口臭について
2023年6月7日
コロナ禍になってマスクをつける時間が長くなりましたが、今まで気づかなかった自分の口の臭い、気になっていませんか?
ゴールデンウィークが明けてからマスクの着用も個人の判断となったことによって、さらに臭いに敏感になっている方もいらっしゃるかと思います。
毎日しっかり歯みがきをしているのにどうしてだろう?
食べたものの臭い?何が原因なんだろう?
そんな疑問を解消するために、口臭の原因と対処法について詳しく学んでいきましょう。
人それぞれ体臭といわれる臭いがあるように、口の中にも人の数だけ臭いがあります。
臭いの原因には次の4つが考えられます。
①口の中に原因がある
口の中の臭いの多くの原因は「口の中にいる細菌」によるものです。
これは歯科医院で治療をしたり、口腔ケアをすることで軽減することが可能です。
②全身的な病気がある
全身症状が原因となって、口臭として臭うことがあります。
原因となる病気を発見し、治療することで臭いが軽減されます。
③食べ物や飲み物・嗜好品が原因である
ニンニクやネギ、ニラなどの臭いの強いものを食べた場合や、アルコールを飲んだり、タバコを吸うことが原因で起こります。
からだに取り込まれた臭いの元の成分が胃のなかで消化され、血液を介して全身にめぐり、肺から不快な臭いとして吐き出されます。
歯みがきをしたり、口の中を清潔に保っていても臭うことがあります。
④生理的なもの
「誰にでもある臭い」です。
この原因は、寝ている時などに唾液が減少することで口の中の細菌が増え、口臭の原因となる物質(揮発性硫黄化合物)をたくさん作ってしまうことです。
毎日の歯みがきで口の中の細菌や原因となる物質を減らし、食事や水分をしっかり摂ることで唾液の量が増えれば口臭は弱まります。
規則正しい生活を心がけていれば臭いの強さは軽減されていくため、治療する必要はありません。
※女性の場合、妊娠や生理に伴うホルモンバランスの変化によって一時的な口臭もあります。
また、乳幼児期、学童期、思春期、成人期、老齢期など、それぞれの年代固有の臭い(加齢臭)なども挙げられます。
このように口臭の原因はさまざまですが、90%以上が口の中に原因があると言われています。
【口の中の原因とは?】
①歯周病
一番よく考えられるのが歯周病による口臭で、歯周病がひどくなると口臭が強くなり、より不快な臭いを発することがわかっています。
歯周病というのは文字の通り「歯」の「周」りの「病」気です。
つまり、歯の周り=歯ぐきや周りの組織に歯周プラーク(歯垢)の中の歯周病菌という細菌が、病気(炎症)を起こしていきます。
その結果、周りの組織を破壊して歯周ポケットというものを作ります。
このポケットの中は、細菌にとってはとても住みやすく、居心地がいい場所なのです。
細菌の中でも、特に嫌気性菌という菌は、口臭の元になる硫化水素やメチルメルカプタンという物質を作り出します。歯周病が進行すればするほど、口臭はきつくなってしまうのです。
歯周病の特徴として、以下の項目に当てはまる場合は注意が必要です。
・歯ぐきが腫れてブヨブヨしている
・歯みがきをしたら歯ぐきから血が出る
・歯が抜け変わる時期でもないのに、歯がグラグラする
・食べ物が歯と歯の間によく挟まる(食後の爪楊枝が欠かせない)
・歯ぐきが下がってきた気がする
この中でどれだけ当てはまる項目があったでしょうか?
歯周病というのは、サイレントディジーズ(静かなる病気)というくらい、進行してからでないと自分ではなかなか気づきません。
ほとんど自覚症状もなく進行していきます。
普段の歯みがきを頑張っている方の中にも、もしかしたら歯ぐきの中のポケットは炎症が起きて歯周病が進んでいるかもしれません。
そして口の中の細菌によって作り出された物質が、不快な口臭の原因を作っている可能性があります。
〈対処法〉
歯科医院へ受診されたら、歯ぐきの炎症状態のチェックを行います。
診断に応じて、歯ぐきの炎症をなくす治療をしていくことで口臭は軽減されていきます。
②むし歯
次によくある項目として、むし歯があります。
小さな虫歯では臭いを発することはありません。
しかし、大きな穴があいたようなむし歯の場合、その中に入り込んでしまった食べ物が取れずに中で腐り、口臭の原因となる臭いを発してしまいます。
また、むし歯が神経まで到達してしまい、神経が腐るとかなりの臭いの原因となります。
〈対処法〉
むし歯の治療を行うことで、口臭は軽減されます。

③毎日の歯みがきなどのお口のケア
歯みがきがうまくできていない場合も口臭の原因になります。
歯の表面を舌でさわるとザラザラしたり、ヌルヌルしていませんか?
溜まった歯垢や、取りきれていない口の中の食べカスが嫌な臭いを作り出します。
歯に被せた冠が古くなって穴が開いたり、すき間ができたりすると汚れが溜まりやすくなります。
これらがあるとお口の中が不潔になり、口臭の原因となっている場合が多くあります。
入れ歯も口臭の原因となることがあります。
入れ歯自体が古く、お手入れがきちんとできていないと、入れ歯が臭いの元になってしまいます。
歯がないからといって、口臭の原因がないわけではありません。
〈対処法〉
ご自宅での普段の歯みがきやケアの状況をお聞きして、一人ひとりに応じた指導を行います。
そうすることでお口の中が清潔に保たれ、口臭は軽減していきます。
また、不良な被せ物などを治療していくことも必要です。
④唾液が少ない(口腔乾燥症)
口の中が以前と比べてネバネバしていませんか?
全身的な病気があったり、何らかの原因で口の中を潤す唾液が少ない場合も口臭の原因となります。
唾液が少なくなる原因はさまざまですが、もし最近食べ物が飲み込みにくい感じがしたり、水分を摂らないと口の中が乾燥して気になる場合は一度ご相談されてください。
⑤舌苔
舌苔とは、体調などが良くない時に歯の表面につくられる白いものです。
鏡で舌を見た際に、舌が白くなっていることがありませんか?
これは単なる汚れではなく、歯垢と同じような細菌の塊です。
無数の細菌がタンパク質を分解する途中で、臭いの原因ともなる硫化水素などをつくることで口臭が発生します。
この場合、舌をきれい(清潔)に保つことで臭いも軽減します。

【OCEAN歯科からのメッセージ】
これまで述べてきたように口臭の原因は多くあります。
口臭は自覚症状のある場合の方が少なく、大抵の場合は家族や同僚、友人から指摘されることが多いです。
一度でも指摘されたことがあれば、検査をしてみるといいでしょう。
口臭について行われる治療は歯やその他のお口の中の健康のためにはとても重要です。
定期的に歯科を受診し、常にケアされたお口を維持することで身体全体の健康へとつながります。

妊娠の予定がある方、妊婦さんが歯科で注意すべきこと
2023年6月2日
『子どもを1人生むと、1本歯が抜ける?』
昔はよく
「妊娠したら歯が悪くなる。」
「お母さんの歯のカルシウムがおなかの赤ちゃんにとられたから、歯がもろくなってしまった。」
ということが言われていました。
これらはもちろんすべてが事実ではありません。
実際に、妊娠すると口の中の環境が変わり、歯や歯ぐきの病気になりやすいのは本当です。
しかし、お母さんの歯などからミネラル(カルシウムなど)が子どもに栄養として与えられたのではなく、妊娠すると口の中の環境は劇的に変化して、むし歯や歯周病が進行しやすい状態になります。そして出産後にその症状を自覚することが多いので、このように言われてきたのでしょう。
妊娠時のお口のトラブルは、適切なケアによって予防することが可能です。
妊娠したらトラブルが起きやすくなることが分かっていれば、妊娠の予定がある段階で検診に通ったり、治療を終わらせたり、予防処置を受けたりすることもできます。
またご自宅でのケアの方法を今一度確認したり、妊娠中や産後に向けて、さまざまな対策を立てることもできます。
妊娠しても歯科治療を受けることは可能ですが、時期によってはおすすめできない場合もありますので、まずは治療が必要にならないように予防に取り組むことが第一です。
妊娠中のお母さんの歯・お口の健康を保ち、安心して出産を迎えられるように準備しておきましょう。
【妊娠したらどうなる?】
妊娠すると口の中の環境が悪くなりやすい状態になります。
つわりなどが続くとお口の中の手入れがおろそかになりやすく不衛生になり、口内炎ができやすくなったり、口臭が気になるかもしれません。
親知らずの周りの歯ぐきが炎症を起こして「智歯(ちし)周囲炎」になる妊婦さんもいます。
親知らずが斜めや横向きに生えてきた人は、妊娠してない状態でも歯みがきが難しいのですが、それに加えて、妊娠中は歯ぐきが炎症を起こしやすい状態です。
それまで痛みなど、何も違和感や症状がなかった親知らずが、妊娠すると急に痛みだしたり、歯ぐきが炎症を起こしたりということが起こってきます。

