電話でのご予約 047-351-2288

10:00~12:30/14:00~19:00 ※休診日:第2水曜日

キービジュアル

歯肉炎の治し方

2024年10月31日

「歯肉炎」という言葉は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

皆さんにとっても聞き馴染みのある歯肉炎でしょうが、今回は、歯肉炎の症状や治し方について詳しくご説明していきましょう。

 

【歯肉炎ってどんなもの?】

歯肉炎は「歯ぐき(歯肉)に起きる病気」のことです。歯と歯ぐきの間にはとても小さな隙間(歯肉溝)があり、その隙間に汚れがたまることが主な原因とされています。

歯肉炎になると歯ぐきが赤く腫れた状態になります。そのまま炎症が強くなると歯みがきなどのちょっとした刺激で歯ぐきから出血しやすくなったり、膿が出たりするようになります。このように歯肉炎が進行してしまうと、炎症が歯槽骨(歯を支えている骨)にまで及んでしまいます。そうすると、歯ぐきの下にある骨が溶け、最終的には歯が抜け落ちる“歯周炎”の可能性があるため注意が必要です。単に歯茎が腫れているだけだと思って歯肉炎を放置してしまうと骨が溶けてしまう歯周炎になるため、注意してケアしていく必要がありますね。

歯肉炎で歯ぐきが腫れている状態の場合、丁寧なブラッシングなどで口の中を清潔に保つことにより症状は改善します。しかし、初期の段階では痛みなどの症状が少ないため炎症が起きていることに気付かないことも少なくありません。その結果、自覚症状がないまま歯周炎に進行してしまうことも多いとされています。ですから、日頃からケアを適切に行い、口の中を清潔にしていくことが重要なのです。

【歯肉炎の原因】

歯肉炎の主な原因は、歯みがきなどの口のケアが不足することなどによって歯肉溝に歯垢(プラーク)や歯石などの汚れがたまることです。しかし、歯肉炎は口の中が不潔になったりすることのほかにも、薬の副作用や病気が要因となって引き起こされることがあります。

具体的な薬の例としては、抗てんかん薬、免疫抑制剤、カルシウム拮抗薬、経口避妊薬(ピル)などです。これらの薬には本来の効果にプラスして、副作用として歯ぐきの組織を増殖させる作用があります。その結果、歯肉ポケットにたまった汚れが取れにくくなり、歯肉炎を引き起こしたり、悪化させたりすることが知られています。

また、歯肉炎は白血病や糖尿病など免疫力の低下を引き起こす病気や、妊娠などによってホルモンが変化した場合、また全身的にビタミンが不足していたり、歯が生えかけている状態で歯肉が生えかけの歯に被ってしまっている埋伏している歯(半埋伏歯など)によって引き起こされることもあります。

さらに歯肉炎は、ヘルペスウイルスやカンジダ感染が原因で発症することもあります。汚れによる歯肉炎とは治療法が異なり、注意していかなければなりません。

 

【歯肉炎の種類】

歯肉炎にも種類があります。

①プラーク性歯肉炎

ひとつめは、プラーク性歯肉炎で、一般的な歯肉炎として知られているものです。

お口のケアが不足することで歯ぐきのまわりに汚れ(プラーク)がたまります。そうすると、口の中の細菌によって歯肉の炎症が発生します。歯ぐきが赤く腫れて、出血や痛みなどがみられるのが特徴です。

この状態ではレントゲン写真を撮ってみてみても、歯を支持する組織には喪失は認められません。

 

②非プラーク性歯肉炎

上記の細菌性プラーク以外の原因によって生じる歯肉炎のことです。

ウイルスや真菌など、プラークや細菌以外の感染による歯肉炎やアレルギー性歯肉病変などが含まれます。歯ぐきを外傷などで傷つけてしまった時の炎症もこちらです。

 

 

【歯肉炎と歯周病って何が違うの?】

歯肉炎とは、歯ぐきに限局する炎症のことです。

一夫で、歯周病となると歯ぐきだけでなく、歯の周囲組織まで炎症が波及している状態のことを意味します。

歯肉炎だと歯ぐきだけが炎症を起こしている状態であるので歯がグラグラ揺れることはありません。しかし、歯周病にまで進行してしまうと、歯を支える骨(歯槽骨)も溶けてしまうため、歯周病がひどくなるに従って歯がグラグラ揺れてきます。

パッとみただけでは、ご自分では歯肉炎なのか歯周病なのか判断がつきません。どちらも歯ぐきからの出血が認められたりして、とても似ている状態を示します。詳しく調べるためには、歯科医院での専門的な歯周病の検査やレントゲン写真での検査が必要となります。

