナルのマウスピースを作ります。これは歯科医院でしか作ることはできません。

保険で作成することはできますが、マウスピースを失くしてしまったり壊してしまっても、一度作ると最低半年間は作り直すことができませんので気をつけましょう。

③矯正治療を行う

かみ合わせや歯並びが悪いことによって起こっている咬耗症には、それを解消するために歯科矯正が必要になります。

④知覚過敏の治療

冷たいものがしみる知覚過敏には、その状態によって治療法はさまざまですが、薬剤を塗布する方法やプラスチックの材料などを使って削れているところを覆う治療を行う方法があります。

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

ただ歯がすり減ってきたからと放置していると、知覚過敏などの症状が出たり、気づかないうちに症状が進行していることもあります。もしも変だなと思うことや痛みなどの症状が出た場合は、すぐにご相談ください。

また定期的なメンテナンスを続けていくことで、少しずつの変化に歯科医院のスタッフも気づくことができ、その都度適切な指導をすることが可能になります。

歯石には種類がある?隠れた歯石?

2023年12月9日

歯石がついているから気になったり、歯石を取ったらザラザラがなくなってスッキリした経験はあるのではないでしょうか?

では歯の石と書く歯石とは、実際には何かご存知でしょうか?

今回は歯石について、その成分や隠れた歯石についてもご説明していきます。

 

【歯石とは?】

歯石とは、歯についた歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の固まりが、唾液の成分で石灰化を起こして固まったもののことを意味します。ブラッシングでみがき残した歯垢というのは2日ほどで石灰化が始まります。そして、その後、約15日間で歯石に変わってしまうと言われています。

数日みがき残してしまうことで、このような変化が起こるため、毎日きちんとブラッシングすることが重要なのです。

歯垢はやわらかいので、爪などで擦ると取れますが、歯石は歯にこびりついているため、自分でみがいても取ることは難しいです。実際に、目で見えているのに取れないなと感じている方もいるのではないでしょうか?

 

 

【歯石を取るために】

通常、歯石を取るのは歯科医院で行います。

市販でも歯石をとる道具は販売されていますが、よく分からないまま無理に取ろうとすると、歯の表面や歯ぐきを傷つけてしまうため危険です。そのため、必ず歯科医院で取るのをおすすめしています。

 

【見えている歯石と隠れた歯石?】

みなさんが見えている歯石は、白いものがほとんどではないでしょうか?実際に、歯垢かと思ってみがいても取れないのがこの歯石です。

実は、歯石には白いものだけでなく黒いものもあるのです。

自分で鏡などで認識できるのが、歯ぐきの上にできる白い歯石です。専門的には「歯肉縁上(えんじょう)歯石」といいます。

そして、もう1つは歯ぐきの下にできる黒い歯石です。専門的には「歯肉縁下(えんか)歯石」といいます。ほとんど見ることはできませんが、稀に歯周病がかなり進行している方などは、歯ぐきがブヨブヨに腫れて、その部分の歯に黒くて硬いものがついていることがあります。もしかしたらそれは縁下歯石かもしれません。

このように歯石には大きく2種類ありますが、それぞれ詳しく説明していきます。

 

①歯ぐきの上にできる歯石(歯肉縁上歯石)

歯ぐきの上にできる歯石のことを歯肉縁上歯石といいます。ほとんどのものが、目で見て確認ができる歯石です。

この歯石はどのようにできるかというと、だ液とカルシウム成分が結びついて歯垢(プラーク)が石灰化して歯石となって硬くなります。だ液腺のすぐ近くにできやすいのが特徴です。

認識しやすいのは、下の前歯の裏側と上の奥歯の外側ですが、ベロで触ってみるとガサガサしていたり、自分で鏡で見ると付いているとわかるのではないでしょうか。

色は乳白色や黄白色をしています。

その他にも何個か特徴が挙げられます。

・歯肉縁下歯石と比べると量が多い

・比較的、できるのが早い

・歯肉炎の原因となる

・歯肉縁下歯石よりやわらかく、比較的簡単に取り除くことができる

・歯肉縁下歯石に比べて病原性は弱い

歯肉縁上歯石は、歯垢が原因です。そのため、正しいブラッシングをすることによって防ぐことができます。日頃からのブラッシングがきちんとできているかの確認にもなりますね。

 

②歯ぐきの下にできる歯石(歯肉縁下歯石)

歯ぐきの下にできる歯石のことを歯肉縁下歯石といいます。

歯石といえば、白っぽい色をイメージするだった方にとっては驚きかもしれませんが、歯肉縁下歯石は黒っぽい色をしています。歯肉縁下歯石は、歯周ポケットという歯ぐきの内側の深いところや歯の根元にくっついているため、直接見ることはなかなかできません。そのため隠れた歯石と呼ばれることもあります。

では、なぜ歯ぐきの下にある歯石は黒い歯石になってしまうのでしょうか?