【妊娠したら歯や歯ぐきの状態が悪くなる原因】
①ホルモンのバランスが変動する
女性ホルモンであるエストロゲン、プロゲステロンが増加したり、ホルモンバランスが変わることにより、さまざまな影響を口の中の粘膜や歯ぐきに与えることがわかっています。
具体的には、女性ホルモンは歯肉炎や歯周炎には原因となる特定の細菌の成長を促し、また妊娠中の感染に対する防御機能が抑制されてしまいます。
これは口の中の粘膜や歯ぐきに起こる感染に対する抵抗力の低下を意味します。
つまり、口の中に歯周病を起こす細菌が増えやすくなるのです。
このようなことから、今までお口のトラブルがなかった方でも、通常では起こらないような低いレベルの刺激で炎症を起こしてしまいます。
また、口内環境が不衛生になり、歯周病になると、早産や低体重児出産のリスクも高くなりやすいといわれています。
②つわりなどの影響で口の中の清掃状態が低化する
つわりや体調不良により歯をみがく回数が減ったり、奥のほうがうまくみがけなかったりするので歯ぐきが腫れたり、炎症が起きやすい状態になってしまいます。
③間食の回数が増えたり、すっぱいものが好きになったりして食生活(好み)が変化する
長い間、すっぱいものや甘いものが口の中にある状態が増えることにより、歯がとけやすい状態になり、むし歯などのリスクが高くなります。また、食事や間食回数が増えることで、歯垢(口腔内細菌)が増えてしまいます。歯がむし歯の菌にさらされる時間も増加してしまいます。
④歯科受診のタイミングを逃してしまう
どうしても妊娠中は体調が悪かったり、においがダメだったりして歯科医院への足が遠のく傾向にあります。妊娠中だけでなく、出産後もますます歯科医院へ行く時間がなくなり、そうしている間に口の中の環境は悪化してしまうことが多いのです。
⑤だ液の出る量が減少し、だ液の質自体も酸性に傾く
だ液の量が減ると、口の中がネバネバしやすくなります。
まただ液の働きも低下してしまうので、口の中の細菌が増えやすくなります。
口の中もむし歯になりやすい酸性に傾きやすいので注意が必要です。
【妊娠の予定があるとき、また妊娠中はどんなことに気をつけたらいいの?】
妊娠中は口の中が炎症が起きやすかったり、食生活の変化からむし歯や歯周病になりやすいことから、普段以上にお口のケアに気をつけていただくことが大切です。
普段より食事や間食の回数が増えることや、好みが変わり、すっぱいものや糖分が多いものなどをダラダラと食べ続けてしまう場合もあるでしょう。
そんなときは、食後にはできるだけこまめなうがいや歯みがきを心がけましょう。
また、つわりのときは歯みがきが難しいこともあります。
少しでも気分のよいときに歯みがきをしたり、ヘッドが小さな歯ブラシを使ったり無理ない範囲でお手入れをしていきましょう。
もしどうしてもできないときは、ブクブクうがいをしたりと口の中に汚れがたまらない工夫をしていきましょう。

【妊娠中、または妊娠の可能性がある場合の歯科治療】
赤ちゃんや母体への影響が心配で、歯の痛みや違和感をガマンしたりする方もいらっしゃいます。しかし、歯の痛みをガマンしている方がストレスになったり、お腹の赤ちゃんへの影響も心配です。妊娠の可能性をお伝えいただければ、時期や症状に配慮した歯科治療をおこなうことができますので、必ず事前にお申し出ください。
赤ちゃんや母体の健康や安全に最大限の配慮をした治療をおこなっていきます。
時期によっては安全に治療ができる時期まで応急処置にとどめておいた方が良いこともありますが、症状などに配慮した歯科治療をおこなうことは可能です。
また、あらかじめ歯科治療の予定がある場合は、産婦人科の主治医にも妊婦健診のときに相談しておくのも良いでしょう。何か注意すべき点がある場合などは必ず治療の前に申し出られてください。場合によっては産婦人科の主治医との相談をおこなった上で、治療内容を決めていきます。
<妊娠中も受けられる治療と避けた方がいい治療>
治療が可能な時期はあくまで目安であり、個々人によって治療に耐えられる状況なのかは変わってきます。
通常はこの時期であれば無理なく治療を受けていただけますが、それ以外の時期に強い症状が現れた場合にも心配せずにご相談ください。
状態をきちんとご説明し、ご納得いただいてから、できる範囲での治療を実施します。
<歯科の治療に適した時期>
妊娠しているときに歯科の治療を受けるのにもっとも適しているのは、
妊娠中期(妊娠5~7ヶ月)と言われています。
歯科の治療に関しては、基本的には治療をおこなって悪い時期というものはないとされていますが、妊娠初期と妊娠後期の中盤以降は避ける方がいいと思われます。
<具体的にどんな治療ができるのか?>
・むし歯治療 → 妊娠5~7ヶ月
・歯周病の治療 → 妊娠5~7ヶ月
・クリーニングや歯石とり → 妊娠直後~7ヶ月(ただしつわりがひどいときは避けましょう)
<避けた方がいい歯科治療は?>
・ホワイトニング → 妊娠中のホワイトニングによる母体・胎児への影響が不明であるため。
・矯正治療 → 炎症が起きやすいため、矯正器具をつけてのご自宅でのケアが難しい。 レントゲン撮影が必要。
※レントゲン撮影だけでの母体・胎児への影響はないとされていますが、さまざまな状況などを加味して、積極的にスタートするのは望ましくないと判断されます。
<妊娠中の歯科治療で3つの心配>
①レントゲン撮影
歯科で撮影する範囲は、基本的に顎まわりなどの部位に限られます。
被ばくの量もごくわずかであり、防護エプロンを使用すれば赤ちゃんへの問題はないとされています。
②麻酔
歯科で使用する麻酔は、治療する一部分のみをしびれさせる局所麻酔であり、全身麻酔とは違います。また使用する量も少量であるため、赤ちゃんへの影響はないとされています。
麻酔成分が胎盤を通過することはありません。肝臓で分解され、尿と一緒にからだの外へ排出されます。
痛みを耐えて治療したりしてストレスがたまる方が赤ちゃんへの影響が大きいとされています。
③お薬
抗生剤は赤ちゃんへの影響を考え、原則的には使用することはありません。
痛み止めのお薬は、痛みの度合いを考え、どうしても必要な場合に限り、母体や赤ちゃんにとって安全性の高いものをお出しします。

【OCEAN歯科からのメッセージ】
妊娠中はできるだけ早めに歯科検診を受けましょう。
そのときに見つかった簡単な治療は早めに済ませられますし、複雑な治療が必要な場合は、妊娠4~7ヶ月の時期(安定期)におこなっていけます。
また、歯磨きのときに吐き気がして困るなど、妊娠時の症状それぞれに応じた対応、予防法もお伝えすることも可能です。
体調のよいときなどに無理ない範囲で、お気軽にご相談いただければと思います。
妊娠中の方は、全身的にもつらい時期かもしれませんが、歯の病気は(細菌)感染症でもあります。これから生まれてくる子どものためにも、できるだけ口の中を清潔に保つように心がけましょう。
舌につく汚れはそのままにしていても大丈夫?
2023年5月28日
歯みがきのときに、ふと見た自分の舌が白くなっていて気になることはないでしょうか?
舌は基本的にはピンク色をしていますが、口の中が不潔になったり体調が悪いと白っぽくなったり、汚れがついたりします。
今回は、舌につくこの白っぽいものは何なのか、とった方がいいのかについて詳しくご説明していきます。
【舌につく苔(コケ)?】
舌についている灰白色または黄白色のものは、舌苔(ぜったい)といわれます。
これは単に舌についた汚れではありません。食べかすや唾液の成分、お口の中の粘膜が剥がれたもの、さまざまな細菌、白血球、色素などからなっていて、口臭や味覚障害などの原因になります。