 

【歯肉炎の治療法】

①プラーク性歯肉炎の治し方

歯肉炎の原因の一つに、プラークが溜まっていることがあげられます。プラークをしっかりと除去するために、ブラッシングを丁寧に行うことが重要です。

ゴシゴシと力を入れてみがくのではなく、歯ブラシの先端を歯ぐきに垂直に当てて、やさしくゆっくりと動かしてプラークを除去します。また、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して、歯と歯の間も清掃していきましょう。

 

②非プラーク性歯肉炎の治し方

こちらの歯肉炎の場合、プラークの蓄積による炎症ではないため、それぞれの原因への対処をしていかなければなりません。ウイルス、真菌などに感染して起こってしまった場合は、全身状態の改善が求められます。外傷などによるものであれば、傷口の治癒と共に治っていくでしょう。

 

【OCEAN歯科からのメッセージ】

歯肉炎を治すためには、正しいブラッシングを行い、お口の中を清潔に保つことが重要です。

歯肉炎と歯周病では歯ぐきから出血するなど似ている症状があるため、ご自分での判断が難しく、歯科医院での詳しい検査が必要となりますので、少しでも不安のある方は早めにご相談ください。

歯科医院でのクリーニングでは、専門的な口腔内清掃に加え、歯石を除去し、歯肉の炎症状態を改善することもできます。3ヶ月に一度、お口のお手入れをしていくことでお口の中を清潔に保ち、歯肉炎から歯周病に進行するのを防いでいきましょう。

もしも子どもが歯を誤って飲み込んでしまったら?

2024年10月25日

小さなかわいい乳歯から立派な永久歯へと生え変わる時期は、グラグラしてよくかめなかったり、食べにくいなどと言われるお子さんも多いです。歯は抜ける場合、多くは一気に抜けるのではなく、徐々にグラグラと動揺してから抜けていきます。抜けそうな歯が気になって、舌でいじくったり、ずっと手で触っていることもあるでしょう。そのようななかで 抜けた歯を誤って飲み込んだりすることもあるかと思います。今回はそんな時の対処法をわかりやすく解説していきます。

【乳歯を飲み込んでも大丈夫なの?】

グラグラした歯があるままでお食事をしていたり、飲み物を飲んでいて気づいたら歯が抜けてしまっていたということもあるかもしれません。そんなときは心配になりますよね。

基本的には、通常の発育の過程で永久歯への交換のために自然に抜け落ちた乳歯の場合、誤って飲みこんでしまってもそれほど問題にはなりません。極端に歯の先端が尖っていたり、お子さんの気道を塞いでしまうような巨大な歯であったりしなければ、誤って飲みこんでも特別な処置をする必要はありません。しばらくすると、自然と体外へと排出されることでしょう。もちろん、誤飲してしまった後に胃が痛いなどの何らかの症状が現れている場合は、すぐに歯科医院を受診して診てもらうのがいいでしょう。

 

【詰め物や被せ物が装着されている場合】

抜けた歯が歯科医院でのむし歯の処置などをされて、既製冠などの被せ物が装着されていた場合、その後の経過をしっかり観察していく必要があります。基本的には普通の何の治療もしていない歯と同様に、被せ物も数日以内に便として排泄されます。

しかし、歯を飲み込んだ後に胃のむかつきや腹痛なごが認められたのなら、早めに歯科を受診しましょう。状況によってはレントゲン撮影を行って、歯や被せ物の状態を把握することもあるかもしれません。また、場合によっては、積極的な治療などが必要となることもあります。

ほとんどが問題はない場合が多いですが、不安なときは歯科医院を受診するのがいいでしょう。

 

【むせる、激しくせき込む】

歯を誤飲した直後に、激しくむせたりせき込む場合は、抜けた歯が気道に入り込んでいる可能性が高いです。極めて危険な状態といえますので、一刻も早く医科を受診してきちんと診察してもらいましょう。気道に入り込んだ異物に関しては、歯科医院ではなく医科の先生に対応してもらうことになります。状況によっては取り除かないといけないこともあるでしょう。

急に咳き込んだりむせる場合には抜けた歯に限らずに何かしらが気道に入った状況も考えられますので、注意しておきましょう。

 

【抜けそうな歯があったらどうするのがいいの?】

乳歯がグラグラしてる場合、基本的には自然に抜けるのを待つのがいいでしょう。

舌で触るだけでもグラグラ揺れ動くようになったら、もうすぐ抜ける頃です。しかし、何だかグラグラしてお食事の時に違和感があるくらいであれば、様子を見ていてもいいでしょう。