歯肉縁下歯石というのは、歯垢に血が混ざることにより作られます。

歯肉縁下歯石が付いている場合は、歯周病がある程度進行している状態です。また、白い歯石でもそのまま放置していると、ザラザラした表面に歯周病菌が繁殖し、歯周病が悪化する可能性もあるので注意が必要です。

他の特徴としては次のものが挙げられます。

・歯肉縁上歯石と比べて作られるスピードが遅い

・歯肉縁上歯石に比べてかなり硬いため、取り除くのが難しい

・歯茎からの出血や歯周ポケット内の歯垢が原因になる

・歯肉縁上歯石に比べて病原性は高い

このように、普段、白い歯石しか知らなかった方からすると、黒い歯石も早く取る必要があることはわかっていただけると思います。

 

 

【歯石を取る方法】

歯科医院で歯石を取り除く際には、特殊な器具を用いて行います。特殊なフックのような形をした器具で、歯と歯のすき間をフックのような器具でカリカリとしたり、電動のシューっと音のなる器具で歯石を取ってたりします。この器具はスケーラーと呼ばれるものです。

スケーラーには2種類あり、ハンドスケーラーと超音波スケーラーとに分かれます。ハンドスケーラーは日用品店などでも見かけたことはあるかもしれません。微調整して動かせるため、狙った細かいところの歯石を取り除くのに便利です。

超音波スケーラーは水を流しながら、キーンと音がしながら歯石を落としていきます。

この2つのスケーラーを使い分けながら、丁寧に歯石を落としていきます。

白い歯肉縁上歯石であれば、スケーラーによって簡単に取り除くことはできますが、歯肉縁下歯石は、通常のクリーニングだと痛みを伴うため、麻酔をして除去をすることがあります。歯周ポケットの検査をして、状態が悪かったり炎症が強いときは麻酔をして歯肉縁下歯石を取り除いていく必要があります。

 

【 OCEAN歯科からのメッセージ】

このように歯石には2種類あります。どちらも定期的なメンテナンスをしていれば、きちんと除去することが可能です。

まずは歯科医院での歯周病の検査をして、歯ぐきの炎症状態や歯石がどれくらい付いているかを確認していくことが必要です。

定期的なクリーニングをしていくことで歯周病の進行を抑え、お口の健康を守っていきましょう。

入れ歯が壊れたときの対処法

2023年12月2日

使用していた入れ歯が壊れてしまった場合、とても困りますよね。

入れ歯は毎日のお食事だけでなく、発音や見た目にも影響を与えます。

今回は、入れ歯が壊れる原因を知り、壊れないためにどうしたらいいか、また壊れてしまった入れ歯はどうしたらいいかまで、対処方法や注意点についてご説明していきます。

 

【入れ歯の壊れ方:3つのタイプ】

入れ歯の壊れ方には、ある程度のタイプがあります。

ここでは、入れ歯の壊れ方に多い、3つのタイプについてご紹介します。

まず1つ目が、入れ歯にヒビが入ってしまった場合です。ヒビの程度にもよりますが、もしかしたらまだしばらくは使えるかもしれません。しかし、使えるからとそのまま放置して使用していると、ある日パックリ割れてしまう可能性があります。

2つ目は、入れ歯の一部が割れてしまう場合です。どの部分が割れてしまうかにもよりますが、この場合はなかなか通常通りの使用は難しいでしょう。3つ目は、入れ歯の「歯の部分」や金属のバネが取れてしまった場合です。この場合も、ガタついたり、かめなかったりと通常の使用はできません。

 

 

【壊れた入れ歯は治る?】

入れ歯の壊れた程度にもよりますが、修理して使用可能になる場合と、新しく作らなければならない場合があります。入れ歯は、患者さん一人ひとりの口の状態に合わせてとても緻密に作成されています。一部分だけが壊れたから、その部分だけ直せば良いのではないかと思われるかもしれませんが、その壊れた一部分によって全体的なバランスが崩れることもあります。ですので、もし入れ歯が壊れた場合は、ご自分でどうにかしようとせず、ぜひすぐにかかりつけの歯科医院やその入れ歯を作った歯科医院を受診されることをおすすめします。