【舌苔がつきやすい人、つきやすいところ】
舌苔は抗生物質などの薬を長期間服用していた後や、全身の病気の一部分の症状として見られることもありますが、健康な方の場合でも口のなかが不潔だと舌苔がつきます。
特に、口が乾燥している人は舌苔が増えやすくなります。普段は鼻で呼吸していても、マスクをしていると苦しくて口で呼吸することもあります。そうすると、口の中が乾燥して舌苔が増えてしまいます。
①こんな人がつきやすい!
- 間食することが多い
- 食後に歯みがきしない
- 寝る前の歯みがきをよくさぼってしまう
→口の中が不潔になりやすく、舌苔がつきやすくなります
- 口で呼吸している
- 口を開けていることが多い
→口が乾燥することにより、舌苔がつきやすくなります
- 大きなストレスが続いている
- しゃべることが多い
→唾液が出るのが少なくなることによって口が乾燥するため、舌苔がつきやすくなります
- 舌をあまり動かさない
→舌の動きが不十分だと舌苔がつきやすくなります
②こんなところにつきやすい!
舌苔にも舌の中でつきやすい部分というものがあります。
特に、舌の中央から後方にかけての奥の部分はつきやすいです。「あっかんべー」と大きく舌を出したときに、舌の中央から奥の部分をよく見てみてください。白っぽくなっている方もいるのではないでしょうか?
舌の付け根に近い奥の部分は、唾液ではあまり洗い流されません。また、舌が動くときに上あごとこすれることが少ないことも影響して、細菌が増殖にしやすい環境になります。
このようなことから、舌苔は舌の後方部からつきはじめて、時間が経つにつれて奥から前のほうに増えてくると考えられています。
舌苔がついているかどうかを確認するときは、舌を前に出して舌の奥の部分が白っぽくなっていないかを見てみましょう。
【舌苔は取り除いた方がいいの?】
では、舌苔は取り除いた方がいいのでしょうか?
舌の上には口臭の原因となる細菌も多く存在します。そのため、舌苔がたまると口臭の原因となりますし、舌苔の細菌を誤嚥(飲食物や唾液を飲み込んだときに気管に入ってしまうこと)してしまうと肺炎をもたらすこともあります。
口臭が気になる人は、こまめに舌苔を取り除くことをおすすめします。
ただし、舌は傷つきやすいため、過度なケアは逆効果です。1日1回にしておきましょう。
【舌苔を取り除くポイント】
1.1日1回が目安。朝がおすすめ!
1日に何度も舌をこすると舌の粘膜を傷つけてしまうこともありますので、1日1回を目安に、舌の汚れが気になるときに行いましょう。朝は舌苔の付着量が多いので、舌みがきは朝の歯みがき時に行うのがおすすめです。
2.舌ブラシややわらかい歯ブラシを使う
舌の表面は凸凹しているため、うがいでは落とすことはできません。
舌ブラシややわらかい歯ブラシを使いながら、丁寧にやさしく落としていきましょう。
3.鏡を見ながら行う
舌苔がついている部分にブラシがきちんとあたるよう、鏡を見ながら行いましょう。舌苔のついていないところは掃除をする必要はありません。
4.ブラシを動かす方向は「舌の奥から手前」
舌を見ながら、少しずつ横に移動して、奥から前方へ3回程度軽い力でかき出します。やさしく奥から前へ舌苔を除去します。ブラシを手前から奥に動かしたり、前後に往復させたりするのはやめましょう。舌苔中の細菌をのどの奥へ送り込んでしまう危険があります。
5.強い力でみがかない
舌はとてもデリケートな組織です。強くみがくと簡単に傷をつけてしまいます。
舌は食事をするのに活躍するのはもちろん、味を感じる味蕾(みらい)という部分もありますので、軽い力で行ってください。
6.嘔吐反射を防ぐには舌は思いっきり前に出す
ブラシなどを口の奥に入れると「おえっ」となることがあります。これを「嘔吐反射(おうとはんしゃ)」と言いますが、この嘔吐反射を防ぐには、舌を思いっきり前に出すのがコツです。
7.無理にキレイにしない
思ったようにきれいにならないからと無理して1回で全部取り除こうとはしないでください。日数をかけて少しずつ取り除いていきましょう。
これまであまり舌みがきをする習慣がなかった場合では、舌苔が厚くたまっている可能性もあり、1回の掃除では舌苔がなかなか落ちないこともあります。毎日舌みがきをすることで、だんだん落ちやすくなっていきます。

【舌苔と味覚の関係】
舌苔が多くついていると味覚が低下して、味があまり感じにくくなることがあります。
「味覚」とは五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)のひとつで、口の中で食べ物の化学的特性に応じて認識される感覚です。味を感じるのは、舌の表面に多く存在する「味蕾(みらい)」という組織です。この味蕾によって甘味や苦味、塩味などを感じます。
しかし、この味蕾を舌苔が覆っていると味を感じにくくなり、食べ物がおいしく感じられなくなることがあります。舌苔を除去することは舌をきれいにするだけでなく、食べ物をおいしく味わえることにもつながるのです。
【 OCEAN歯科からのメッセージ】
舌苔は、口臭(生理的口臭)の原因のひとつといわれています。長いマスク生活で口を開けっぱなしにすることも多かったため、気づかないうちに舌苔がしっかりとついているかもしれません。無理やり取る必要はありませんが、歯をみがくのと同じように舌もこまめに清掃していきましょう。
歯周病〜歯を失う原因の第1位〜
2023年5月20日
<こんな症状はありませんか?>
・歯ぐきが赤く腫れている
・歯ぐきから出血することがある
・歯ぐきから膿が出る、むずがゆい感じがする
・歯と歯の間に隙間があいてきた気がする、ものがつまりやすい
・歯ぐきがやせてきた
・寝起きに口の中がネバついて不快な感じがする
・冷たいものや熱いものがしみる
・歯が長くなった気がする
・硬いものなどが噛みにくい、噛んだら痛む
・歯が浮いたような気がする
・歯がグラグラする
・口臭がなんとなく気になる(人から言われた)
このような症状がある方は、歯周病になっているかもしれません。
近年、成人の7割は歯周病にかかっていると言われています。
また、むし歯と並んで歯を失う主な原因となっています。
歯周病を予防し、進行を防止することは、歯と口の健康維持にとってとても大切なことです。
1.歯周病ってどんな病気?
歯周病とは字が示すように、「歯」の「周」りの「病」気であって、歯の病気ではありません。
歯の周りとは具体的には、歯肉(歯ぐき)、歯根(歯の根っこ)を覆うセメント質、歯槽骨(歯を支える骨)、セメント質と歯槽骨を結ぶ歯根膜から成り立っています。

歯周病は、歯の表面につくプラーク(細菌の塊、歯垢やデンタルバイオフィルムとも呼ばれます)の中の細菌による感染症です。
このプラークは歯みがきをさぼると歯の表面のミュータンス菌により作られるネバネバした細菌の住み家です。
最初は、むし歯の原因菌のミュータンス菌がほとんどですが、プラークが厚くなってくると、歯周病を引き起こす細菌の数が増大してきます。
このプラークが歯と歯肉の境目にとどまると、数日~1週間で歯ぐきに炎症が起きてきます。
歯周病の主な特徴は炎症を起こすことであり、この炎症が歯の周りの構造を破壊していきます。
歯肉だけに炎症がある状態を歯肉炎、歯肉だけでなくその周りの組織にまで炎症が波及している状態を歯周炎といいます。
一般的に、歯肉の炎症から始まり、進行するとセメント質、歯根膜、歯槽骨まで破壊されます。
そのまま破壊が進むと、骨は歯を支えることができなくなり、最後には歯が抜けてしまいます。

