セレック治療とは?
2026年6月30日
むし歯治療や詰め物・被せ物の治療を考えたとき、従来であれば何度も通院し、型取りをしてから歯科技工所で作製されたものを装着するという流れが一般的でした。しかし、最新のデジタル技術を活用した「セレックシステム」を利用すれば、最短1日でセラミックの詰め物・被せ物の治療を完了させることが可能です。
これまで「歯の治療には何度も通院しなければならない」「型取りが苦手」「銀歯を目立たないものに変えたい」といった悩みを抱えていた方にとって、セレック治療は画期的な選択肢といえます。

【セレックとは?】
セレック(CEREC)は「Ceramic REConstruction(セラミック修復)」の略で、ドイツで開発されたCAD/CAMシステムを用いたセラミック治療のことを指します。このシステムでは、コンピュータを使って詰め物や被せ物を設計・製作するため、従来のように型取りをする必要がなく、治療時間を大幅に短縮できます。
セレックは、1985年にドイツのチューリッヒ大学で開発され、30年以上の歴史を持つ技術です。近年のデジタル技術の進化により、セレックの精度や利便性が向上し、世界中の歯科医院で導入が進んでいます。
セレック治療では、専用の3D光学カメラを使用して口腔内をスキャンし、そのデータをもとにコンピュータ上で詰め物や被せ物を設計します。その後、ミリングマシンがセラミックブロックを削り出して補綴物を製作し、最短1日で装着が可能です。従来の治療方法と比較して、より短期間で、より精密な仕上がりを実現できることが特徴です。
また、セレック治療に使用するセラミックは、金属を含まないため、金属アレルギーのリスクがなく、見た目も天然の歯に近い美しい仕上がりになります。加えて、セラミックの表面は滑らかでプラーク(歯垢)が付着しにくいため、二次的なむし歯のリスクも低減できます。
【セレック治療の流れ】
口腔内をスキャン
まず、最先端の3D光学カメラを使用して口腔内を撮影(スキャン)します。この工程はわずか数秒で完了し、歯の形やかみ合わせがパソコン上に再現されます。
被せ物・詰め物の設計
パソコン上に再現された3Dデータをもとに、詰め物や被せ物を設計します。コンピュータ制御による設計のため、精密でフィット感のある仕上がりになります。
ミリングマシンによる加工
設計データをもとに、セラミックブロックを削り出し、詰め物・被せ物を作製します。これにより、歯科技工所を介さずに院内で製作が完了するため、スピーディーな治療が可能となります。
装着と調整
出来上がった詰め物・被せ物を実際に口腔内に装着し、かみ合わせやフィット感を微調整して治療が完了します。
【セレック治療のメリット】
①治療期間が短い
従来の方法では、型取りから技工所での製作、装着までに数日から数週間かかることが一般的でした。しかし、セレックなら最短1日で治療が完了します。
②精密なフィット感
コンピュータによる設計・製作により、高精度でフィットする詰め物・被せ物が作製されます。そのため、治療後の違和感が少なく、快適に使用できます。
③型取り不要で快適
従来の治療では、シリコンなどを用いた型取りが必要でしたが、セレック治療では3D光学カメラを使って口腔内をスキャンするため、不快な型取りの必要がありません。
④金属を使用しないため、見た目が自然
セラミック素材は天然の歯に近い色調を持つため、銀歯などの金属製の詰め物に比べて見た目が自然で美しく仕上がります。
⑤二次的なむし歯のリスクが低い
セラミックは表面が滑らかで汚れが付きにくいため、磨き残しが少なく、二次的なむし歯のリスクを軽減できます。
⑥金属アレルギーのリスクがない
金属を使用しないため、金属アレルギーを持っている方でも安心して治療を受けることができます。
⑦長持ちしやすい
適切なケアをすれば、セラミックの詰め物・被せ物は保険の詰め物・被せ物に比べてより長い耐久性を持つといわれています。
【セレック治療のデメリット】
①強い衝撃で割れることがある
セラミックは硬い素材ですが、強い衝撃や極端な力が加わると割れる可能性があります。特に、歯ぎしりや強いかみしめの癖がある方は、ナイトガードを使用することで破損リスクを軽減できます。
②保険適用外のケースが多い
セレックによるセラミック治療は、基本的に自由診療(自費診療)となることが多いため、保険治療に比べて費用がかかる点は注意が必要です。
【保険治療と自由診療の違い】
歯科治療には、健康保険が適用される「保険診療」と、適用外の「自由診療」があります。
・保険診療
国が定めたルールに従い、使用できる材料や治療方法に制限があります。例えば、銀歯(パラジウム合金)や硬質レジンなどの素材が中心となります。
・自由診療
材料や治療方法を自由に選ぶことができ、より審美性や耐久性に優れた治療が可能となります。セレック治療のセラミック素材は自由診療で扱われることが多く、より自然で美しい仕上がりが期待できます。