 

【入れ歯が壊れたときに注意すること】

①壊れたまま、入れ歯を使い続けない
入れ歯が壊れたのに気づいたら、すぐに入れ歯を持って歯科医院を受診しましょう。

まだ使えそうだからと使い続けていると、少しの修理で直るはずだったものも作り直さねばならないほどに壊れてしまうことがあります。

入れ歯の作り直しには、時間とお金もかかってしまいます。そのようなことにならないためにも、入れ歯が壊れたことに気づいたら、すぐに使用をやめましょう。

また、壊れた入れ歯を使い続けることで、壊れた部分が口の中のやわらかい粘膜などを傷つけたり、壊れた破片を飲み込んでしまう危険性もあります。そうなってしまうと大変危険ですので、自己判断では絶対に使い続けないでください。

 

②自分で修理をしない

入れ歯が壊れると非常にご不便だと思います。すぐに使えないと困ってしまうことや歯科医院に行く時間が取れなかったりすることもあるかもしれません。

しかし、ご自分で応急処置的に修理してしまうと後々、困ったことになることが大いにあります。

入れ歯はとても精巧につくられていますので、毎日使っていて形が分かっているからと修理しようと試みても、歯科の専門家以外の方が元通りに修復するのはほぼ不可能です。

ご自宅のペンチなどを使い、変形した金具の位置を元に戻そうと調整しても、入れ歯全体のバランスは元通りにならずにかみ合わせなどに悪影響を及ぼすこともあります。最悪の場合は、金具が折れてしまい、再度新しく作成する必要が出てくるかもしれません。

また割れてしまった部分を家庭用の瞬間接着剤でくっつけるのもやめましょう。

ズレた状態でくっついてしまうと、その後に歯科医院で修理するときに大変な手間がかかってしまいます。家庭用接着剤は口に入れても安全なものばかりではないため、健康に害を及ぼすことも考えられます。

歯科用の材料は、口の中に入れても安全なもので作られていますので、ご家庭にある材料で修理を試みるのはやめましょう。

 

③すぐに歯科医院を受診する

壊れた入れ歯の修理や材料の使用は、歯科医院で行うのが1番安全で安心です。

①、②にもあるように、大丈夫だろうと壊れた入れ歯を使い続けたり、修理をしてしまうことで、さらに破損したり、健康上の被害が出る危険性があるので、すぐに歯科医院を受診して適切な処置を受けましょう。

また「壊れたので使えないから」と、入れ歯が口の中に入っていない状態で長く生活していくのは、残された歯や歯並びにとっても良くはありません。残された歯は入れ歯が入っている状態でうまくバランスをとって並んでいます。長期間入れ歯を入れていない状態が続くと、残っている歯が空いたスペースに倒れてきたり、歯が残っているところのみに力がかかったりしてしまいます。

修理した入れ歯がうまく使えるようにするためにも、長期間の入れ歯の放置はやめましょう。

 

【入れ歯の壊れる原因とその予防方法】

①入れ歯を適切な方法でお手入れする
入れ歯を清掃するときは、適切なケア用品の使用をおすすめします。

研磨剤が多く含まれた歯磨剤や、あまりに毛が硬いブラシでゴシゴシ力を入れて磨くと、入れ歯の表面に傷がつきます。それが長い目で見ると、入れ歯がすり減ったり、壊れたりする原因になります。

また、きれいにしようと力が入ったままゴシゴシ清掃すると、その力に負けて入れ歯が壊れてしまうこともあります。入れ歯にはいろんな種類がありますし、それに応じた清掃方法がありますので、作成した歯科医師での清掃の指示に従ってお手入れをしていきましょう。

 

②入れ歯は水の中で保管する

入れ歯にはレジンという歯科用のプラスチックや特殊の樹脂を使用することがあります。これらの材料は、特に乾燥に弱く、長く乾燥状態が続くと、ヒビが入ったり割れたりすることがあります。寝るときなど入れ歯を外したり保管する場合は、必ず水に浸けておくようにしましょう。

 