気になって早く抜きたい、状態を見て欲しい場合は歯科医院を受診するのがいいでしょう。

何かしらの異常がなければ保護者の方が抜いてしまっても良いのですが、どれくらい動揺しているかはよくわからないこともあるでしょう。もしかしたらまだまだ抜け落ちる時期ではない可能性もあります。心配なときは一度ご相談ください。

乳歯が抜ける時期というのは、ある程度決まっていますが個人差もあります。同じ年齢でも、お子さんによってはもう抜けてしまっていたり、まだ全然グラグラしていなかったりと大きな幅があります。場合によっては数ヶ月から1年ズレることもあるため、なかなか乳歯が抜け落ちないからといって慌てる必要はありません。不安な場合は、レントゲン写真によって乳歯や永久歯の状態を調べることもできます。

 

【乳歯が残っているのに永久歯が生えてきている】

乳歯がグラグラしているけれどまだ残っていいて、その横や後ろから永久歯が生えてきてしまうこともあります。そのときは乳歯が動揺していてもなかなか抜けないことも多くあります。

永久歯は通常、乳歯が抜け落ちてから生えてくるものです。乳歯と永久歯が同時に存在しているということは、生え替わりの段階で何らかの異常が生じている可能性もあります。

歯科医院でどのようにな状況かを診てもらうのもいいでしょう。必要であれば、乳歯を抜歯することもあります。

【OCEAN歯科からのメッセージ】

乳歯が抜け落ちそうな時は、基本的には自然に脱落を待ちましょう。

ただし、変なところから歯が生えてくることもあり、状況によっては早く乳歯を抜いた方がいい場合もあります。

また、お子さんが誤って歯や被せ物を飲み込んでしまったら、慌てずにその後の症状に注意していきましょう。多くの場合、事前に排出されるため何も問題ないことが大半ですが、念のため経過をみていきましょう。歯に限らず、小さなおもちゃも飲み込んでしまうこともあります。何らかのものを飲み込んで、様子がおかしい場合は対応を急がないといけない場合もあるため、注意して様子を見ることが必要です。

 

 

 

 

インプラント周囲炎にならないために

2024年10月18日

インプラント治療は入れ歯などと違って自分の歯のようにかむことができたり、見た目も自然であることなどから多くの方に選択されています。ブリッジなどとは異なり、自分の健全な歯を削ることもありませんし、利点の大きな治療法のひとつです。

ただ、インプラント治療を受ける前に、皆様に知っておいていただきたいことがあります。それは、インプラント治療にはメンテナンスがとても重要だということです。インプラントはメンテナンスを怠ってしまうと、「インプラント歯周炎」とよばれる炎症を引き起こすことがあります。歯周病を放置してしまうと歯を失う原因になることはご存知だと思いますが、インプラントも正しくメンテナンスを行わないとせっかく治療したのに脱落してしまう可能性があります。

今回はインプラント周囲炎について、詳しく解説していきます。

【インプラント周囲炎ってどんなもの?】

インプラント周囲炎とは、文字の通り、インプラントの周りに起こる炎症のことです。

具体的には、インプラントの周辺の組織に細菌(プラーク)が溜まることにより、歯ぐきや骨に炎症が起きてしまうことを意味します。

では、インプラント周囲炎が起こるとどうなるのでしょうか。

「インプラント」だとよく分からないかもしれませんが、ご自分の天然の歯をイメージしてください。歯周病が進むとどうなるでしょう。まず、歯ぐきが炎症を起こしますね。そしてだんだんと歯ぐきが下がり、歯がグラグラしてくるのを想像できるでしょうか。

インプラントでも、炎症が起きる機序というものは基本的に同じです。

インプラント治療後にその周辺のメンテナンスを怠ってしまうとインプラント周囲に炎症が生じます。インプラント周囲炎になってしまうと、インプラントがグラグラと揺れて不安定な状態になったり、インプラントの周りの歯肉が腫れるなどの症状が起きてしまいます。

もしも炎症をそのまま放置してしまうと、インプラントの周辺の骨が溶けだし、最悪の場合はインプラントが抜け落ちてしまうこともあり得ます。
インプラント周囲炎は、皆さんが想像されるよりも早いスピードで進行します。ご自分の歯と違って、インプラントは人工物であるため、細菌の侵入を防いでくれるバリア機能がありません。天然の歯には歯根膜というバリアがありますが、そのバリアがないため、骨まで細菌が到達しやすく、進行速度が早まると考えられています。

 