■歯肉炎は痛みがない?
歯肉にだけ炎症が起きている歯肉炎の状態だと、ほとんど痛みはありません。
そのため、歯周病にかかっていることに気がつかないことが多いのです。
もし歯肉に痛みがあったり、腫れて出血がある場合、歯肉炎よりも進行した歯周炎になっていることが多くあります。
初期の歯周炎の場合、からだの防御機能によって軽度の痛みや出血はしばらくしたら治ることもあります。
ただ、これは歯周炎が治ったのではなく、さらに悪化するための準備段階に入っている可能性があります。
歯周炎を治すためには、プラークを除去することしか方法はありません。
安易に自己判断をせずに、歯科医院でのチェックをおすすめします。
■歯に自信がある人も要注意?
むし歯で痛みがある場合、多くの人は歯科医院を受診されます。
しかし歯周病が軽度の場合は、痛みや違和感が多少あっても放置されることが多い病気です。
そうしているうちに病気は進行し、歯肉炎から歯周炎となり、ガマンできずに歯科医院に来られます。そのときにはずいぶんと進行し、手遅れの状態になっていることも少なくはありません。
歯に自信がある方でも、定期的な検診によるチェックを受けられることをおすすめします。
またこの病気も、ほかの病気と同じくできるだけ早く発見し、治療することが大切です。
2.歯周病の予防方法
歯周病はプラークが歯と歯肉の境目に付着することから始まるので、予防に大切なのは次の3つのことです。
①原因となるプラークを付着させないこと
②付着したら速やかに取り除くこと
③プラークに負けない抵抗力をつけること
そのために必要なのは
■歯みがき
歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどを用いて、隅々までプラークを取り除くことが最も効果的です。
毎日の丁寧な歯みがきが歯周病を予防します。
■定期検診
毎日の歯みがきでは取り除けないプラークや歯石の除去や、歯並びや口の状態に応じて歯みがき指導を行います。3~6ヶ月に一度の来院をおすすめしていますが、お口の状態に応じて頻度は変わってきます。
■規則正しい生活と健康な食生活
栄養が不足したり、極度に疲れていたりストレスがたまっていると、歯肉の抵抗力が低下してしまいます。抵抗力を高めるには、栄養バランスのとれた食生活を送ること、不足しがちなビタミンの摂取なども積極的に取り入れることが必要です。
もし口の中に違和感を感じたら、からだの疲労度や健康度をチェックしてみましょう。
3.歯周病の検査・診断
■プラークの付着具合を調べる検査
プラークがどれだけ、どこに付着しているかを、専用の染め出し液を用いて調べます。
その結果を用いて、ご本人にも歯みがきの指導をおこなっていきます。
■プロービング検査
プローブという特殊な器具を、歯と歯肉の隙間に入れて、その深さを測ります。
またそのときの出血の程度も調べます。
健康な状態では1~2ミリ程度ですが、歯周病になると3ミリ以上の深さになることが多く、重症な場合は10ミリを超えることもあります。
見た目ではそんなに炎症がひどくないと思っていても、この検査により見えないところの炎症状態が分かります。
■レントゲンによる検査
進行した歯周病の場合、歯槽骨という歯を支えている骨が溶けてきます。
レントゲンを撮影することにより、その骨が溶けている程度や範囲まで正確に知ることができます。
■そのほかの検査
歯の揺れを調べたり、病原菌を特定するために細菌の検査をおこなったりもします。
4.歯周病の治療法
炎症の原因となるプラークと歯石を口の中から取り除きます。
■プラークの除去(ブラッシング指導)
ご自宅での毎日の口の中のケアをより効果的にするため、歯みがきの仕方のチェックを定期的に受けることが必要になってきます。
間違ったやり方を続けても効果がありませんので、しっかり身につけましょう。
■歯石の除去(スケーリング・ルートプレーニング)
歯科医師や歯科衛生士が専門の道具を使い、歯石を取り除きます。
歯肉の下の目に見えない部分にまで歯石がある場合、局所麻酔をして除去していきます。
プラークや歯石により汚くなった病気のセメント質も除去して、きれいにしていきます。
■歯周外科手術
器具が届かなかったり、歯の根と根の間に入り込んでしまっている歯石には、歯周外科手術をおこないます。局所麻酔をして歯肉を歯槽骨からはがし、取れなかった深部にこびりついた歯石を除去します。
■そのほかの治療(自費治療も含む)
患者様一人ひとりに応じて、付け加えた方が良い治療があれば、その度にご提示させていただきます。
保険内でなく、自費での治療もおこなうことが可能です。
■メンテナンス
歯周病というのは歯科医院での治療が終わったからといって、その時点ですべてが終わる病気ではありません。治療が終わって、健康な状態を維持していくために、日々の正しい歯みがきや定期検診、規則正しい生活が必要となってきます。
歯周病の原因菌を増殖させたり、活性化させないためにもこまめなメンテナンスが大切です。
頻度は症状に応じてさまざまですが、一般的には1~3ヶ月ごとのお手入れが必要となってきます。
5.OCEAN歯科からのメッセージ
歯周病で重要なのは、早期発見、早期治療、そして予防とメンテナンスです。
症状が軽いうちだと時間もお金もかからずに治療していくことができますが、重症化するとご自分の歯を失うリスクがあるだけでなく、大変長い時間をかけて治療に通う必要が出てきます。
「ちょっと気になる」を放っておくと、気づかないうちにどんどん病気はひどくなっていきます。
ご自分でできるお口のケアを毎日していくことはもちろんですが、数ヶ月に1度の専門家による定期検診でさらに詳しくチェックしていきましょう。
生涯を通して自分の歯で噛んで食事ができるように、日頃から気をつけていきましょう。
顎関節症
2023年5月13日
口を開ける時に顎が痛かったり、大きく口を開けるとカクカク音がなったり、急に口が閉じられなくなったりした経験はありませんか?
もし、これらの症状の中で当てはまるものがあったら「顎関節症」になっているかもしれません。
顎関節症はむし歯、歯周病と並んで歯科の三大疾患の一つと言われるくらい、多くの方がかかっている疾患です。今回は顎関節症について、どのような状態なのか、治療方法についてなど、ご説明したいと思います。
【どんな症状があったら顎関節症?】
・口を開けると痛い(開口時痛)
・口が開かない、または開けにくい(開口障害)
・口を開けると音がする(関節雑音)
【顎関節症の多い年代】
厚生労働省の歯科疾患実態調査によると、男性より女性が多いとされています。
特に20~24歳の女性に多いようです。
【顎関節症はどのような状態なのか?】
顎関節症には4つの病態があります。
そのうちの1つ、もしくは複数の状態になっていることが考えられます。
以下が顎関節症の4つの病態です。
①咀嚼筋(そしゃくきん)の痛み
咀嚼筋とは、簡単にいうとご飯を食べるときに使う筋肉のことです。この筋肉が痛んだり、動きにくくなったりする状態ですので、お食事の時などに気づくことも多いです。
②顎関節の痛み
顎を開け閉めするのには顎関節という部位が働いています。
その関節を作っている組織に炎症や損傷が起こって、痛みが出る状態です。
③関節円板の障害
顎関節の中には、顎の関節のクッションのような役割をしてくれる関節円板というものがありますが、その関節円板の位置のズレが起こり、痛みが出る状態です。
④顎関節の変形
通常、顎関節は関節円板などクッションによって円滑に動くことができます。
しかし、何らかの原因で関節同士がクッションのない状態で、直接こすれ合い、その結果として骨が変形し、痛みが出る状態です。

【どうして顎関節症になるのか?】
顎関節症の原因として考えられることはたくさんありますので、一つに特定する事は大変難しいのです。 一般的には、いくつかの原因が重なり、その限界を超えると症状が出てくると言われています。
その中の原因として考えられるものを挙げていきます。
思い当たる節はあるでしょうか?
①かみ合わせ
もともとかみ合わせが良くなかった場合は、顎関節症になる可能性があります。
また、歯列矯正や歯科治療を受けてかみ合わせが変わったことで、顎関節症になってしまうということもあります。
②歯ぎしりやくいしばり
歯ぎしりやくいしばりが強いと、歯にヒビが入ったり、歯が欠けてしまったり、根を露出してしまうといったリスクがあります。しかし、これらが及ぼす影響はそれだけではなく、顎の筋肉を緊張させる事で顎関節症にも関わってくることが考えられます。
③習癖
普段の生活の中での無意識のクセが、顎関節に負担をかけているかもしれません。
たとえば、顎に負担がかかるようなことをしていませんか?
何気なく頬杖をついたり、うつ伏せで寝ることも顎関節には負担がかかっています。また、携帯電話やスマートフォン、パソコンで長時間操作をしたり、仕事で重い荷物をよく運んでいたりすることも顎の負担になっているかもしれません。ご本人が気づいていないところで、顎関節に大きな影響を与えている可能性はあります。
また、硬いものを食べるのが好きな場合、頻繁に硬いものを食べることも顎に負担がかかります。眠っている時の姿勢や歯ぎしりもクセとなっている方もいます。
④ストレス
人はストレスを感じたり、集中している時、無意識にかみしめています。
集中している人の顎関節に注目して見てみると、筋肉が盛り上がっていたり、動いていたりすつことに気づくかもしれません。顎関節に力がかかっている証拠です。
ストレスがあることによって、日中だけでなく、寝ている間も顎関節に負担をかけている可能性があります。かみしめが強すぎると、顎関節の周囲の筋肉や靭帯、顎骨に影響を与えてしまいます。
⑤外傷
交通事故、転倒、打撲などの外傷があった場合は、その後に顎関節症を発症することが多くあります。
顎関節には、顎の動きをスムーズにするために「関節円板」というクッションのような役割を果たす軟骨がありますが、外傷によってその軟骨に何らかの影響を与えた場合などに生じます。
関節円板のずれや変形によって顎関節症が発症することが多いです。
⑥スポーツ
スポーツ時は競技を行なっていたり、トレーニングをしているときなどにも無意識にかみしめることが多いため、顎に負担がかかり、顎関節に影響すると言われています。
【どのような治療法があるのか?】
さまざまな原因により顎関節症が発症することがご理解いただけたかと思います。
それでは、顎関節症を治療するために、どのようなことをすればいいのでしょうか?
ここでは顎関節症の治療に代表される項目について、それぞれご説明していきます。
①生活習慣を改善する
生活習慣を見直して、顎への負担を軽減させることも一つの方法です。
パソコンで操作をするときもこまめな休憩を挟んだり、何気なくしている頬杖をつくのを止めるのもいいでしょう。また、うつ伏せ寝をやめたり、一定方向を向いて寝るのではなく、さまざまな方向を向いて寝ることでも顎へかかる負担を減らせます。
日常生活で何気なくしていることを見直してみましょう。
②薬物療法
痛みや炎症を抑える薬を飲むことによって、起きている症状を抑えることができます。
③運動療法
運動療法は、顎関節の動かす体操を医師と一緒か、患者さん自身が行い関節の動きをよくする方法です。動かし方のはコツがあり、無理やり行うとかえって逆効果になりますので、必ず医師の指導の下行うようにしましょう。
④物理療法
マッサージや熱、電気を用いて、顎関節の血流を増加させ、老廃物を代謝したり、腫れや痛み、ストレスを軽減させることで顎関節症の改善を行う方法です。
⑤マウスピース治療
顎関節症というのは、かみ合わせや顎の位置異常から起こるものが多いので、正しい顎の位置に誘導してくれるマウスピースを夜寝るときに装着し、顎関節の安静化を図る方法です。現在の顎関節治療の第一選択になることが多い方法です。
⑥正しい噛み合わせを作る治療
歯並びやかみ合わせが顎関節症を引き起こしている場合、上記に挙げた方法ではでは根本的には解決することができません。矯正治療、かぶせや詰め物、インプラント によって正しい噛み合わせを作ってあげることで、顎関節症の原因である不正咬合を治療する方法です。
⑦外科治療
非常に稀な場合ですが、①~⑥の方法でも改善がない場合などは、関節の中を洗浄したりする外科処置を行う場合もあります。
【セルフケア】
症状を改善するには、ご自身でのセルフケアも大切です。
①顎を安静にする
痛みが強い場合は、硬い食べ物はなるべく控えて、軟らかい食事にしましょう。 また、くいしばりや歯ぎしりをしないように意識するだけでも顎をリラックスさせることにつながります。意識的に歯を接触させないようにしましょう。
②大きく開口しないようにする
特にあくびの時は大きく口を開けてしまいがちですので、注意しましょう。
③姿勢を良くする
猫背や顎を前に出す姿勢はとらないようにしましょう。
④長時間、同じ体勢を続けない
こまめに休憩時間を設けたり、ストレッチをして、身体を休ませることを心がけましょう。
⑤うつ伏せや頬杖をしない
うつ伏せになったり、頬杖をつくと顎に負担がかかりますので、しないように気を付けましょう。