【OCEAN歯科からのメッセージ】
セレック治療は、最新のデジタル技術を活用した先進的な歯科治療であり、最短1日で治療が完了するスピーディーさや、精密な仕上がり、美しい見た目など、多くのメリットを持っています。一方で、強い衝撃による破損リスクや、自由診療であることから費用がかかる点も考慮する必要があります。
「何度も通院せずに短期間で治療を終えたい」「銀歯を白くしたい」「型取りが苦手」といった方には、セレック治療が最適な選択肢となるでしょう。どの治療法をおすすめするかは患者様それぞれのお口の状況にもよりますが、セレック治療にご興味のある方は歯の健康と美しさを両立させるためにも、ぜひ一度歯科医院でご相談ください。
赤ちゃんを迎える前にやっておきたいお口の準備
2026年6月15日
妊娠前の歯科医院でのケアが、未来の自分と子どもの健康につながるのはご存知でしょうか?
妊活を始めると、食生活を見直したり、葉酸を飲み始めたり、生活リズムを整えたりと“赤ちゃんを迎える準備”を少しずつ始める方が多いと思います。
その中で、意外と後回しになりやすいのが「歯科医院でのお口のチェック」です。
実は妊娠・出産とお口の健康には深い関係があります。
さらに、お母さんのお口の環境は、生まれてくる赤ちゃんのお口の健康にも関係すると言われています。
だからこそ最近では、「妊娠してから歯医者へ行く」のではなく、“妊娠前からお口を整えておく”
ことがとても大切だと考えられています。
特に出産後は、自分のことが後回しになりやすく、「歯が気になるけど歯医者へ行けない…」という方も少なくありません。
今回は、
・妊娠前に歯科受診をおすすめする理由
・妊娠中に起こりやすいお口のトラブル
・出産前にやっておきたいこと
・子どものむし歯予防との関係
について、ご説明していきます。

【なぜ“妊娠前”のお口チェックが大切なの?】
「妊娠したら歯医者へ行けばいいのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん妊娠中でも歯科受診は可能です。
ただ、実際には妊娠中は体調が大きく変化するため、思うように通院できないことがあります。
例えば、
・つわりで歯ブラシがつらい
・長時間口を開けているのが苦しい
・においで気持ち悪くなる
・体調が安定しない
・通院自体が大変になる
など、妊娠前には想像していなかった負担が出てくることがあります。
そのため、「もっと早く治療しておけばよかった」と感じる方も少なくありません。
また妊娠中は、ホルモンバランスの変化によって、お口のトラブルが起こりやすくなることがあります。つまり、“妊娠前のお口の状態”がとても大切なのです。
【妊娠すると、お口の中はどう変わる?】
妊娠すると体にはさまざまな変化が起こります。実は、お口の中も大きな影響を受けていて、そのひとつにむし歯になりやすくなることがあります
理由のひとつが「つわり」です。
妊娠初期は、
・歯ブラシを口に入れるだけで気持ち悪い
・奥歯までみがけない
・においがつらい
という状態になる方もいらっしゃいます。
今まで問題なく歯みがきできていた方でも、急にセルフケアが難しくなることがあります。
また、食事回数が増えることも一つの要因です。
妊娠中は、
・少量ずつ食べる
・空腹だと気持ち悪くなる
・間食が増える
ということも少なくありません。
お口の中は食事のたびに酸性になるため、食べる回数が増えるとむし歯リスクが高くなりやすいのです。
【歯ぐきが腫れやすくなることもあります】
妊娠中によくみられるのが、「妊娠性歯肉炎」です。
妊娠中はホルモンの影響で歯ぐきが炎症を起こしやすくなります。
例えば、
・歯みがきで血が出る
・歯ぐきが腫れる
・ムズムズする
といった症状が出ることがあります。
「妊娠してから歯ぐきの調子が悪い」という方は、実は少なくありません。
【歯周病と妊娠の関係】
最近では、歯周病と全身の健康との関係が注目されています。
その中で、妊娠との関連についても研究が進んでいます。
歯周病による炎症が全身へ影響し、早産や低体重児出産との関連が指摘されているのです。
もちろん、すべてが歯周病だけで決まるわけではありません。
ただ、「お口の健康は体の健康につながる」という考え方はとても大切です。
【妊娠中は治療に制限が出ることも】
妊娠中でも歯科治療は可能です。
ただし、体調や時期によっては治療内容に配慮が必要になることがあります。
例えば、
・レントゲン
・薬の使用
・長時間の治療
・外科処置
などです。
もちろん必要な治療は行えますが、体調優先になるため、「今すぐ困っているところだけ」
の対応になることもあります。
だからこそ、妊娠前にお口を整えておくことが安心につながります。
【妊娠前にやっておきたいお口のチェック】
では具体的に、妊娠前にはどんなことをしておくと良いのでしょうか?