【インプラント治療後には歯科医院でのメンテナンスが重要】

インプラント歯周炎を予防するためには、インプラント周囲を清潔に保っていかなければなりません。具体的には、炎症を起こす原因である細菌(プラーク)を除去することが有効です。

また、インプラント治療した部分以外の歯もきれいに磨き、細菌を除去することで口の中全体として細菌が減ることにつながります。そうすることで、新たに細菌が蓄積することを防ぐこともできます。
インプラント治療後も細菌を取り除くため、ご家庭での日々のセルフメンテナンスももちろん必要ですが、歯科医院で定期的にメンテナンスを受けることも重要です。ご自分の癖だったり、磨けていないところにも気づくことができますし、何より専門的なケアを継続して受けることでインプラントの状態も確認できますし、清潔に保つことができます。

歯科医院での専門的なケアを継続することで、インプラント歯周炎の予防効果も高く保つことが可能になります。もしもインプラント治療をご検討の方は、このメンテナンスの大切さを知っていただければと思います。

 

【インプラント治療後に違和感を感じてしまった場合】

もしも、以前にインプラント治療を受けていて、インプラント治療をした箇所の周辺に違和感を感じてしまった場合には、早めに歯科医院で相談されることをおすすめします。他医院で治療した箇所でも、どのような状態であるかを判断し、ケアをしていくことは可能です。

来院された際に、すでにインプラント歯周炎にかかってしまっている場合は細菌を除去すべく歯科医院でのクリーニングを行います。状態に応じて、麻酔をしてからの清掃が必要になることもあります。せっかくインプラント治療をしたのに「炎症が起きてインプラントの寿命が短くなってしまった」なんてことにならないためにも、違和感を感じたら歯科医院での早めのご相談がおすすめです。

【OCEAN歯科からのメッセージ】

インプラント治療後は、ご自身が毎日ご家庭で行うケアも大切になってきます。丁寧なブラッシングとフロスなどを使ったプラークの除去、タバコを吸う習慣があるなら辞めるなど、さまざまなケアを続けていくことでインプラント歯周炎の予防にもつながります。

もちろんこれらのことは、インプラント治療をしている、していないに関わらず大事なことです。

もしも、ご家庭で行うケア方法に不安があれば、歯科医院でご相談ください。

スタッフがそれぞれのお口の中にとって最適なケア方法をお教えします。最適な方法で丁寧なケアを継続することでインプラントはもちろん、口の中の環境を状態よく保つことができます。

インプラント周囲炎にかかってしまった場合でも、そのまま放置することなく早めに対応をしていきましょう。ご家庭でのケアと歯科医院での専門家によるメンテナンスを継続することによって、治療した部分の健康を守り、長く噛むことを楽しめる生活につながります。

皆様のインプラントが、長い間持続できるように、インプラント治療後のメンテンナンスの大切さを知っていきましょう。

お子さんとの食器の共用とむし歯の予防について

2024年10月11日

小さなお子さんにご自分の使っているスプーンやお箸などでそのまま食べさせることについて、どのように考えていくべきか悩まれている方も多いのではないでしょうか?

令和5年8月31日に日本口腔衛生学会から「乳幼児期における親との食器共有について」の新しい声明が発表されました。今回は、この声明をもとに、実際にどのようにご家庭で食器の共用について考えていけばいいのかを解説していきます。

【日本口腔衛生学会から発表された内容】

以下の「」内は、口腔衛生学会の声明より引用したものです。

(☞に続く文章は当院による解説です)

 

①食器の共有は必ずしもダメなものではない?

「以前から、親から子どもへのう蝕原因菌の感染を予防するために、親とスプーンやコップなどの食器の共有を避けるようにとの情報が広がっています。しかし、食器の共有をしないことでう蝕予防できるということの科学的根拠は必ずしも強いものではありません。最近、親のだ液に接触することが子どものアレルギーを予防する可能性を示す研究内容が報道されました。それに付随し、親の唾液からう蝕の原因になるミュータンスレンサ球菌が子どもに感染するリスクを高めると報道で触れられていますので、情報発信をいたします。」

☞お子さんとの食器の共有についてですが、むし歯の予防ができるという根拠は必ずしも強いものではなく、親のだ液にお子さんが接触することでアレルギー予防の可能性があるという研究結果が報道されています。しかしながら、親のだ液にはむし歯の原因となる細菌(ミュータンスレンサ球菌)が含まれているため、むし歯になるリスクは上がることが知られています。

 