【OCEAN歯科からのメッセージ】
顎関節症には原因と治療法に至るまで、さまざまなものがあります。
顎がとても痛くて食事ができない時などは、しばらく痛みや炎症を抑える薬を飲んでいただいた後、必要であれば寝ている時に使用するマウスピースなどを作成し、実際に使用して治療していく方法がメインになることもあります。
それぞれの症状に合わせて治療していきますので、何か顎に違和感などがある方はご相談ください。
入れ歯、ブリッジと比べたインプラントの特徴
2023年5月8日
何らかの原因で歯がなくなったら、どうしますか?
放置していてもずっと隙間があいたままその状態が続くと思っている方もいるかもしれませんが、実際の口の中では、知らない間に少しずつ小さな変化が起こってきます。
最悪の場合、歯が痛くなってかめなくなったり、かみにくくなったりすることもあるため、何らかの手段で歯がないところの補う必要があります。
一般的には入れ歯、インプラント、ブリッジを入れていくことが多いでしょう。
今回はそれぞれの特徴と、その中でも特に分からないことも多いインプラントについて、メリットデメリットも含めてご説明していきます。

【入れ歯の特徴】
入れ歯というと、どういうイメージをお持ちでしょうか?
入れ忘れたら大変?お掃除をしなくてはいけない?
そうですね、入れ歯の最大の特徴としてはどのようなものであっても、基本的には「取り外し可能である」ということです。これは、良いところでもあり、悪いところでもあります。
取り外しができる良いところは、「口から出して手に持って洗えるので、汚れが見やすくきれいに清掃ができる」ということでしょう。逆に、短所としては「外れてしまうことがある」ことや、「つけた時の違和感がある」ということがいえるでしょう。
そして、もし歯が数本なくなった場合だけを補う、部分入れ歯にすると、入れ歯を支えるために残っている歯にクラスプと呼ばれるバネをかけることになります。そのバネは、場所によっては話しているときに相手から見えて、審美的にはあまり好ましいものではないかもしれません。
そして、入れ歯には保険のものと自費のものがあります。
歯がどれくらいなくなっているかにもよりますが、どのような形態にするかなどは詳しく検査してみないと決定することはできません。
【インプラントの特徴】
インプラントは、歯がなくなったところに人工の歯根を立てて歯を作るため「自分の歯のようにかめる」ことと「見た目には歯がなくなったとは分からない」というのが最大の特徴です。
インプラントは周りの歯に依存せず、そのものだけで維持することが可能ですので、周囲の歯に負担をかけることもありません。お手入れも、自分の歯と同様に清掃していきます。インプラントは人工のものだからと清掃をしっかり行わないと、歯周病原菌によって感染が起こり、骨が溶けてインプラントがダメになってしまいます。メンテナンスという意味では、自分の歯と同様に考えていく必要があります。
インプラントは保険が効かないため、すべて自費となります。
なくなった歯の本数、スペースによってインプラントを入れる本数は変わってきます。
【ブリッジの特徴】
ブリッジは入れ歯の次に、どのようなものかをイメージできるものではないでしょうか。
具体的には、歯がなくなった両隣の歯を削って、それをつなぐように被せて歯がないところをかめるようにしていきます。
そのため両隣の「健康な歯を削る」ことと「支えてくれる歯に負担がかかる」という問題点があります。
入れ歯と違い外すことができないので、取り外しの煩わしさもなく、違和感もそれほどありません。しかし、食べたものが詰まったりと清掃はしにくいでしょう。
こちらは、保険のものと自費のものから選べます。
【入れ歯、ブリッジの中と比べたインプラントのメリット】
以上のようにそれぞれの特徴を挙げてきましたが、ここでは特に、インプラントのメリットをご説明していきます。
入れ歯、ブリッジと比較してインプラントのメリットは
- 自然な見た目
- 歯がないと分からない
- かみ心地も良い
- 口の中での違和感がない
- 他の歯に負担がかからない
- 食事中などに外れることがない
- 清掃がしやすい
ということが挙げられます。
【インプラントのデメリット】
インプラントは非常に良い治療法ですが、誰でもインプラント治療を受けることができるかというとそうではありません。
インプラントは外科手術を伴うため、次のような全身的な病気がある人はできない場合もあります。
糖尿病・・・感染を起こしやすく、傷の治りが悪い
高血圧・・・血が止まりにくかったり、脳梗塞などの合併症を起こす危険性がある
骨粗鬆症・・・骨粗鬆症の治療薬を飲んでいると、外科手術をすることで骨が壊死してしまう可能性がある
心臓病・・・心臓発作を起こしたり、感染性心内膜炎を起こす危険がある
腎臓病・・・血が止まりにくかったり、傷の治りが悪いことがある
肝臓病・・・血が止まりにくくなる危険性がある
ガンの治療中・・・顎の骨に放射線治療を受けている場合、骨の治りが悪い場合がある
また、インプラントは入れ歯やブリッジに比べると、治療の回数や時間が少し長くなります。
具体的な治療の流れを以下に示します。
【インプラント治療の流れ】
インプラントの手術の方法には、大まかに「一回法」と「二回法」の2通りあります。
一回法は手術が一回、二回法は手術が二回必要となります。
現在のところ、一般的には、二回法の方が感染のリスクが低い、またあらゆるケースに対応できる、ということからよく行われます。
それぞれの手順は次の通りです。
(一回法)
- 歯ぐきに麻酔をして、歯ぐきを切開して骨に穴を開ける
- アバットメント(土台)が一体になったインプラント体を骨に埋め込み、アバットメントを露出させた状態で歯ぐきを閉じる
- インプラントと骨が結合したのを確認してから、型取りを行い、被せ物を取り付ける
(二回法)
一次手術
- 歯ぐきに麻酔をし、歯ぐきを切開して骨に穴を開ける
- インプラント体を骨に埋め込み、歯ぐきを縫合し、インプラント体を完全に覆う
- 骨とインプラント体が結合するのを数ヶ月待つ
二次手術
- 歯ぐきを切開し、インプラントを露出させる
- インプラントにアバットメントを装着する
- 歯ぐきを切開した部分が治ったら型取りをし、被せ物をする
【インプラントを入れた後の注意点】
インプラントは、一度入れてしまえば自分の歯のような感覚でかんだり話したりできるという大きなメリットがあるものの、外科的に自分の体に埋め込む治療です。そのため「体の一部」であるインプラントは、生活習慣や体のコンディションなどが状態維持に大きな影響を与えやすいのです。ですから、一度入れてしまえば終わりではないことをしっかり覚えておく必要があります。
もしも、歯みがきが上手にできず、口の中が不衛生であったり、タバコを吸ったりしていると自分の歯と同様に歯周病のリスクが高まります。もしかしたら、せっかく入れたインプラントを早期に失うことにもなりかねません。
また、インプラントを埋め込めたとしても、全身的な病気の影響で、早期にインプラントがダメになってしまうこともあります。
インプラントを長持ちさせるためには、生活習慣を規則正しくして、口の中の健康にも全身の健康にも気を配っていくことがとても重要なのです。