③定期検診に行く
入れ歯に少しヒビが入っていたり、壊れる前兆に気づくためにも、歯科医院で定期検診を受けるようにしましょう。検診時に、入れ歯にヒビや摩耗がないか、口の中の粘膜に傷がないか、入れ歯がきちんと合っているか、かみ合わせのバランスに異常を来していないか、残っている歯にも問題がないか、などの項目を歯科医師がひとつひとつ確認することができます。

定期的な入れ歯のチェックをすることで、入れ歯も長持ちして、口の中の健康も維持し続けることができます。

 

④歯科医院で伝えられた指示を守る

入れ歯は、硬いおせんべいや、よく歯にくっつくキャラメル、ガムなどを食べることによって壊れてしまうことがあります。
入れ歯はとても精密にできているため、使用方法を正しく守って使用していかないと、口の中を傷つけてしまったり、思わぬ原因で壊れてしまうこともあります。せっかく作った入れ歯を良い状態で長く使い続けるためにも、歯科医院で伝えられた指示はしっかり守りましょう。

【OCEAN歯科からのメッセージ】

入れ歯が壊れたときにご自分で対処せず、すぐに歯科医院で対処する重要性をわかっていただけたでしょうか。

小さな破損の放置や自己修理が、大きな破損へとつながります。

今ご使用の入れ歯を長く使うためにも、歯科医院でのメンテナンスを続けていきましょう。

口や歯をぶつけたら起こること

2023年11月26日

口や歯を傷つけてしまうと、傷つけられた組織の炎症は時間を追うごとに進んでいきます。
ケガをした後に歯科医院に来られた際は、ケガをした場所はどんなところだったのか、どこをぶつけたのか、いつだったのか、などの他に、今どういう状態になっているかについて細かい診査や検査をしていく必要があります。
ケガをしたときからの経過の流れは、子どもが受けたケガの具合やどういった症状が予想されるかや重症度を判断するのにも役立ちますので、しっかりと覚えておきましょう。

 

【ケガしやすい部位】

口や歯をぶつけると、ぶつけた口や歯の周りの組織にも同時に影響が及びます。
最もぶつけやすい部位は上の前歯で、外傷の70パーセント以上を占めています。
もしも転んで前歯を打ったときは、前歯の見えている歯だけでなく、歯の根っこや歯の中の神経、歯の周りの骨まで傷つけられています。具体的には、歯が折れたり、欠けたり、圧迫されて血が通わなくなったりしています。

【歯をぶつけたらどうなるか?】

(1)歯の損傷

①歯の頭の部分(見えている部分)が欠けたり、ヒビが入る
明らかに目で見て分かる変化として、いつも見えている歯が欠けたり、よく見るとヒビが入っている状態です。少し欠けたくらいなら症状はないかもしれませんが、大きく欠けた場合は痛みがで出ることがあります。神経が出るくらいまで欠けた場合は、早急な処置が必要になってきます。
欠けた部分の真ん中くらいにピンク〜赤い部分が見えている場合は神経が露出しているところですので、触らないように気をつけてください。
あまりに大きく欠けたとき以外は、折れたり欠けた部分を歯科材料で覆って、感染やさらに欠けたりするのを防ぎ、もとどおりの色や形を再現していきます。

 

②歯の根っこが折れたり、ヒビが入っている
見た目には分かりませんが、レントゲン写真を撮って確認することができます。
折れているのが確認できた場合は、ズレた歯をもとの位置に戻して、歯と歯をくっつけて歯が揺れないように固定していきます。
しかし、ケガをした直後などは折れた部位が密着していたりすることも多く、発見しにくい場合もあります。また、しばらくして歯が揺れ始めたり、歯の位置がズレ始めてから初めて分かることもあります。
もしも根っこが折れてしまうと、次第にもともとの根っこの長さよりも短くなってきたり、歯が大きく揺れてくるので、ケガをした後も継続して経過をみていく必要があります。

 

③歯の頭の部分と根っこの部分がどっちも欠けたり、折れている
歯の頭と根っこのどちらも損傷している場合があります。
時間とともに痛みと揺れが強まる傾向にあります。
処置としては、②のときと同様に固定をしていきます。

 

(2)歯の周りの組織にまで及ぶ損傷

①脱臼
歯が通常よりも異常に揺れたり、ズレたりしている状態です。
触ったり、かんだりすると痛みが出るので、食事などに支障が出ないようにズレた歯をもとの位置に戻して固定していきます。