②親からの口腔細菌感染は食器の共有の前から起こっている

「最近の研究で、生後4か月に母親の口腔細菌が子どもに伝播していることが確認されています。食器の共有は離乳食開始時期の生後5~6か月頃から始まりますが、それ以前から親から子どもに口腔細菌は感染しているのです。日々の親子のスキンシップを通して子どもは親の唾液に接触しますので、食器の共有を避けるなどの方法で口腔細菌の感染を防ぐことを気にしすぎる必要はありません。」

☞今まで、むし歯予防の観点から食器を分けることが良いとされてきましたが、研究が進んで、必ずしもそれがお子さんへのむし歯の細菌感染を防ぐわけではないことがわかってきたんですね。離乳食開始前にはもうすでに、日々のお子さんとの関わりの中で親の口の中の細菌に感染してしまっているのです。ですので、神経質になりすぎず、無理のない範囲で食事のスタイルを確立していくのがいいでしょう。

 

③むし歯の原因菌は、ミュータンスレンサ球菌だけではない

「親のミュータンスレンサ球菌が子どもに感染することは複数の研究で確認されています。しかし口腔内には数百種以上の細菌が存在し、ミュータンスレンサ球菌だけでなく多くの口腔細菌が酸を産生し、う蝕の原因となりますので、ミュータンス連鎖球菌だけがう蝕の原因菌ではありません。」

☞親の口の中にいるむし歯菌であるミュータンスレンサ球菌がお子さんに感染することは確かですが、それだけがむし歯の原因というわけではないということです。口の中にはむし歯菌であるミュータンスレンサ球菌以外にも多くの細菌がいて、それぞれのお口の中では異なる細菌の構成がなされていて、むし歯の原因となるのです。

 

④食器の共有に気を付けていても、子どものう蝕に差はなかった

「う蝕は砂糖摂取や歯みがきなど様々な要因で起こるため、食器の共有と子どものう蝕の関連を調べる際にはそうした要因を考慮する必要があります。う蝕に関連する複数の要因を調べた日本の研究では、3歳児において親との食器共有とう蝕との関連性は認められていません。」

☞食器の共用に気をつけていても、お子さんにできるむし歯には差がないというのは意外な研究結果ですね。お子さんのむし歯予防のためには、食べ物の中に含まれる砂糖や日々の歯みがきなど、大人の方の虫歯予防と同様なことをやはり気をつけなければなりません。

 

⑤子どものむし歯予防のために

「親から子どもに口腔細菌が伝播したとしても、砂糖の摂取を控え、親が毎日仕上げみがきを行って歯垢を除去し、またフッ化物を利用することでう蝕を予防することができます。特に、フッ化物の利用は多くの論文でう蝕予防効果が確認されている方法です。」

☞親の口の中にいるむし歯菌のミュータンスレンサ球菌がお子さんに感染することは確かです。ですが、お子さんに与える食事やおやつに気をつけ、日々の歯みがき、フッ素入り歯みがき粉の使用などにより、お子さんのむし歯予防をすることはできます。皆さんもご存知のように、フッ素は虫歯予防に効果的ですので、日々のお口のケアに積極的に取り入れていきたいものです。

 

【むし歯予防にとって大事なこと】

むし歯は生活習慣や食べ物など、さまざまな要因が絡み合って発生します。そのため、これだけしておけば安心!大丈夫!ということはありません。

お子さんのむし歯を予防しようとした場合、1番大事になってくるのが日々の生活習慣でしょう。

まずは、

  • 日々の歯みがきを適切に行うこと
  • フッ化物配合歯磨剤を使用すること
  • お菓子などの砂糖が含まれているものをダラダラ食べない
  • 砂糖が含まれる甘い飲み物をダラダラと与えない
  • 寝る前の夜食などの見直し

などのことを気をつけてみましょう。

【OCEAN歯科からのメッセージ】

自分では気をつけているつもりでも、気がつかないうちに実はむし歯を作ってしまう習慣をしてしまっていることもあります。お子さんの機嫌を直すためだったり、大人しくしておいてくれるからと、ついつい飴やジュースなどを与えがちになることもあるかもしれません。

たまにならいいのですが、それが習慣になると簡単にむし歯を作ってしまいます。

過度に神経質になる必要はありませんが、食器の共有に限らず、日々のむし歯予防にも気をつけていきましょう。何かご不明点があればお気軽にご相談ください。

歯科医院での定期検診もうまく利用して、むし歯の予防をしていきましょう。

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

047-351-2288
  • 診療時間
    10:00~12:30 14:00~19:00
  • 休診日:第2水曜日
OCEAN歯科クリニック URAYASU
このページの先頭へ戻る