【OCEAN歯科からのメッセージ】
インプラント治療は、日本だけではなく世界的でも多くの方に用いられている治療法であり、埋めた後もメンテナンスの必要はありますが大変優れた治療法です。
もしも歯を失ってしまったら、どのような治療法を選ぶにしても、早期に歯科医院へご相談されるのが良いでしょう。歯が失われたスペースにどんどん横の歯が倒れていったり、かみにくくなったりと困ったことにもなりかねません。
グラグラする歯があったり、もしも歯がなくなってしまったら気軽に当院へご相談ください。
フッ素を上手に使って歯を守ろう
2023年5月6日
人間のからだに必要な元素のひとつにフッ素があります。
フッ素は歯にも口の中の細菌にも作用する、むし歯予防に大事な役割を持っているものなのです。
<自然界のなかのフッ素>
フッ素はもともと自然界にはあちこちにある元素です。
私たちが日頃、食べているものの中にもフッ素は含まれています。
【身近にあるフッ素】
・骨や歯 微量元素として含まれる
・お茶の葉そのもの 200~400ppm
・緑茶 0.5~2ppm
・イワシの骨 395ppm
・カツオの皮 52ppm
・めざし 7~40ppm
・自然塩 2~20ppm
・海水中 1.3ppm
このように日頃飲んでいるお茶や、海産物に比較的多く含まれます。
お茶の葉そのものでなく加工したりすると濃度は減少し、また魚でも骨や皮などで濃度が高く、実際に食べる部分はフッ素の濃度がグッと下がります。
フッ素は「歯を強くするお薬」とも言われており、むし歯予防には欠かせません。
歯を強くして酸に溶けにくくすることも一つの作用ですが、溶けた成分をだ液と一緒に押し戻して歯を修復すること(再石灰化といいます)が最も期待される効果です。
この作用は、歯の周りやだ液のなかにほんのわずかなフッ素があることによっておこなわれます。
【口のなかでのフッ素のいろんな働き】
・結晶性の向上 → 歯を成熟させ、溶けにくい歯をつくります
・フルオロアパタイトの形成 → 溶けにくい歯をつくる
・脱灰の抑制 → 酸から歯を守る
・再石灰化の促進 → 溶けた歯を治す
・むし歯菌の活動抑制 → むし歯菌が酸をつくらなくする
むし歯を減らすための1日あたりのフッ素摂取量の目安は、体重1kgあたり0.05mgと言われていますが、実際に日本の子どもたちの摂取量は足りていない現状があります。
1.食べものに含まれているフッ素は、そのままむし歯予防をしてくれるの?
食べもの中に含まれているフッ素は、大部分がほかの物質と結合していて、歯を守るためには働きにくい状態になっています。
そこで歯みがき剤やフッ素のうがい薬などのフッ素イオン(歯に対して働きやすい形)にして、歯に直接働きかけるようにしていくのが効果的です。
アメリカやヨーロッパの多くの国では水道水や食塩など、日々口にするものや食品などにフッ素が含まれています。またフッ素のサプリメントなども市販されており、フッ素は健康の維持や増進のために欠かせない「栄養」という認識をしています。
一方、日本では、水道水へフッ素が入っていることもなく、フッ素サプリなども市販されておりません。
もしも幼稚園や学校などのフッ素入りのうがい薬やご家庭でのフッ素入りの歯みがき剤の使用、歯科医院でのフッ素の塗布をおこなっていても、通常はフッ素のとり過ぎにはなりません。
厚生労働省の研究でも
①フッ素は歯みがきのサポート役ではなく積極的な予防剤
②歯みがき剤をつけずにみがいても「むし歯」予防効果はない
③フッ素を配合した歯みがき剤は乳歯が生えてきた直後から使用する
④子ども方高齢者まで、すべてのライフステージで予防効果がある
などの考えが示されています。
2.歯みがきをしていても、むし歯ができる?
日本ではほとんどの人が歯みがきをしているのではないでしょうか。
フッ素が入った歯みがき剤も普及していて、使用されている方も多いと思います。
それなのに、日本のむし歯の数はほかの先進国と比べるとまだまだ多いのです。
その原因の一つとして、歯みがき剤に含まれるフッ素の効果を活かす歯みがきの方法がうまく皆さんに伝わっていないことが挙げられます。
フッ素の効果を左右するのは、
・年齢に合わせたフッ素の量
・フッ素が歯に作用している時間
・うがいの回数 などがあります。
むし歯予防のためには「効果的な濃度を保ちながら歯みがきをしていくこと」こそがフッ素の効果を十分に活かす重要なポイントなのです。

3.フッ素の上手な取り入れ方
フッ素は歯科医院で取り扱う濃度の高いものと、ご家庭で使うフッ素が配合されたうがい薬や歯みがき剤などの濃度の低いものがあります。
濃度が高いものは年に数回の歯科医院での塗布のみですが、濃度が低いものは家庭で毎日使用できます。
口の中にほんのわずかなフッ素があることが大切ですので、定期的に歯科医院で診察を受けながら高濃度のフッ素を塗布し、ご家庭では低濃度のうがい薬や歯みがき剤を毎日使用して口の中にフッ素を供給していくことで、相乗効果が期待されます。
【歯科医院と家庭でのフッ素の配合製剤の種類と使い方】
|
歯科医院 |
家庭 |
| 配合フッ化物 |
・APF(酸性フッ素リン酸溶液)
・NaF(フッ化ナトリウム) |
・NaF(フッ化ナトリウム)
・MFP(フルオロリン酸ナトリウム)
・SnF₂(フッ化第一スズ) |
| フッ素濃度 |
9000ppmF |
1500ppmF以下 |
| 形状 |
ゼリー状、液状 |
うがい薬
歯みがき剤(ジェル、ペースト)
スプレー
フォーム |
| 使い方 |
綿、歯ブラシなどで歯面に塗布する |
うがい、歯ブラシ、スプレーなどにより口の中に取り込む |
| 頻度 |
年に1~4回
(3ヶ月~半年ごとが理想的) |
1日2~3回 |
| 特徴 |
・歯の中にフッ素を取り込むことにより、フルオロアパタイトをつくる
・歯の結晶性を向上する
・生えたばかりの歯を強くする
・高濃度のため、使用できる頻度が少ない |
・脱灰の抑制と再石灰化の促進
・低濃度のため、毎日使用できる |
【子どもの年齢に応じたフッ素の取り入れ方】
お子さんの年齢に応じ、使用できるフッ素濃度は変わってきます。
また口がゆすげない小さなお子さんでも、使う量をコントロールすればより安心してご使用できます。
3歳未満の場合、フッ素濃度が500ppmのものであれば、米つぶ大くらいがいいでしょう。
100ppmのものであれば、えんどう豆大で口をゆすがないお子さんも安心して使えます。
もしフッ素配合の歯みがき剤を使わずにブラッシングする場合、直接歯にスプレーするか歯ブラシに直接スプレーするものもあります。
3~5歳の場合、500~1000ppmを歯ブラシにえんどう豆大(直径5ミリ以下)で使いましょう。口がゆすげるお子さんでも、口の中にフッ素が残るのが理想的ですので、できるだけ少ない量の水でゆすぎましょう。
6歳未満のお子さんには、1000ppmの高濃度の歯みがき剤は使用できないので注意が必要です。
お使いの歯みがき剤の種類もさまざまでしょうから、使用方法など分からないことがあればお気軽にスタッフまでお尋ねください。
どの年齢でも、新しく生えてきた歯はまだ成熟しておらず、2~3年はとてもむし歯になりやすい状態です。年齢に応じた濃度のフッ素を毎日取り入れることで、むし歯ゼロを目指しましょう。
4.フッ素による危険性
ビタミンやサプリメントと同じように、何でも適正な量というものがあります。
偏ったビタミンだけをとることや、大量に摂取することで健康を害することもあります。
フッ素も同様で、濃度や使い方をきちんと守ることによって、効果的にお口の健康を守ることができます。
過剰に摂取してしまった場合は、急性中毒(一度に大量に摂取した場合)や慢性中毒(急性中毒は起こさないが、頻回に長期間摂取した場合)を起こすことがあります。また歯の形成期だと斑状歯という形成異常が起きます。
どれくらいの量を摂取すると中毒になるかというと、お子さんの場合、5歳程度であればフッ素のうがい薬を40人分を一度に飲んだ場合です。
このように、過量なフッ素を飲み込まない限り中毒になることはありません。
またこれだけの量を一度に飲み込むのは難しいのではないでしょうか。
何でもそうですが、適切な量と頻度を守ることは大切です。
フッ素について、不安を感じていたり、悩まれている方はお気軽にスタッフまでご相談ください。

5.OCEAN歯科からのメッセージ
フッ素はお口の健康にとって、とても効果的なものです。
歯科医院での塗布とご家庭で毎日取り入れ、フッ素を上手に使い、むし歯にならない健康な口の中を維持していきましょう。
当院ではフッ素の料金はかからず、検診やクリーニングの際に仕上げでフッ素を塗布しています。
お気軽にご相談ください。
入れ歯が合わなくなる原因とその対処法について
2023年4月26日
こんにちは。OCEAN歯科クリニックURAYASU 歯科衛生士の佐藤です。
毎日使っている入れ歯がなんとなく合わなくてかみにくい、違和感があるなど、入れ歯に関する不具合を感じている方もいるかもしれません。
今回は、入れ歯が合わなくなってしまう原因と、その対処方法についてご説明していきます。
【入れ歯はどのように作るのか?】
何かしらの理由で歯を失っても、見た目を美しく保って(審美性)、食事などでかむ機能などを回復されるために、入れ歯(義歯)治療という選択肢があります。
入れ歯を作成するためにはいろんな手順があります。
まずは、歯科医師による精密な診査と診断が必要です。その後、その診断に基づいて、型取りをして入れ歯を作成していきます。しかし、その時点で入れ歯がピッタリ合うわけではなく、患者さんの口の中でかみ合わせをチェックしたり、強く当たって痛いところがないかなど、細かくチェックしていく必要があります。見た目にも調和しているかを確認していきます。
その後にしばらく使用していただいて不具合がないかも用心深く確認していく作業が必要です。
このように、患者さん一人ひとりの口の中の状態にぴったり合うものを、一つひとつオーダーメイドで作っていき、それを調整して完成となるのです。
このように精密に口の中を再現して、それに合わせた入れ歯を作るため、ある程度の時間が経つと入れ歯が合わなくなってくることがあります。
では、なぜぴったりと合っていた入れ歯が合わなくなってしまうのでしょうか?