 

②陥入
歯がぶつけたりした衝撃で、もともとあった位置よりめりこんだ状態です。
乳歯の場合は、自然にもとの位置まで戻ることが多いのでそのまま経過を見ていくこともあります。しかし、次に生えてくる永久歯に影響が及ぼされている場合は、もとの位置に戻したり、最悪の場合は抜歯することもあります。
もとの位置まで乳歯が出てきた場合も、永久歯の形や位置が異常を示していないか、継続的に見守っていく必要があります。

 

③脱落
歯が埋まっている骨の中から抜け落ちてしまった状態です。
かなりの衝撃を受けているため、歯が埋まっていた骨にも損傷を受けています。
抜け落ちた歯は、牛乳や歯の保存液によって保存されている場合、専用の溶液で十分に洗った後にもとに戻し、固定していきます。

 

④歯の周りの骨が折れている
歯の周りを支えている骨が折れてしまうことがあります。
歯を可能なかぎりもとに戻し、固定していきます。
固定期間は6週間以上と長くかかることがあります。

 

(3)歯の神経の損傷

歯の中には神経が通っていますが、歯をぶつけたときに神経にどのようなことが起きるのかは未だに詳しくは分かっていません。
ですが、歯が折れたりすると折れた部分からばい菌が入り、炎症を起こし次第に神経が死んでしまいます。折れてなくても神経に何らかの影響が出ることがあります。
もし神経が炎症を起こして死んでしまった場合は、腐った神経を取り除かないといけないこともあります。

 

【乳歯と永久歯での損傷の違い】

乳歯では、こけたりすると歯が欠けたり折れたりすることは少なく、歯がグラつく脱臼をよく起こします。
一方で永久歯になると、歯の頭や根っこが欠けたり折れたりすることが多くなります。
特に8歳以降ではその比率が高くなります。
治療方法としては、乳歯も永久歯も診断が同じであれば、ほとんど変わりはありません。

 

【その後によく起きること】

①歯の変色
歯をぶつけると、歯の色が変わってくることがあります。
この変色は治ることもありますが、治らないこともありますので経過を追っていく必要があります。

 

②歯の神経が細くなってくる
歯をぶつけたりすると、歯の神経が入っているスペースがだんだんと細くなっていくことがあります。

 

③歯の神経が死んでしまう
脱臼などで血流が損なわれてしまったり、歯が欠けた部分からばい菌が入って感染を起こしたときは神経が死んでしまうことがあります。
歯の根っこが未完成のときは神経が死んでしまう可能性低いですが、永久歯で歯の根っこが完成する中学生以降では起こりやすくなります。
死んでしまった神経を放置したままだと、歯の根っこや歯の周りの骨に炎症が及び、溶かしてしまう危険性がありますので、早めに見つけて処置する必要があります。
子どもの歯の場合は、歯のグラつきなどが治った後も、継続的に状態をみていき、慎重な判断が必要です。

 

④歯の根っこが溶けてしまう
歯にうけた衝撃によって、歯の根っこが溶けて失われてしまうことがあります。
歯のグラつきなどの症状がなくなった後に、徐々に進行していきますので、継続的にみていく必要があります。

 

【家庭で気をつけられること】

口と歯のケガは幼児と小学生に多く起こります。
小学生は遊んでいるときに転んだりぶつかったりすることも多く、なかなか事前に防ぐことは難しいこともあります。しかし幼児の時期は家で過ごすことも多いので、家庭で気をつけられることもあります。

 

①生後半年以内
ベッドやソファーからの転落に気をつけましょう。
転落する危険性のあるところには寝かせないようにすることが基本です。
また硬いものや鋭いものも手の届かないところに置いておきましょう。

 

②ハイハイする時期
手も足も動かして発育にとっても大事な時期です。
しかし自由に自分で動き回れるので、ちょっと目を離した隙に階段や椅子から転げ落ちる可能性もあります。
階段に柵を設けたり、机などの角にぶつけても大丈夫なようにクッションとなるものを巻いたりする工夫が必要です。

 

③1歳を過ぎたら
いろんなところに手を伸ばしたり引っ張ったりすることもできるようになるので、引き出しや戸にぶつけてケガをすることも増えてきます。
低い目線で危険なものがないかを確認し、引っ張ったりできないようにしていきましょう。
また風呂場での転倒にも気をつけましょう。

 