1. むし歯・歯周病チェック
まず大切なのが、お口全体を確認することです。
「痛くないから大丈夫」と思っていても、
・初期むし歯
・詰め物の劣化
・歯周病
・親知らず
など、症状がないまま進んでいることがあります。
妊娠中に急に痛みが出ると、体にも気持ちにも大きな負担になります。
そのため、妊娠前に一度しっかり確認しておくことがおすすめです。
2. 必要な治療を終えておく
特に、
・大きなむし歯
・痛みがある歯
・外れそうな詰め物
・親知らず
などは、妊娠前に治療しておくと安心です。
妊娠中は、「今は様子を見ましょう」となるケースもあります。
だからこそ、余裕のあるタイミングで治療を終えておくことが大切です。
3. クリーニングを受ける
歯石や汚れを除去し、お口の環境を整えておくことも重要です。
歯石は歯ブラシだけでは落とせません。
また、歯ぐきの炎症予防のためにも、定期的なクリーニングはとても大切です。
4. 親知らずを確認しておく
妊娠中に意外と多いトラブルのひとつが、「親知らずの腫れ」です。
特に、
・横向き
・半分埋まっている
・汚れがたまりやすい
などの場合、親知らずは炎症を起こしやすい状態になっていることがあります。
また、妊娠中は免疫バランスも変化するため、急に痛みが出るケースもあります。
事前に状態を確認しておくと安心です。
【出産後は、自分のことが後回しになりやすい】
実際に赤ちゃんが生まれると、
・自分の食事も急いで済ませる
・歯みがきも短時間になる
・歯医者へ行く時間がない
ということも珍しくありません。
特に小さいお子さんがいると、「気になるけど我慢してしまう」方がとても多いです。
だからこそ、“通いやすい今のうち”にお口を整えておくことには大きな意味があります。
【お母さんのお口は、子どもの将来にも関係します】
生まれたばかりの赤ちゃんのお口には、むし歯菌はほとんど存在しないと言われています。
その後、家族との生活の中で少しずつお口の環境が作られていきます。
もちろん「親がむし歯だと必ず子どももむし歯になる」というわけではありません。
ただ、お母さん自身のお口の環境を整えておくことは、赤ちゃんの将来のお口の健康にもつながると考えられています。
だからこそ、むし歯予防や歯周病予防、セルフケアはとても大切です。
【「痛くないから大丈夫」とは限りません】
歯科では、「もっと早く来ていれば小さい治療で済んだのに…」というケースが少なくありません。
特に、初期むし歯、詰め物の劣化、歯周病は、自覚症状が少ないことがあります。
つまり、「症状がない=問題ない」とは限らないのです。
妊娠前は、お口の状態を見直す良いタイミングでもあります。

【OCEAN歯科からのメッセージ】
妊娠・出産は、女性の体にも生活にも大きな変化がある時期です。
だからこそ妊娠前のお口のケアは、妊娠中のトラブル予防や出産後の負担軽減、お母さん自身の健康、子どもの将来のお口の健康につながる大切な準備のひとつです。
妊娠すると、むし歯リスク、歯ぐきトラブル、通院の負担が変化することがあります。
だからこそ、むし歯チェック、歯周病管理、クリーニング、必要な治療を妊娠前に行っておくことがおすすめです。
未来の自分と、これから生まれてくる赤ちゃんのためにまずは、お口の健康から整えてみませんか?
気になることがある方は、お気軽にご相談ください。