【入れ歯が合わなくなる理由】
①歯を支えている顎の骨の量が減ってしまうあまり一般的には知られていないことかもしれませんが、実は、人の口の中は常に変化していて形が変わっているのです。特に、高齢になってきたり、糖尿病などの全身疾患をお持ちの場合は、骨が痩せてきてしまいます。これは、骨の新陳代謝のバランスが崩れていくことによります。
では、骨が減ってくるとどうなるでしょう。
今まで違和感なく使えていた入れ歯の調子が悪くなると感じる方が多くなります。それは、入れ歯と歯周組織の間に隙間ができてしまい、入れ歯がガタつくなどの症状が出て、合わなくなってしまいます。
②摩耗することにより、入れ歯がすり減ってしまった
食べものをかんだりすりつぶしたりするたびに、入れ歯は少しずつ摩耗していきます。
それは短い期間では気付かないくらい少しずつですが、長い期間、毎日入れ歯を使っていると、そのすり減りが顕著になり、かみ合わせが合わなくなるなど不具合が生じてきます。
その頃には、見た目にも歯がすり減ってきたのが分かるでしょう。
③汚れが付くことによって、入れ歯が変形してしまった
入れ歯は自分の歯ではないからとお手入れをしないでおくと歯垢(プラーク)が付着し、やがてそれが歯石になってくっついてしまいます。特に、入れ歯の粘膜と接する部分(ピンク色の部分で、床と呼ばれる部分)に歯石がついてしまうと、それが原因で入れ歯が変形し、合わなくなってしまいます。また毎日の入れ歯のお手入れを放置してしまうと、プラーク内の細菌が増殖し入れ歯の素材を変質させ、変形につながることもあります。
自分の歯ではなくても、入れ歯も自分の天然の歯のように清掃し、メンテナンスを続けることが大事になってきます。
【合わない入れ歯を使い続けるとどうなる?】
入れ歯が合わなくなったにも関わらず「少し違和感はあるけれど、まだ使えるから」「新しいものにするにはもったいたい」「歯医者にいくのが面倒だ」などの理由で、合わない入れ歯を使い続ける方がいらっしゃいます。このように入れ歯が合わないまま使用を続けるのは、本当におすすめしません。
合わなくなった入れ歯を使い続けることで、以下のようなことが起こってくる可能性があります。
・発音しにくくなり、話しにくくなる
・会話で聞き取ってもらえないことが増える
・口の中に痛みが生じる
・頭痛がする
・入れ歯が外れやすくなる
・食事の時にかみにくくなる
・お口の周りにしわができる
・肩こりが生じる
【入れ歯が合わない時はどうしたらいのか?】
①入れ歯を清潔で、きれいな状態にする入れ歯が合わなくなる原因のひとつに「入れ歯の汚れ」があります。
特に毎日のお手入れをきちんとされていなかった方などは、入れ歯専用のブラシや洗浄剤などを使って、徹底的にきれいな状態にしてみましょう。
ここで気をつけなければならないことは、過度に力を入れてゴシゴシと磨くのではなく、丁寧に磨くことを心がけましょう。力いっぱい磨いてしまうと表面に傷がつきますし、最悪の場合は破れたりと破損につながってしまいます。
③歯科医院で入れ歯のチェックをする
入れ歯を作ったかかりつけ医は、もともとの入れ歯の状態をよく分かっています。
ですので、入れ歯を今の口の中に入れ、どのような不具合があってかみにくいのか、合っていないのかをチェックすることで、入れ歯の状態が良くなる可能性があります。
必要に応じて調整や修理を行うと、また以前のようにピッタリと合う入れ歯になるかもしれませんし、あまりに合っていない場合は作り直す場合もあるでしょう。
どちらにせよ、きちんと一度歯科医師に診てもらい、入れ歯の状態を確認してもらうことが1番の問題解決方法です。
③義歯安定剤(入れ歯安定剤)を使用する
「入れ歯は毎日しているので汚れが原因ではないから」と、ご自分で市販の入れ歯安定剤を使用して調整される方も多いと思います。ドラッグストアなどでもテープタイプ、粉末タイプ、クリーム(ペースト)タイプなど、さまざまな状態の入れ歯安定剤が売られています。
一時的には症状が改善するかもしれませんが、長期的にみるとあまりおすすめはしません。
根本的にどのように合ってないかをきちんと見極めていかないと、ずっと痛みや違和感が続くことになってしまいます。
かかりつけの医院で入れ歯の調整をしてもらうことが、結局は1番早く、入れ歯が合うことにつながるでしょう。

【OCEAN歯科からのメッセージ】
このように、入れ歯は一度作ったからといって、その後は何もしなくてもずっとかめるものではありません。毎日のお手入れは必要ですし、自分が歳を重ねることで変化する口の中に合わせて調整していく必要もあります。
少しでも違和感があれば調整して、少しずつ合わせていくことができますので、お気軽にご相談ください。
親知らずについて
2023年4月21日
こんにちは。OCEAN歯科クリニックURAYASU 歯科衛生士の佐藤です。
本日は、いつもたくさんのお問合せをいただく“親知らず”についてご説明します。
親知らず(おやしらず)は口の中で最も奥にある歯で、第三大臼歯(智歯)とも呼ばれます。
親知らずは1番手前の前歯からから数えて8番目にある歯で、永久歯の中で最後に出てきます。
永久歯は通常15歳前後で生えそろいますが、親知らずは10代後半から20代前半の親が知らないうちに生えてくることからその名前がつきました。
すべて生えそろうと上下で4本になります。
必ずしも親知らずが誰でもあるわけではなく、中には親知らずがもともとない人もいます。
あるかどうかの確認のためには、顎全体の状態が分かるパノラマレントゲンを撮影をする必要があります。
【親知らずは抜いたほうがいい?】
親知らずが生えてきたからといって、すべてを抜く必要はありません。
抜いたほうがいい親知らずと抜かなくてもいい親知らずがあります。
【親知らずを抜いた方がいいケース】
①痛みや腫れがある
親知らずは永久歯の中でも一番奥にあり、とても歯みがきが難しい場所にあります。 そのため、虫歯や歯周病にもなりやすく、痛みや腫れが出やすくなってしまいます。
親知らずがみがきにくい理由の一つに、生えている場所が1番奥でみがきにくいのに加えて、ほっぺたが邪魔して歯ブラシの向きや角度が難しいため、歯ブラシがなかなか届かないこともあげられます。
また親知らずが生えてくる方向ですが、真っ直ぐに生えてこないことも多く、斜めや横向きに生えてきて、頭が少ししか出ていないこともあります。

このように、親知らずは歯磨きがしづらいため虫歯や歯周病になりやすい歯となっています。
親知らずが痛い=虫歯になっているんじゃないか?と思われる方も多いですが、親知らずの場合は必ずしも虫歯だから痛みが出ているとは限りません。
親知らずがまっすぐに生えてこないと、前の歯との間にすき間ができ、汚れが溜まりやすくなってしまいます。それにより、細菌が増え、【智歯周囲炎】という炎症を起こしてしまいます。
(【智歯】=親知らず)
智歯周囲炎になると、親知らずの周りの歯ぐきに炎症が生じ、親知らずのあたりに痛みや歯ぐきの腫れを伴います。 さらに炎症が広がると、あごの骨や筋肉の中に膿がたまり、より強い痛みや腫れ、さらには喉の痛みやお口が開けづらくなったりします。
智歯周囲炎は埋まっていない親知らずでも、上の歯との噛み合わせの刺激で起こる場合があります。
②歯並びに悪影響が出ている
親知らずは斜めや横向きに生えてくることが多くあります。
変な向きに生えてきた親知らずは手前の歯をグイグイと押して、気づかない間に歯並びに悪影響を与えることがあります。
最近、前歯などの歯並びが変な感じがするときは親知らずが後ろから押してきているのかもしれません。
③手前の歯を溶かしている
斜めや横向きに生えてきた親知らずが手前の歯を押して、その歯の根っこを溶かしてしまうことがあります。
④腫瘍や嚢胞の原因になっている
親知らずが原因で含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)などの嚢胞や腫瘍ができる可能性があります。
【親知らずを抜かなくてもいいケース】
親知らずが真っ直ぐに正常に生え、痛みや腫れもなく、きちんとかみ合わっている場合には抜歯をする必要はありません。
何も症状がない親知らずを放っておいたらどうなる?
今は特に症状がないけれど、横向きに生えていたり埋まっている場合は注意が必要です。
もしもこのような状態のまま放置していると、親知らずを抜いた方がいいケースでご紹介したような状態になる可能性があります。
必ずしも同じような状態になるわけではありませんが、心配な方は親知らずの状態を歯科医院で一度確認された方がいいでしょう。
【親知らずを抜くときに合併症はありますか?】
親知らずの抜歯をすると、いくつかの合併症が生じる可能性があります。
これらの合併症は、リスク自体を下げることができますが、必ずしも0%にはできません。
・痛みや腫れが出る場合があります
親知らずの抜歯後、一時的な痛みや腫れが出る場合があります。
腫れは一週間ほど続くこともありますので、抜歯のときは、会食などの大事な予定がない時がいいでしょう。
痛みには痛み止めを処方して対応いたしますが、スケジュールも体調も調整して予定を組まれてください。
・感覚麻痺が残る可能性があります
下顎の親知らずの抜歯の場合、親知らずの位置によっては【下顎管】という管の中にある太い神経(下歯槽神経)がとても近いことがあり、処置中にその神経を傷つけてしまうと下唇に感覚麻痺(しびれ)が残る可能性があります。