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】
口や歯をぶつけたと言っても、その後に起きてくる症状はさまざまです。
見た目には大丈夫だと思っても、目で見えない部分がどういう状態になっているかは詳しい検査をしてみないと分かりません。
子どもの場合、自分の言葉でうまく症状を伝えることができないためその場では泣き止んでも、食べものを食べなくなったりして初めて保護者の方がケガの重症度に気づくことがあります。
ちょっとしたケガでも、思ったよりも症状がひどい場合もありますので少しでも気になることがある場合は、早めに歯科医院を受診されてください。

治療するべき歯並びやかみ合わせの種類について

2023年11月17日

口の役割には
・食べものを口の中に取り込む
・消化しやすいようにかみ砕く
・飲み込む
・会話をする
・感情を表したりコミュニケーションの一部になる
など、多くの役割があります。
別の表現をすると、口がうまく機能していなければ、食べものを口から上手に食べることもできませんし、うまく飲み込むこともできません。周りの人と適切なコミュニケーションを取ることも難しくなるのです。
このように口の働きは、人間が生きていく上でとても重要な機能を持っています。

口が正しく機能するためには、歯並びやかみ合わせも大きく関わってきます。
歯並びやかみ合わせを良くすることは、見た目を整えるだけでなく、食べものをきちんとかみ砕いたり正しい発音ができたりと、日々の生活を送る上でも大切なことです。
それでは、正しい歯並びやかみ合わせと、悪い歯並びやかみ合わせについての違いをご存じでしょうか?
なんとなく歯並びがちょっとズレてる気がするとか、左右どちらかがかみにくい、前歯が出てる気がするなどぼんやりと理想的な歯並びとは違うことは分かるかもしれません。
毎日の生活を送る上で、みんなが模型のような歯並びである必要はありませんが、それぞれの顔や骨格に合った歯並びやかみ合わせというものがあります。それとは大幅にズレたり、バランスが合っていないことが問題なのです。
歯並びとかみ合わせというのは深く関係していて「かみ合わせではなく、歯並びだけ治す」のではなく、上下の歯がしっかりかみ合っているか?をきちんと確認していくことも、大切なポイントです。

ここでは、そのように大きくバランスが合っていなかったり、注意するべき歯並びやかみ合わせについてと、それによって起きてくる影響についての解説をしていきます。

 

 

【注意するべき不正咬合5種類とその影響】
歯並びやかみ合わせが悪い場合、その状態によっていくつかの種類に分かれています。
今回は特に注意するべき5種類の歯並びやかみ合わせについてご説明します。

 

①叢生
「歯並びがガタガタになっている」状態のことで、乱杭歯ともいいます。
歯の大きさと顎の大きさのバランスが悪いことによって起こります。
歯が大きすぎたり、顎が小さいことによって歯が並びきらない状態です。
俗に言う「八重歯」は歯の生える順番に関わって発生するものですが、叢生の一種です。

 

〈起こる影響〉
歯がガタガタに並んでいるため、口の中がみがきにくく清掃が行き届かない可能性があります。
歯ブラシだけでなくデンタルフロスなどを使用しても、デンタルプラークなどが取り残される可能性があり、むし歯になりやすくなります。
歯並びが悪いからといって、必ずしもむし歯になりやすいわけではありません。しかし、歯並びがガタガタの状態である叢生では、デンタルプラークが付きやすくなりますので、むし歯をひき起こす原因にはなります。
デンタルプラークや歯石が付きやすい状態だと、歯肉炎や歯周炎(歯周病)など歯ぐきや骨など歯の周りの組織にまで炎症が波及する可能性もあります。
叢生の状態では、歯が正しい方向に並んでいないため、むし歯や歯周病の治療は難しくなりますし、食べものなどをかみ砕く能力も低下するというデータも出ています。

 

②上顎前突
いわゆる「出っ歯」の状態をいいます。
上の前歯が下の前歯より指一本分くらい前に出ている状態だと、特に問題です。

 

〈起こる影響〉
食べものをかみ砕いたり、飲み込んだりもしにくいかもしれません。
唇が閉じにくいため、口の中が乾燥することによって歯ぐきの炎症(歯肉炎や歯周炎などの歯周病)になりやすくなります。
またスポーツや転んだときに、前歯が欠けたり折れたり、抜けたりしやすくなります。
場合によっては、発音にも異常が生じやすいこともあります。
見た目を気にされることが多い歯並びの状態です。