※このように神経と親知らずが近接している場合、当院で抜歯するのではなく、口腔外科にご紹介することもあります。口腔外科は親知らずの抜歯などを専門で行なっており、設備や器具なども揃っているため患者様も安心して処置してもらえます。
他にも
- 親知らずの大部分が骨の中に埋まっている
- 親知らずの根っこが大きく曲がっている
- 親知らずと骨が癒着している
などの場合は、処置の時間も長く、患者様にもご負担がかかることが予想されるため、口腔外科にご紹介いたします。
【親知らずの抜歯は保険が効くの?】
親知らずの抜歯は、基本的に保険適用となっています。
抜歯手術のみの料金に別途、痛み止めや抗菌薬などのお薬代が必要です。 また、術前の検査として顎全体を見ることができるパノラマX線検査や、必要であればCT検査が必要になる場合があります。
親知らずを残していて良いこと
真っ直ぐきれいに生えている親知らずは、きちんとかみ合っていればそのまま使えますし、他にも利用価値はあります。
例えば、隣の歯が何らかの理由で失われた場合はその代わりになることもできます。
移植(むし歯や歯周病などで失ったところに違う歯を移し入れる方法)をしたり、矯正治療で移動させたりもできます。
また、失われた部分にブリッジをする場合は、土台になる歯(支台歯)としても使うこともできます。
このように親知らずを大切な歯のひとつとして役立てる選択肢もあります。
【OCEAN歯科からのメッセージ】
親知らずは必ずしも抜く必要はありません。
しかし、智歯周囲炎などさまざまな問題の原因になる可能性があります。そのため、親知らずが生えてきたらすぐに抜歯した方が良いと考える人も多くいます。
しかし、親知らずを抜歯するかは、それぞれの口の中の状態や生え方、神経との近接具合などを考慮して決めていきます。
特に、下顎の親知らずは大事な神経の近くに生えているため、生え方によっては顎の骨を削って取り出すような場合もあります。そのため歯科医院での抜歯ではなく、大学病院や専門の口腔外科をご紹介することも多くあります。
抜歯の希望があっても、状況によってはすぐに抜歯を行えない場合もあるため、なるべく早めに受診されることをおすすめします。
自覚症状がなくても、抜歯をした方がいいと判断された場合は、時間に余裕があり、炎症が起こっていないときに抜いておくと安心です。
痛みなどが出る前に、自分の親知らずの状態について、歯科医院で調べてみましょう。
神経を抜いたのに歯が痛む理由
2023年4月15日
むし歯が重症化すると、歯の神経を抜く「抜髄(ばつずい)」という処置を行います。むし歯によって細菌に感染した歯の神経は、残すことは難しいですし、そのまま放置すると歯の痛みがどんどんと強まってしまいます。また、症例によっては神経を抜いた歯であるのに、再び痛くなることもあります。神経をとってしまったはずなのにどうして痛むのだろうと不思議に思われている方もいるかもしれません。
今回は神経を抜いた歯が痛い原因や治療法について、ご説明していきます。
【神経を抜いた歯が痛くなるのはどんなとき?】
「神経を抜いた歯が痛い」時、その症状はケースによっていろいろと異なります。
以下のようにさまざまな症状を示すことがあります。
①食事したり、カチカチとかみ合わせると痛い
食事中、食べ物をかんだ時に歯やその周囲に痛みを感じることがあります。
一般的に、虫歯というのは、かんだりしていなくてもジンジンと痛みますので、そのような症状とは少し違うのが分かるかと思います。かんだ時の痛みも、激痛が走るのか、鈍い痛みや違和感なのか、それぞれ違いがあります。
②歯ぐきが腫れている
神経を抜いた歯の周りの歯ぐきに、腫れがみられることがあります。歯ぐき自体が痛いこともあれば、歯ぐきが膨らんでいたり、違和感があることもあります。
このような腫れの症状は、いろんなケースがあります。

③歯に違和感がある
ズキンとしたり、強い痛みではないけれど、なんとなく歯に違和感がを感じるのであれば、何らかの異常がある可能性があります。歯の神経を抜いているから大丈夫なはず、などと思わずに、一度歯科医院で検査を受けるのをおすすめします。
【神経を抜いた歯なのになぜ痛みが出るの?】
神経を抜いたのに、歯が痛かったり、歯ぐきに違和感や不快感などが生じるのであれば、次のような原因が考えられます。
①歯が割れている
かんだ時に、歯にズキンと鋭い痛みがあるときは、歯の根っこが折れているかもしれません。歯を強くぶつけたり、神経を抜いた後、補強するために付ける土台によって、歯の根っこに負担がかかってしまった場合などに起こることがあります。
歯がどのように割れているかによって対応は異なりますが、基本的には抜歯になります。抜かずにそのまま放置すると、歯ぐきやその周りの骨にまで炎症を引き起こし、状態はどんどん悪化します。
②かみ合わせが合っていない
かみ合わせが合っていないと、神経を抜いた歯でも痛みや違和感を感じることがあります。人間のかみ合わせというのは、髪の毛一本入っていても分かるくらい繊細なものです。かみ合わせが少しでも合っていなかったり高かったりすると、その歯に負担がかかり、歯の根っこの周りの組織にまで刺激が加わります。そのため、歯そのものが痛んでるのではなく、歯の根っこの先やその周りの組織の部分で痛みを感じているのです。
③歯周病による痛み
神経を抜いた歯は、むし歯によって歯の痛みが生じることはありません。しかし、歯周病による痛みは発生します。むし歯をいくら治療しても、歯や歯ぐきのケアがおろそかでは歯周病は進行してしまいます。歯周病が進行すると、歯ぐきに炎症が起こって痛みや腫れなどの症状を引き起こします。この症状は、むし歯による痛みとは違うので、比較的分かりやすいかもしれません。
④神経を抜いた部分に問題がある
歯の神経を抜いた後、歯の根っこの神経が入っていた部分(根管)をきれいにお掃除する治療をしていきます。根っこの神経が入っていた部分(根管)を、針のような細い器具を使って汚れを除去し、きれいに形を整え、薬剤で消毒・殺菌していきます。この治療はもともと難易度は高く、保険診療での成功率は50%程度といわれています。根管の形態によっても、それぞれ難易度が変わってきます。器具が届きにくい形をしているものもあります。このように、何らかの理由で炎症反応などが起きた場合は、神経を抜いた歯が痛む主な原因のひとつになります。
⑤根管の中に膿が溜まっている
根管の中に膿が溜まっている場合も、歯に痛みを感じることがあります。歯の根の中の病変ですが、痛みを感知しているのは歯の神経ではなく、歯の根っこの周りにある組織です。治療としては、根管の中を細くて繊細な器具を使ってきれいにお掃除する処置をしていきます。
もしも、そのまま放置してしまった場合は、歯の根っこの先から細菌など出て、新たに病気を発症します。
【神経を抜いた歯が痛い場合の治療法】
神経を抜いた歯が痛い場合の治療法には、いくつかの選択肢があります。
①神経が入っていた管(根管)のお掃除
根管治療が不十分で、再度、細菌による感染や痛みの再発などが生じている場合は、自費による精密な根管処置をするのもひとつの手です。
自費による治療にはなりますが、時間や使える器材・お薬に限りがないため、治療の精度が高く再発のリスクが低くなります。抜歯をしたくない方、質の高い治療を受けたい方、歯を長持ちさせて一生ご自身の歯で食事を楽しみたい方はおすすめです。
根管というのはとても細く、暗く、複雑に入り組んだ構造をしています。標準的な治療ではなく、歯科用顕微鏡であるマイクロスコープを用いた精密根管治療なら、視野を拡大できるだけでなく、根管内もライトで明るく照らせます。そのため、腐敗した神経など汚染物質の取り残しも少なくなります。根管内がきれいに清掃され、痛みも自然と消失し、歯の根っこの周りの症状も徐々に改善されていくことでしょう。
②歯周病治療
神経を抜いた後の痛みが歯周病によるものであれば、歯周病の治療が必要となります。
状態により対応方法はさまざまですが、歯ぐきに痛みや腫れがあったり、膿の塊がある場合は、かなり進行している可能性がありますので、一般的な歯周基本治療のみで改善することは難しい可能性があります。歯ぐきをメスで切開し、歯の根っこの歯石を取り除くなどの歯周外科治療も必要になるかもしれません。

③抜歯
歯の根っこが割れていたり、精密根管治療でも症状の改善が見込めなかったりする場合は、抜歯をする可能性があります。歯の根っこが割れていると、残念ながら、ほとんどのケースでその歯を残すことはできません。歯が割れている方向にもよりますが、根っこがが垂直的に割れている場合は、手の施しようがないこため、抜歯を余儀なくされます。
根管の治療は、歯を保存するためにとても重要ですので、状態によっては時間が長くかかることもあります。しかし、きちんと定期的に治療していくことがとても大事な処置ですので、最後まで頑張りましょう。ただ、どんなに精密に根管治療をしていても、状態が悪い場合は抜歯になることもあります。
【OCEAN歯科からのメッセージ】
このように、歯の神経をとっても、治療後に歯が痛むようなケースもあります。
上記のように、歯の根っこが破折していたり、噛み合わせの異常、進行した歯周病や根管治療の不良の可能性もあります。そのまま何もせずに放置すると、どんどん症状は悪化していきますので、症状があったらすぐに歯科医院へお越しください。