 

③下顎前突
上下の歯のかみ合わせが通常の場合とは逆の状態をいいます。
つまり、奥歯でかんだときに下の前歯が上の前歯より前に出ている状態です。
いわゆる「受け口」といわれるものです。

 

〈起こる影響〉

歯や舌の位置や機能に問題があるため、発音や滑舌に影響が出やすくなります。
もちろん、順応によって発音に問題が出るまでに至らないこともあります。
発音への影響は、特にサ行やタ行などが発音しにくく、コミュニケーションに影響が出たり、語学の習得にも影響が出やすくなります。
また、下顎が大きく前に出ているような場合は見た目にもコンプレックスになりやすく、心理面にも影響を与えやすくなります。

 

④開咬
奥歯をしっかりかみ合わせても、上下の前歯がかみ合わずに隙間があいている状態です。
その隙間から舌を出すことや、外からのぞき見ることもできるかもしれません。
前歯でかみ切ることができないため、奥歯でしかかむことができません。

 

〈起こる影響〉

力を入れて閉じても歯と歯の間があいているため、上手に食べものをかみ切ることができません。特にうどんやラーメンなどの麺類はかみ切ることができず、丸呑みになってしまいます。
あまりにその程度がひどいと、胃腸への負担も大きく、消化へも影響が出てしまいます。
また歯の隙間から息が漏れるため、発音もうまくできない可能性もあります。
口をしっかり閉じることができない場合は、口の中が乾燥してしまうため、むし歯や歯周病などの細菌が繁殖しやすい環境にもなってしまいます。

しっかりかみ合わせても奥歯しか当たらないため、奥歯の負担が通常よりも大きくなります。
そのため奥歯周囲の顎の関節にもダメージを与え、顎関節症を起こしやすくなります。
人がかむ力というのは、その人の体重くらいの力があるといわれていますが、50kgの体重の人なら50kgの力が歯にかかっていることになります。
通常であれば、その50kgを全ての歯で支えるところを、開咬の場合は奥歯だけで支える状態になってしまいますので、奥歯の負担はとても大きなものとなります。
早く割れたり、折れたりすることも可能性も高くなるため、注意しなくてはいけないかみ合わせです。

 

⑤空隙歯列
歯と歯の間に、大きな隙間ができてしまうもので「すきっ歯」ともいわれます。
この状態だと、食べ物が歯の間につまりやすく、口臭やむし歯の原因にもなってしまいます。
歯の本数が生まれつき少なかったり、顎の大きさに対して1本1本の歯が小さいときはすきっ歯の状態になります。
成人の歯の本数は通常32本〜28本程度ですが、顎の骨の中で変な方向を向いていて生えて来れなかったり、遺伝による影響で歯の数が通常よりも少なく生えてきたり、といったケースもあります。本来の位置に歯がないため、歯と歯の間に余計なすき間ができてしまい、空隙歯列の状態になります。
舌が大きかったり、指しゃぶりの影響や舌で歯を押してしまうクセがある人も起こりやすいとされています。
特に、上の前歯の真ん中のみに隙間があいている場合は「正中離開」といいます。

 

〈起こる影響〉
歯と歯の隙間から息が漏れるため、発音が正しくできないことがあります。
特にサ行・タ行・ラ行などに影響が出やすくなります。
また、しっかり食べものがかめないので、胃腸などにも負担がかかる可能性があります。
歯と歯の間に隙間があるため、食べものがつまりやすく、詰まった状態を放置すると細菌が繁殖してむし歯や歯周病になったりします。
海外では「幸運の歯」として好意的に見られることもありますが、日本では見た目を気にされる人が多い歯並びです。

 

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】
このように歯並びやかみ合わせは、見た目だけでなくさまざまな影響を及ぼします。
成人してからも矯正治療によって治すことはできますが、子どものころからのクセによって悪い歯並びやかみ合わせになる可能性もあります。
場合によっては、定期検診などで悪いクセに気づくこともできます。
そのクセをしないようにすることで初期の段階で悪い歯並びやかみ合わせになるのを治すことができるかもしれません。
もしも気になる歯並びやかみ合わせ、クセなどがあれば成人であっても成長期であるお子さんであっても早期にご相談ください。本格的な矯正治療の前に、何か対処することができることもあるかもしれません。

 

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

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  • 診療時間
    10:00~12:30 14:00~19:00
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